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≪借金返済≫

 食中毒事件を解決し、また金の髪飾りの事件(第1話)も解決したクライスたちは、十分にお金がたまったこともあってエディシアの借金を返済します。
 またエディシアはクライスと共に、魔道師への昇進試験を受けることにします。何でも彼女は少し前に昇進資格を取得していたのですが、借金があったために保留になっていたのだとか。クライスは魔術師ギルドには所属していなかったのですが、不便なので所属しようとしたところ、実力的には魔道師級ということで、一緒に試験を受けることになったのです。

 ちなみにこの時、エディシアの上司である高導師に出会います(あ、重要キャラじゃないから名前考えてないや)。そして彼女から、エディシアは親を亡くして親戚の魔法使いに引き取られ、その後義理の親もなくし、現在は自分が親代わりであることを聞かされます。

 さて、試験の結果ですが、2人ともみごと合格。その夜は冒険者ギルドでパーティをすることになりました。ただしもちろん禁酒で。

 エディ「一番、エディシア、花火やります。そーれ、ファイヤーボーr

 一同「やめんかー!」

 どうやらシラフでも、彼女はあまり変わらないみたいです。不幸な人生を送っていても明るく生きている彼女は、ある意味とても強い女性なのかもしれません。
 ・・・不幸な身の上だったからこそ甘やかされて、こうなった気もしますけど。


≪宝の地図≫

 冒険者ギルドでのんびりしていた時のことです。

 シリュン「はっはっはっ!」

 クライス「?」

 シリュン「ひっひっひっ!」

 クライス「???」

 シリュン「ふっふっふっ!」

 クライス「シリュン、大丈夫ですか?」

 シリュン「へっへっへっ、まあ聞いてくれよ。前に妖術師の屋敷跡で見つけた宝の地図だけどな、やっと解読ができたんだ。これによるとな、はるか昔に魔術師ギルドを追われた者たちが集まって作った、闇魔術師ギルドとでも言うべき組織があったんだそうだ。この地図にはその場所が書いてあるんだけどな、このことは盗賊ギルドの連中でさえも知らなかったんだ。つまりこれは手つかずの、それも大規模な遺跡を示しているってことなんだぜ。ああ、お宝がオレを呼んでいる・・・。」

 クライス「・・・シリュン、本当に大丈夫ですか?」


≪夜会話、その1≫

 遠方での大冒険ということで傭兵のセザールを雇い、4人は闇魔術師ギルドへ向かいます。入口は巧妙に隠されていたものの、シリュンはそれを難なく看破。入口近くにベースキャンプを張って、時間をかけて慎重に探険することにします。
 そしてその夜、キャンプをしていた時のことでした。本を読んでいたクライスのところへ、シリュンがやってきます。

 シリュン「まだ本を読んでいたのか。相変わらずだな、お前は。いい加減、頭痛くならないか?」

 クライス「好きで読んでいますからね。読書もそうですが、学ぶということは楽しいことですよ。本来ならば膨大な労力を費やさなければ得られない知恵や知識・・・。でも先人たちが残してくれた書物のおかげで、私たちはそれを簡単に得ることができるんです。新たな知識を得て真実を知れば、世の中の見え方が変わってきます。この世の本当の姿が見えてきます。・・・もちろん今の私が見ている光景も、偽りの姿なのかもしれませんがね。だから今は、世の中のことをもっと知りたいし学びたい。この世の本当の姿を見てみたい・・・。新たな発見がどんなに些細なものであっても、自分が成長しているんだって、実感することができますから。」

 シリュン「オレは今でも本は読まないけど、色々と考えるようにはなったな・・・。冒険者としてまだ未熟なオレだけど、それでも依頼人のために知恵を絞って体を張って・・・。なんかこう・・・生きてるって実感できるよな。こういうのを幸せっていうのかな・・・。いつまでも・・・今のままでいられるのかな・・・。」


≪封印のつぼ≫

 アンデッドモンスター(不死者)ばかりが現れる遺跡の奥で、奇妙なつぼを見つけました。どれくらい奇妙かは、彼らのセリフからご想像ください。

 シリュン「安っぽいツボだなぁ。形はいびつだし、絵は下手だし、色は変だし。こんなの誰が作ったんだ?」

 エディ「あれ? これ、封印のつぼじゃないの?」

 クライス「確かに魔力はあるようですが・・・。でもこの程度の魔力では、インプでさえ封印できませんよ。」

 エディ「封印を解いてみようよ。えいっ!」

 すると巨大で凶悪そうな悪魔が現れました。ところが!

 シリュン「弱かったなー。」

 クライス「つぼにふさわしいというか・・・。」

 エディ「インプの使い魔だったのかな?」

 悪魔「貴様ら、好き放題言いやがって・・・。おれだってなぁ、昔は普通のインプだったんだぞ! それが貴様らにつかまって魔法の実験台にされてからというもの・・・。魔法は使えなくなり、体は弱くなり、鏡も見れない怖い姿になり・・・。」

 エディ「インプより格好いいじゃない。」

 悪魔「黙れ! 使い魔にだって誇りはあるんだ! それを貴様らは・・・。」

 シリュン「ちょっと待て。貴様ら貴様らって、オレたちはそんなことしちゃいないぜ。」

 悪魔「なに、人違いか!? ならば頼む! 奴らを倒してくれ!」

 シリュン「おいおい、悪魔が人間に頼みごとをするなんて、聞いたことがないぜ。・・・クライス、どうする?」

 クライス「復讐の依頼・・・。私たちとも無関係ではありませんね。」

 シリュン「・・・そうだな。オレたちと同じ気持ちってことか・・・。分かった、まかせな!」


≪復讐の願いかなう時≫

 そしてクライスたちは、遺跡のボスである死せる魔道師を倒しました。いつも戦闘シーンを省略しているのは仕様です。

 悪魔「ついに・・・ついにこの時が・・・。人間よ、感謝する。もうこの世に未練はない。お前たちもおれの命をたてば後腐れもあるまい。覚悟はできている。さあ・・・。」

 エディ「あんた、なに言ってんのよ! 人を殺して自分も死ぬなんて、そんなことのために生きてきたの!? やっと自由になれて、恨みを晴らせて、あんたの人生これからじゃないの!」

 悪魔「しかし、おれは悪魔だ。人間の敵でしかない・・・。」

 シリュン「・・・オレたちは、あんたの依頼を引き受けた。悪魔であっても、人間と同じ心を持っていると思ったからだ。オレたちと同じだと思ったからこそ・・・。」

 悪魔「おれたちが同じ? しかしおれは、人間の世界では生きてはいけない・・・。」

 この悪魔のセリフには深い意味があります。
 この世界には属性が6つあり、その中に聖属性と魔属性というものがありますが、聖属性とは自分の世界の太陽の力であり、魔属性とは異世界の太陽の力のことです。そしてすべての生物が、聖属性には高い耐性を持つ一方で、魔属性を弱点としています。つまり異なる世界の太陽のもとでは長期間は生きられないのです。生きるすべはただ1つ、地下にもぐって日光を浴びないようにすることのみ。つまり、まともな生活はできません。

 クライス「魔法で、あなたを魔界へ送還することができます。無事に、という保証はできませんが・・・。」

 悪魔「・・・頼む。」

 そしてクライスは魔法陣を描き、悪魔を送還する呪文を唱えます。

 悪魔「悪魔と人間、いつか分かりあえる時が来るのだろうか。もし、その時が来るのならば・・・。」

 シリュン「先入観にとらわれず、感情に負けることなく、相手を理解しようとする気持ちさえあれば・・・。また、会おうぜ!」


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