≪１年目　秋の月　２３日　（金）　晴れ≫

　今日は水やり担当のコロボックルが１人しかこない。２日連続で私の出番だ。
　水やりの仕事は体力をつかう。予想通り、朝っぱらから仕事中に倒れた。

≪１年目　秋の月　２４日　（土）　晴れ≫

　食堂へ行くと、アージュワイナリーの人たちが食事をしていた。なんと従業員のクリフも一緒に食べている。どうやらクリフは、家族のように大切にしてもらっているらしい。こんな話を聞くと、仕事を紹介した私もうれしくなってくる。
　しかしクリフは、一体いくら給料をもらっているのだろう。食堂で食べたりしたら、あっという間にお金がなくなってしまうはずなのだが。
　と思いきや、なんと３食とも食堂のご飯を食べているらしい。
　なにぃ、アージュワイナリーでは食事代が支給されるのか！？　ゆ、ゆるせん。仕事を紹介した私が、いまだに１日１食か２食で生活しているというのに･･･。
　クリフ、キミは今から私のライバルだ！　私はいつか必ず１日３食おやつ付きの生活を送って、キミを越えてみせるからな！

≪１年目　秋の月　２５日　（日）　晴れ≫

　今更ではあるが、フリスビーの練習をするついでに海釣りをして帰ることにした。どちらも場所が同じなので、時間の無駄がなくていいはずだ。
　桟橋に腰をおろして仕掛けを投げると、アタリが来るのをじっと待つ。やがて釣れたのは３６ｃｍのアジ。さすがは出来たばかりの銀の釣竿。いきなり記録更新だ。
　そして再び仕掛けを投げて待ち続ける。ポチも私のすぐ隣にきてウキを見ている。こうなっては期待に応えなくてはならない。
　そしてウキが沈む。私は竿をしゃくりあげると、一気に手繰り寄せる。引き上げると、大きな枝が釣れていた。ポチはあきれて帰っていった。

≪１年目　秋の月　２６日　（月）　晴れ≫

　注文していた包丁が届いた。これが野犬と戦うための５番目の武器だ。おや、家から持ち出せないぞ？
　･･･なんだ、武器じゃないのか。

≪１年目　秋の月　２８日　（水）　雨≫

　ああ、ついに日記に穴をあけてしまった。でも８６日も続いたんだからよしとしよう。自分の予想では３日坊主だったんだから。
　しかし日常的な出来事をネタにするのが難しくなってきたな。まあいいや。もともと２年目からは歯抜け日記にするつもりだったんだ。一月ほど予定を早めたっていいですよね？　善は急げって言うんだし。

≪１年目　秋の月　２９日　（木）　晴れ≫

　昨日が雨だったため、動物達をすべて小屋に入れている。そして冬には外へ出すことができない。つまり今日放牧しても、明日また小屋に入れなければならず、それにかかる時間と労力は馬鹿にならない。そこで少し早いが、動物達には小屋の中ですごしてもらうことにした。そして浮いた時間は、ポチの調教と釣りの修行だ！

≪１年目　秋の月　３０日　（金）　晴れ≫

　今日はかぼちゃ祭り。子供にお菓子をあげなければならない日らしいので、ハロウィンのようなものだろう。
　ミネラルタウンで子供というと、メイちゃんとユウくんの２人しかいない。２人とも私と親しいので、私のところにもお菓子をねだりにくるはずだ。
　しかしお菓子なんて私には作れない。一応チョコクッキーの作り方は誰かに教えてもらったのだが、調理器具が足りないのだ。しかし作れるものでお菓子らしいものとなると･･･。
　結局、思い浮かぶものが１つしかなく、私の家ではかぼちゃ祭りの日に月見だんごをあげることにした。

　いつもと同じく朝の６時に外へ出たのだが、すぐにメイちゃんがやってきた。私の家に真っ先にきたのだろうか。片道１時間の道のりに加えて、途中にはにわとりりあと鍛冶屋サイバラがあるというのに･･･。まあ、それだけ親しみを持ってくれているって事だろうな。
　よしよし、月見だんごをあげるよ。お兄ちゃんみたいに、丸呑みしてはいけないよ。

　８時にはユウくんがやってきた。街に住んでいるユウくんがこんなに早く来るとは、やはり私は期待されているのだろうか。まあ、悪い気はしないけどね。
　はい、月見だんごだよ。お兄ちゃんみたいに、串まで食べてはいけないよ。

　１０時にポプリがやってきた。
　･･･って、こら！　ポプリは子供じゃないだろうが！　でも、子供みたいな人だからなぁ。
　･･･はい、月見だんご。これあげるから、大きくなったポチを見せて３回ほど脅かしてしまったこと、水に流してよね。

　海岸でフリスビーと釣りを楽しんだ後の帰り道、酒場によってのどを潤す。これで酒場メニュー完全制覇。そしてミネラルタウンメニューの完全制覇だ！

　これで秋の月が終了。自分はほとんど働いていなかったにも関わらず、収入は予想以上の大幅増だ。コロボックル様様ということで、今月の終わりごろから給料と休暇を増やしたところ、思った以上に喜んでもらい、彼らからの信頼もうなぎのぼり。牧場経営は予想以上に順調だ。
　ただ、動物の数がなかなか増えない。お金はあるのでヨーデル牧場から買えばすぐに増えるのだが、鶏同様に、始めの１頭以外はうちで生産したいと思っているからだ。こればかりは我慢するしかない。

　明日からは冬。恐らくは経済的にも厳しい季節。今月に作った貯金を頼りに、なんとか春まで持ちこたえたいものだ。

注：後で気付いたのだが、チョコクッキーの材料であるチョコレートが冷蔵庫に入っていたので、これをあげれば良かったのだ。チョコレートを料理の材料としか考えていなかったのはウカツだった。もっとも手作りのお菓子をあげたいという気持ちが強かったことも事実なのだが。

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　データは冬の月の１日に目を覚ました時点での、家計簿などから拾って計算しています。
　冷蔵庫や整理棚に入れている物は含まれていません。
　この他にもゴミを２０個（合計３５個）釣っています。