≪１年目　夏の月　２９日　（火）　晴れ≫

　作物には２種類あり、かぶのように収穫すると後には何も残らない物と、トマトのように何日か後にまた収穫できる物に分けられる。この何度も収穫できるタイプは種まきが１度で済むため楽なのだが、逆に新しい作物を植えたいときには、カマで刈り取らなければならない。そのため秋が近づいてきた今、夏の作物を刈り取ってしまうのが最も大変な仕事となるのだ。私のカマ、いまだに鉄製だし。
　今日が最後の収穫日という作物が多く、それを全部刈ってしまおうと思ったため、仕事は大変なものとなった。すべてを刈り終えたころには気分が悪くなり、疲れをとるために温泉に向かう･･･途中で引き返し、せっかくだからと自宅に戻って、鏡で顔色を見てみることにした。
　うわっ、真っ青だ！　やばい、急いで温泉に入らなければ！

　温泉に行くとカレンが待ち構えていた。だーかーらー、狙っているんじゃないだろうな！
　しかし体調が体調だけに、羞恥心をかなぐり捨てて温泉に飛び込む。その音が聞こえたのか、カレンは足早に帰っていった。ふぅ。

≪１年目　夏の月　３０日　（水）　晴れ≫

　今日は夏の月の最終日。しかし今月は、雨の日が１日もなかったぞ。この辺りは水が豊富とはいえ、大丈夫なのだろうか。もっともあの台風だったら、１月分（４分の１年分）の雨を１日で降らせていたかもしれないけれど。

　コロボックル達は毎日のように仕事にきてくれる。そんな彼らに、ポチをつれて挨拶をするのは日課になっていた。ところが今日に限ってコロボックル達が怖がっている。なぜ？　と思って考えてみたのだが、原因が分からない。そういえば、鶏の柵に入れていたポチが外に出ていたことと、何か関係があるのだろうか。
　しかしポチ、今日はやけに重たいぞ。お前、太ったんじゃないのか？
　と調べてみて、ようやく原因が判明した。ポチは犬になったのだ。

　･･･読者が誤解しないように書いておくと、ポチは昨日までも犬だった。ただ正確には子犬だったのだ。それが一晩で一気に成長して犬になったわけだ。コロボックルは人間の乳児よりも小さいから、自分よりずっと大きくなったポチは、とても恐ろしく見えるのだろう。
　ポチの成長はコロボックル達にとっては災難でも、私にとっては朗報だ。これで来年のフリスビー大会に出場することができる。そして優勝したら、次の目標はお使い犬にすることだ！

　アージュワイナリーでお買い物。この店で買い物をするのは、なんと今日が始めてだったりする。営業時間が１日にわずか２時間のため、その時間帯にここを訪れることがなかったのだ。もっともワインとぶどうジュースを料理以外に使うつもりはないから、買いたいと思わなかったのも事実なのだが。

　これで夏の月が終わった。明日からは秋。実りの秋だ。図書館で仕入れた情報をもとにすると、牧場にとって最大の稼ぎ時となるはずだ。畑も十分に広げたから、きっと楽しい月になるだろう。コロボックル達、仕事はみんな任せたぞ！

≪１年目　夏の月　牧場成績≫次のページへ

　データは秋の月の１日に目を覚ました時点での、家計簿などから拾って計算しています。
　冷蔵庫や整理棚に入れている物は含まれていません。
　畑３０面のうち、実際に作物や花を育てていたのは２４面です。
　この他にもゴミを１１個（合計１５個）釣っています。