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≪1年目 夏の月 21日 (月) 晴れ≫

 天気予報によると、明日は台風が直撃するらしい。しかし直撃とはずいぶんインパクトのある言い方だ。家から出てはいけないなどと言っているが、それほど凄い台風なのだろうか。
 一日中なにもできないのは痛いが、代わりに今日は徹夜で仕事ができると考えればいいだろう。何せミネラルタウンでは、朝の6時以外には天気がまったく変化しないようなのだ。今日も朝の6時までは何事も起きないだろうから、時間いっぱいまで働いて、明日は1日中眠っていればいいはずだ

 先日注文していた整理棚が届いた。これで全ての品を自宅に保管できるようになったわけだ。やっと人間の住む家らしくなったかな?

 夕方になって動物たちを小屋に入れる。今日は徹夜の予定なので、時間を気にしなくていいのは楽だ。そして仕事が終わると、釣り竿を持って海へ向かう。台風直撃の前日に徹夜で海釣りを楽しむなど、ミネラルタウンでしかできないことだ。
 しかしそんな私の悪巧みをあざ笑うかのように、釣れた物は順番に、長靴魚の骨ミノカサゴ、またミノカサゴ、また魚の骨、やっと最後にメバル。広場のごみ箱にごみを捨てたところで日が昇り、強制的に家に帰らされた。

注:ミノカサゴとは見るからにまずそうな魚で、しかもヒレのトゲには毒がある。見た目は悪いが味は良いという魚は多いのだが、ミノカサゴがどうなのか私は知らない。


≪1年目 夏の月 22日 (火) 台風≫

 予想通り、突然突風が吹き始めた。風がうなる! 家がゆれる! テレビが映らない! ポチが寝ている!
 ・・・ん?

 家から一歩も出られないのですることがなく、ポチを叩き起こして少し遊んだ後、リュックの中身を整理すると、予定通り一日中寝ることにした。


≪1年目 夏の月 23日 (水) 晴れ≫

 昨日の台風は凄かった。まさかあれほどとは・・・。
 しかし家を出るまで、私はまだ台風を甘く見ていた。
 まずは被害を確認する。畑の様子は・・・そして目を疑った。並みの風ではなかったから、が飛んで来ているのは分かる。しかしあの、大きな石はどこから湧いてきたんだ!? 3トンはありそうな巨石が、風で飛ばされてきたのか!?
 人は決して自然に逆らってはいけない。私は今日、それを実感した。

 大きな石に押しつぶされ、作物と花が少しだけダメになっていたが、出荷額500Gのパイナップルが無事だったのは大きい。作物の被害は、ほとんど無かったといっていいだろう。
 しかし問題は動物たちだ。昨日はエサをやれなかったため、不機嫌になっているものがいる。特にモーモー牛乳を搾らせてくれない。乳しぼり器は一昨日に購入したのだが、その日は搾るのを忘れていたため、キャンディ牧場へきて5日目の今日も、モーモーは悠悠自適なペット生活を送っているのだ。

 海の家に行く。かきごおりを食べれば、海の家メニューの完全制覇となるからだ。
 しかし客が少ない店だな。何度か足を運んだが、店の中はいつもがら空きだ。ポプリはよく来ているようだが、何かを食べているところは見たことがない。カイは一体、どうやって生活しているのだろう。
 しかし心配していたのは私だけではなかったらしい。かきごおりを注文しようとすると、突然ポプリが入ってきた。それも数えきれないほどの客を連れて。
 カイ1人でさばける人数ではないため私も手伝うことにしたのだが、まあ、いるわいるわ。この町の住人全員が来ているのではないだろうか。ともかく今日一日で、今年のこれまでの売上を軽く越えたのは間違いない。

 しかしポプリの顔の広さと行動力には驚かされた。これならリックの反対を押し切って、カイと付き合い続けることができるかもしれない。
 ・・・そういえばリックの顔を見なかったのは、私の見落としだろうか。そうでなければ、町中の人が海の家に集まったあの時間、リックはただ1人、町に取り残されていたということになる。想像するとかなり寂しい。

 働き続けてヘトヘトになった私だが、同じくヘトヘトになったカイかきごおりを注文することなどできず、そのまま帰って寝ることにした。
 ・・・あ、バイト代もらってない!


≪1年目 夏の月 24日 (木) 晴れ≫

 モーモー牛乳を搾らせてくれない。機嫌は直ったのになぜ? と思いよく調べてみると、モーモーはまだ子牛だった。なんだ、そうだったのか。

 今日は夕方から花火大会があるので、海岸に行ってみた。ああ、もうすぐ夏が終わるんだ・・・。
 急に感傷的になった私は、今年の夏を振り返ってみる。働きすぎて意識を失いかけたこと。台風に直撃されて唖然としたこと。海の家でただ働きさせられたこと・・・。
 ロクな思い出がなーい!
 こうなったら最後くらいはいい思い出を作ろうと、女友達に片っ端から声をかけていく。しかし誰も一緒に見ようなどとは誘ってくれず、1人寂しく見ることになった。悲しい思い出がまた1つ増えた。ああ・・・。


≪1年目 夏の月 25日 (金) 晴れ≫

 ヨーデル牧場を購入した。の名前がモーモーならメーメーだろうと思われるかもしれないが、実際にそうだから反論できない。

 海の家に行き、カイにバイト代の請求をする。ところがカイは、まだ生活が苦しいのか、お金の換わりにポップコーンのレシピをくれた。まあいいか。
 その後かきごおりを食べて、海の家のメニューを完全制覇。あとは酒場のメニューだけだ。


≪1年目 夏の月 26日 (土) 晴れ≫

 雑貨屋(今ごろ気付いたのだが、ザっか屋という名前らしい)に行くと、サーシャさんカレンが親子喧嘩をしていた。ジェフさんもすぐ近くにいるのだが、止めに入る勇気など持っているはずがなく、おろおろしているだけ。仕方がない、ここは私の出番だ。

 喧嘩の原因は、入院することになった親戚の子供への、お見舞いの品らしい。カレンムーンドロップ草の種、サーシャさんピンクキャット草の種がいいといって、お互い一歩もゆずらない。結局私の意見を採用することになり、私はカレンに嫌われたくないという理由でムーンドロップ草を選んだ。サーシャさんには申し訳ないが、とりあえず喧嘩は収まったようだ。
 しかしこれで良かったのだろうか。ムーンドロップ草は春の花であるため、今あげても植えることができないのだ。もっとも夏の花であるピンクキャット草も開花までに6日かかるため、今から植えても間に合わないのだが。

 種コーナーを見ると、かぼちゃの種が置いてあった。
 はて、この前に来たときには見なかったのだが、最近入荷したのだろうか。しかし収穫までに14日もかかるかぼちゃの種を、今ごろ入荷してどうするのだろう。
 ・・・こんな人たちが商売やってて大丈夫なのか?


≪1年目 夏の月 27日 (日) 晴れ≫

 雑貨屋から手紙が届いた。かぼちゃの種を入荷したという内容だ。
 入れ違いになったため無駄になったわけだが、牧場でありながら農業で生計を立てている私にとって、こんな気配りはとてもうれしい。来年のために、少し買っておこうか。でも今日は、雑貨屋の定休日なんだよな。


≪1年目 夏の月 28日 (月) 晴れ≫

 テレビショッピングで購入した台所が届いた。もっとも調理器具が何一つないため、宝の持ち腐れでしかないのだが。

 モーモーが大きくなり、牛乳を搾れるようになった。さっそくイッキ飲み・・・と思ったが、楽しみは仕事の後に取っておくことにする。

 来月に向けて雑草を刈り取り、地面を耕し畑を広げる。そして昼頃には休憩をかねて温泉に入り、出たあとにはお楽しみターイム!
 直立不動の体勢から足を肩幅よりもやや大きく広げると、左腕を90度に曲げて手を腰に当て、今朝搾ったばかりの牛乳をイッキ飲み。
 プハー! やっぱ入浴後の牛乳は最高だぜ!
 牛乳を殺菌していないことに気付いたのは、その直後だった。
 ・・・ま、大丈夫だろ。

 夜に時間が余ったので、牧場のすぐ横を流れる川で釣りをする。遠くにある湖や海のほうがいい魚が釣れそうな気はするのだが、普通の釣り竿での実績はここが一番なのだ。しかしいまだ銅の釣り竿で釣りにきたことはない。きっと見たことのない魚が釣れるに違いない。

 ・・・おおっ、ウキが沈んだ!
 竿がしなる!
 これは大きい!
 釣れたのは、空き缶という見たことのないゴミだった。捨てたの誰だー!


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