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≪1年目 夏の月 7日 (月) 晴れ≫

 トーマス氏町長説が立証された衝撃はあまりにも大きく、昨日はよく眠れなかった。このところ疲れやすいのは、体力不足ではなく睡眠不足のせいなのだろうか。
 もし読者の中にこのような状態の人がいれば、寝ることを一番に考えてほしい。無理をすると今日の私のように、水汲みの途中でふらついて溜め池に落ちかけたり、ルドルフのブラシがけの途中で倒れて踏みつけられそうになったりするからだ。

 今日は鶏祭りの日。いや、祭りというよりも、競技会といった方が分かりやすいかもしれない。なにせ土俵の上でを1対1で戦わせ、土俵から落ちたほうが負けになるという荒っぽいイベントだからだ。
 会場を見渡すと、予想通りジェフさんリリアさんの姿は見当たらない。あの2人が見たら、きっと貧血を起こして倒れてしまうだろう。そんなお祭りだから、見にきているのはほとんどが男性。なぜかポプリがきているが、これは養鶏場の飼育員としての義務だろう。
 ・・・途中で倒れなければいいのだが。

 私の牧場から出場するのはコケッコ。まだまだひよっこのため勝負にならないのは分かっているのだが、出場しなければまた退屈な思いをしそうな気がしたので、オリンピック精神で参加したのだ。
 ・・・えっ、何か違うって?

 そして一回戦。コケッコの戦いは熾烈を極めた。
 どちらの鶏も飼い主の言うことをまるできかず、土俵の上をあっちへフラフラ、こっちへフラフラと駆け回り、後一歩のところに追い詰めては突然エサを探し始める余裕の態度。恐らくは1分、いや1分半を越えたであろう大激戦だった。
 結局コケッコは敗れたのだが、きっと歴史的なメイ勝負として、物好きなファンの心に刻まれたことだろう。

 こうして鶏祭りは幕を閉じたのだが、戦いはまだ終わっていなかった。牧場に野犬が現れたのだ。リターンマッチということか。
 だが甘いな。今度の私は完全装備だ。ウォーハンマー、バトルアックス、死神の鎌に加えて、先日テレビで武器として使えることを知ったクワまで持っているのだ。ふっふっふ、返り討ちにしてくれるわ!
 さて、今回の得物はどれにするかな。前回がウォーハンマーだったから、今回は死神の鎌にしてみるか。
 2度目の戦闘ということで余裕を持っていた私は、野犬を5回ほど泣かせて戦意を喪失させ、みごとに家畜たちを守り抜くことができた。
 しかしウォーハンマーで3回、死神の鎌で5回か。これは野犬がパワーアップしたのか? それとも武器の威力の違いなのか? 確かめたいから、明日また来てくれないかな〜。


≪1年目 夏の月 8日 (火) 晴れ≫

 海岸へ行くと、またカイポプリが談笑していた。リックが留守のときを狙って、カイリリアさんのために料理を作りに行ったときの話らしい。カイリリアさんが喜んでくれてよかったと、ホッとした表情で話していたが、それはそうだろう。いくらカイがこの町では珍しい料理を知っていて、しかも作りなれているからといって、相手はプロの料理人を抑えて料理祭で優勝したリリアさんだ。きっと「ポプリと結婚させてください」と言うのと同じくらいの緊張感があったに違いない。
 ・・・まてよ。これは本当にそんな意味があったのではないのか? カイポプリでは「プレイボーイとだまされた娘」というイメージにしかならないので、リックの気持ちも分からなくはないのだが、その勇気は本物のように思える。

 私がこの町に来てからというもの、若いカップルができつつある。鍛冶屋のグレイマリーの図書館に通い詰めているし、仲もいいようだ。一方通行とはいえエリィドクターも可能性は十分。リックカレンは幼馴染で雰囲気は悪くない。そういえば宿屋のランと、影が薄いので日記初登場のクリフも、なんとなくいい感じがするような気がしなくもないとは否定しきれない(・・・ん?)。
 はて、すると残っている同年代の女性は0で、つまり私は・・・。などと、前回同様に覗き見と盗み聞きをしながら考えていた私であった。

 そうそう、今日はめでたいことがあった。なんとついに、食堂のメニューを完全制覇したのだ! 今度は夜に通って、酒場のメニューを完全制覇したいものだ。おっと、夏限定の海の家メニューが先だったか。

注:食堂のメニューを完全制覇してもメッセージが表示されるわけではなく、何の意味もありません。


≪1年目 夏の月 9日 (水) 晴れ≫

 午後の仕事に備えて食堂に定食を食べに行ったとき、思わぬ歓迎を受けた。なんと主人のダッドさんと娘のランが、食事をおごってくれるというのだ。せっかくの誘いを断るわけには行かないので、お言葉に甘えることにする。もちろん本音は「1食分もうかったぜ!」なのだが。

 お代わりまでさせてもらった私は、上機嫌で牧場に戻って地面を耕し始める。しかしおかしい。あんなに食べたはずなのに、力が湧いてこない。海岸で引き抜いてきた薬草を食べながら必死にクワを振るうが、焼け石に水。結局、いつも通りに温泉のお世話になることにした。

 湯に浸かりながら考えてみる。おいしい料理を腹いっぱい食べたのに、なぜ力が湧いてこなかったのだろう。パイだったからエネルギー源としての問題はないし、丸呑みはいつものことだから消化不良も考えられない。一体なぜ?
 ・・・と考えていたら、1つ思い当たることがあった。あれはダイエットメニューだったのではないだろうか。ランは年頃の娘だ。華奢に見えるが、もっとやせたいという願望はあるだろう。そしてミネラルタウンで食品のカロリーを調べる手段は、経験しかない。一番手っ取り早いのは、肉体労働者である私に食べさせて、その後の働きぶりを見ることだ。

 ランはきっと、ふらつきながらクワを振るっていた私の姿を、隠れて見ていたはずだ。超低カロリー食品だということは分かっただろうから、これからランは、あの特製パイを食べ続けるに違いない。
 しかし大丈夫だろうか。カロリー不足と偏食が重なると、短期間で体を壊してしまうのだ。かといって、「ラン、君は太ってなんかいないよ」などと言ってしまうと、かえって気にしてしまうだろう。
 仕方がない。ランに毎日温泉卵を持っていってあげよう。少しは栄養の足しになるだろうから。
 ・・・でも温泉卵って、いま私が入っているお湯で作るんだよな。食べてくれるかな?


≪1年目 夏の月 10日 (木) 晴れ≫

 今日は夏の月になって初めての収穫日。しかしたまねぎを丸かじりする勇気はないので、全部出荷する。もっとも収穫はコロボックル達に頼んでいるので、私はさわりもしないのだが。

 コロボックル達がいると牧場がにぎやかになる。これだけでも来てもらう意味がある。仕事の方は1つ引き抜いては一休み、また1つ引き抜いては今度は居眠りといった具合だが、それでも人数がいれば、畑の何面かは任せられそうだ。

 夜に街へ出かけ、酒場に行く。しかし営業時間中なのに、マスターのダッドさんがいない。
 ・・・さては昨日の実験が見破られたことに気付いて、どこかに隠れやがったな。しかしランがいるのはどういうことだ? あれはダッドさんの独断で、ランは無関係なのか?
 まあいいや。ラン、きみに温泉卵を・・・あっ、持ってくるのを忘れた!


≪1年目 夏の月 11日 (金) 晴れ≫

 今日は仕事の段取りを変更して、水やりの前に資材集めをすることにした。いつも同じやりかたでは飽きてしまうし、なによりこの方が効率がよさそうに思えたからだ。

 資材集めで汗をかき、朝っぱらから温泉に向かう。
 おや? 近くの泉にランポプリが来ているじゃないか。そうか、この時間は2人ともここにいるのか。ランがここに来るのなら、温泉卵を渡すのは簡単だな。もっともコロボックル達にを全部出荷されてしまったため、今日もまたあげられないのだが。明日からはを賭けて彼らと競走だな。

 今夜も奴がやってきた。野犬だ。この牧場は狙われているのだろうか。まあ、武器のデータを集めるためには好都合なのだが。
 ・・・などとこっちが考えているなど、想像もできないだろうな。
 今回の得物はバトルアックス。おそらくは最強の武器だ。重量はウォーハンマーほどではなく、切れ味は死神の鎌に劣る。しかしその絶妙なバランスは、最大の破壊力を生み出すはずだ。
 結果、野犬はわずか2回の斬撃で戦意喪失。また来いよ。今度はクワで相手してやるからな。


≪1年目 夏の月 12日 (土) 晴れ≫

 このところテレビショッピングがなかったのだが、今日は久しぶりに放送されていた。家を増築して購買意欲が高まっている、この私を狙っての犯行営業だろう。あくどい奴らめ。
 今回紹介されていたのは冷蔵庫。ここで暮らし始めた時からほしいと思っていた品だ。それで2500Gなら安いもの。なんだかんだといいながら購入を決定する。
 そして電話をかけるために宿屋へ行くと、ダッドさんは今日も隠れていた。
 ・・・あやしい。


≪1年目 夏の月 13日 (日) 晴れ≫

 このところ就寝時間が早い。平均すると10時くらいだろうか。そして今日、確信した。仕事で疲れやすいのは睡眠不足ではなく、体力不足のせいだ。
 ミネラルタウンではなぜか、どんなに体を動かしても体力がつかない。体力をつけるためには力の木の実を食べるしかないのだ。しかしこれは簡単に手に入るものではなく、いまだに1つしか食べていない。ここへ来て4日目に、自宅のすぐ近くの畑で見つけたときには、もう少し簡単に手に入る物かと思っていたのだが・・・。
 今以上の仕事量をこなすためには、道具の質を高めて作業効率を上げるしか手はないのだろうか。・・・毎日2回ずつ倒れているんだよな。


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