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≪1年目 春の月 20日 (金) 晴れ≫

 思わぬ収入があった翌日。いまだ成金気分から抜け出せない私は、浮かれ気分で買い物に行く。
 まずはハンマーを改造、続いて買うつもりがなかった時計を電話で注文、さらにホアンさんの店で種を買い、最後は雑貨屋で念願の大きなリュックを買う。あ、いずれも飼うつもりだから、今のうちに牧草の種も買っておくか。

 気が付くと、今日だけで12360Gも使っていた。残金はわずか1052G。
 たった1日で貧乏生活に逆戻りか。ま、昨日の昼ごろには2Gしかなかったんだ。526倍になったと思えば辛くはないさ!


≪1年目 春の月 21日 (土) 晴れ≫

 テレビショッピングで、また時計が紹介されている。でも昨日注文したからいらないや。
 ・・・ああ、そうか。この番組は、私が買うまで同じ商品を紹介し続けるつもりだったんだな。で、今回は私がぎりぎりになって注文したために商品の変更が間に合わず、同じ物を紹介してしまったんだ。
 しかしこの想像が当たっているとすると、いらない物でもどんどん買っていかないと、ほしい物はいつまでも手に入らないということになる。
 ・・・これは新手の悪徳商法なのか?

 昨日の日記を読み直して思ったのだが、所持金1052Gを “わずか” と表現しているんだよな。7日の日記では “大台” と表現していたのに。この金銭感覚の変化は、牧場経営が軌道に乗り始めているってことなんだろうけど、実感がないんだよな。足りない物は山ほどあるし、どれもこれも4桁の値段だし。一体いつになったら、9桁の別荘が買えるんだ?

 今日の散歩は趣向を変えて、ポチを連れていくことにした。本当はこの牧場で産まれた初めての命である、コケッコを見せて回るつもりだったのだ。しかしこの辺りでは、家畜を牧場から出してはいけないらしく、しぶしぶポチを代役に指名したのだ。ところがこのポチが大人気。みんなから「かわいい、かわいい」と誉められて、一躍ミネラルタウンのアイドルだ。
 おや、あそこにいるのはトーマス氏じゃないか。私は自慢げにポチを見せにいく。
 うちのポチ、可愛いでしょ?

 トーマス「ぎゃー! たすけてくれーっ!」

 ・・・あんたねぇ。


≪1年目 春の月 22日 (日) 晴れ≫

 今日は料理祭が行われる。簡単に言うと、料理コンテストをお祭りにしたものだ。自宅に台所がないため選手として出場することのできない私だが、ミネラルタウンの住人である以上、参加しないわけにはいかない。このような1人1人の行動が、小さな村に活気をもたらすのだ。
 今回の課題料理はジュースらしい。・・・ちっ、せっかくまともな食事にありつけるかと思って参加したのに、これじゃあ意味がないじゃないか。
 ・・・ん? やだなぁ、冗談に決まっているじゃないですか。参加理由は村のためですよ。む・ら・の・た・め!

 おや? あそこにいるのはドクターじゃないか。医者が無断で病院を離れていいのか? などと思って聞いてみると、どうやらリリアさんが選手として出場するため、いつでも診察できるように来ていたらしい。
 ・・・怖い、怖すぎる。リリアさんの料理はそこまでマズイのか!? 食べた人が倒れてもすぐに診察できるように、医者が待機しておかなければならないほど壮絶な味なのか!? リリアさん(人妻)に片思い中のザクさんが、必死の形相で「リリアさんの料理はサイコーなんだぜ!!」などと言っていたのも、きっと点数を稼ぐためなのだ。
 ・・・え、違うの?
 どうやらリリアさんは病弱らしく、あまり体を動かせないらしい。料理で体力を使いすぎると倒れてしまうかもしれないので、心配でドクターや息子のリックが来ていたんだそうだ。そういえば、リリアさんも前にそんなことを言ってたな。ま、誰にでも勘違いはあるのだよ。はっはっは。

 私が失礼なことを想像していたのに気付いて奮起したのか、なんと優勝はリリアさん。ちなみに最下位はカレン。それもぶっちぎり。
 料理下手なカレンがなぜ料理祭に出たがるのかを、母親のサーシャさんが不思議がっていたが、きっと出品された料理を全部食べて、1人で勝手に審査してしまうグルメマンを、懲らしめてやろうと思っているんだろう。そうでなければ、あの真っ黒なジュースの色は説明できない。

 料理祭をみんなと楽しんだあと、私はさらに遊び倒そうと海で釣りをしていた。仕事は終わらせていたので私に非はないはずだが、釣れたのはみごとな長靴。自然の豊かさだけが取り得のミネラルタウンだが、昨日は湖で外来魚のブルーギルが2匹も釣れたことを考えると、意外に危ない状況なのかもしれない。
 ・・・まてよ。ここは日本ではないのだから、ブルーギルは在来種なのかもしれない。そしてこの長靴のようにしか見えない物体も、実は海の中をスイスイと・・・。


≪1年目 春の月 23日 (月) 晴れ≫

 きょおわ、しょくどおで、くっきいをかつてたべました、とてもおいしかたです。


≪1年目 春の月 24日 (火) 晴れ≫

 2日続きで何事もなく終わる。この調子で夏を迎えたいものだ。
 などとノンキなことを考えていると、「しまった、明日は雨だった!」と寝る前になって思い出し、地獄の苦しみを味わうことになるので気をつけよう。もちろんこれは私の体験談ではなく、一般論である。


≪1年目 春の月 25日 (水) 雨≫

 雨が降ると水やりをしなくていいので本当に楽だ。しかし疲れがたまりやすくなるせいで重労働はできないし、何より薄暗いので気分が滅入ってくる。しかし今の私には、釣り竿という強い味方がある。釣りは体力の消耗が少ないため、雨の日でも楽しめるのだ。
 近ごろ釣りを始めた私だが、仕事が終わってからしかできないため、釣果はいまいちだった。しかし今日は簡単な仕事しかないから、昼からずっと釣りができるだろう。

 散歩しながら海を目指していると、エレンさんというおばあさんの家で、不覚にもユウくんに捕まった。ユウくんエレンさんの孫で看護婦エリィの弟だが、年が離れているためまだまだ子供。散歩の途中で時々会うのだが、それほど親しい間柄ではなかった。しかしユウくんにとってはそうではなかったらしく、一緒に遊ぼうとダダをこねてきた。
 まあいいか。どうせ今日はヒマなんだ。釣りに行くところだったから、一緒につれていってやるか。雨が降っているけど大丈夫だよな。
 そう思って「いいよ」と言おうとすると、一緒にいたエリィ「ヨシヒトくんには仕事があるんだから」ユウくんをたしなめる。ごめんなさい。今日はもう仕事がないんです。

 結局、夜の6時ごろまで一緒に釣りをしていたのだが、釣果は0。それでもユウくんが慕ってくれていることが分かったし、エレンさんエリィとも少しは親しくなれたような気がする。
 街を歩いていて思うのだが、誰かに挨拶をしても、返ってくる返事はどこかよそよそしい。でも少しずつでいい。1人ずつでいい。私が彼らと信頼関係を築いていけば、きっと心を開いてくれるだろう。そしてその時こそ、一度は失われたおじいさんの牧場が、生まれ変わってミネラルタウンに戻ってくる時なのだ。

注:ユウくんと遊ぶイベント自体は7時まで。6時というのは海から家までの距離を元に逆算した。


≪1年目 春の月 26日 (木) 晴れ≫

 もうすぐ春の月が終わる。月が替わると作物が枯れてしまうため、月末に種をまいても意味がない。つまり農作業がどんどん減っていき、その分の時間を他に回せるということだ。昼間に手が空けば開拓や資材集めなど、今後に向けた仕事ができる。ここで気を抜かなければ、今月はわずか9面しかなかった畑を、一気に倍増、いや3倍増とすることも不可能ではないだろう。 


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