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≪1年目 春の月 6日 (金) 晴れ≫

 マリーの図書館で読んだ本によると、かぶは種を植えてからわずか4日で収穫できるようになるらしい。水やりはサボっていないから、きっと今日あたり・・・。
 そう思って表に出ると、かぶ畑に60Gが8つもできていた。・・・違う、60Gじゃなくてかぶだ。このところ金欠病のせいで、出荷物がお金に見えてしまう。治療のためにも早く出荷しなければ。

 でも初めての収穫だから、やっぱり1つ目は自分で食べてみたいな。どれにしようかな・・・よし、この一番大きそうなやつにしよう。
 そして、そりゃっと引き抜くと、直径20cmほどもありそうな巨大な物体が姿を現した。
 昔、リンゴやセロリをおいしそうにかじっているCMがあったよな。かぶをかじって絵になるかな?
 まあ、いいや。いったっだっきまーす。ぱく。
 あ、また丸呑みしてしまった。・・・味、わかんなかった。ぐすん。

 夜には始めて酒場へ行ってみた。始めてといっても、昼の顔である食堂には何度か来ているのだが。
 何人かがお酒を飲んでいる。一日の疲れを癒すために来ているのだろうか。いいよな、お金がある人たちは。私が疲れを癒そうとしたら、体に鞭打って温泉まで走っていくか、さっさと布団にもぐりこむしか手段がないというのに。もちろん今日も、注文するのはタダので、疲れを癒す手段は温泉と睡眠なのさ。
 ・・・そのうち、出入禁止にされそうだな。


≪1年目 春の月 7日 (土) 晴れ≫

 朝の日課としてテレビを見ているのだが、今日はテレビショッピングなるものをやっていた。が1000Gか。そんな高価な物、私に買えるわけがないじゃないか。
 そう思いつつもサイフを見ると・・・1045G!? そうか、昨日はかぶを出荷したんだよな。ついに所持金が大台に乗ったのか。このぎりぎりの所持金は、きっとを買えという啓示なんだろう。
 よし、電話をするぞ!
 ・・・って、この家に電話あったっけ? そういえばどこかで「電話は宿屋にあるよ」というようなことを聞いた覚えがあるのだが、あれは「電話をかけたければ宿屋へ行かなければいけないよ」という意味だったのだろうか。恐るべし、ミネラルタウンの田舎ぶり。でも、うちのテレビだけは超高性能なんだよな。なにしろ正月(5日まで)の間だけとはいえ、ブラウン管から食べ物が出てくるんだから。

 電話をかけようと宿屋へ向かったのはいいが、道を間違えて広場に来てしまった。ついでだから海岸によって、出荷できる薬草を引き抜いてこよう。ついでのついでに、いつもお世話になっている、出荷業者のザクさんの家にもよってみよう。一緒に住んでいる、怪しい商人のホアンさんの売り物も見てみたいし。

 ホアンさんの売り物を眺めている途中で、新たな来客があった。入り口を見てみると・・・カレン
 どうやら彼女の目的も私と同じで、ホアンさんの売り物のようだ。しかしこの前に会った時とは、ずいぶん印象が違う。意外に明るいし、積極的にしゃべっているし、ずっと年上のザクさんからも一人前の大人として見られているみたいだ。容姿も端麗だから、ホアンさんが鼻の下を伸ばしているのも分からなくはない。
 などと3人のやりとりを蚊帳の外から眺めていると、点数稼ぎに燃えるホアンさんが、「出血大サービスタイム」 とやらを始めた。そしてタダで商品をもらったカレンは、喜んで帰っていく。
 「よし、自分も何かもらうぞ!」・・・と思った私とザクさんだったが、サービスタイムは終わったらしく、2人とも冷たくあしらわれてしまった。

 お返しとばかりに商品を眺めるだけ眺めて、何も買わずに冷やかして店を出た私だが、もちろん宿屋へ行くことは忘れていない。電話はたしか、カウンターに・・・げ、有料でやんの。しかも10G。
 もし私の所持金があと40G少なく、1005Gだったとしたら、「もしもし、テレビショッピングさんですか。鏡がほしかったのですが、この電話代でお金が足りなくなりました。」などという間抜けな展開になっていたのだろうか。

 帰宅途中で、警官のハリスさんと出会って立ち話。彼は私よりも少し年上の好青年だ。
 でもハリスさん、「この町はへいわだなぁ〜」って、悲しそうな顔で言うのはやめたほうがいいと思いますよ。それとここは、町ではなくて村ですよ。ミネラルタウン・カントリー!

 さらに帰宅途中で、アージュワイナリーというお店に入る。ここでワインぶどうジュースを売っているのは、マナさんという、養鶏場のリリアさんなみに若作りの女性だ。
 マナさんとは広場で毎日のように会うのだが、うっかり話しかけると延々と世間話に付き合わされることになるため、あまり出会いたくない人であった。でも、なんだかさびしそうだなぁ。
 などとうっかり話しかけたのが運のつき。やっぱり延々と世間話に付き合わされてしまった。

 しかしマナさんの話の内容は、とても意外なことだった。ヨーデル牧場ムギさんの娘がよその町へ行ってしまい、10年後に帰ってきたと思ったら娘をつれていて、しかも娘を置いてすぐに出ていったというのだ。しかも置いていかれた娘というのが、散歩の途中でよく会うメイちゃんだったとは。
 そういえば前に聞かされた愚痴によると、マナさんの娘もよその町へ行ったきりだったはずだ。それに養鶏場でも、リリアさんの病気を治せる薬を探すために、旦那さんが旅に出たままだという。

 ミネラルタウンには何の問題もなく、苦労しているのは私くらいのものだと思っていたが、どうやらそうではないようだ。仕事に打ち込むことで生活の苦しみを忘れられ、しかもそれが問題を解決する手段にもなっている私など、まだ幸せな方なのかもしれない。
 私はおじいさんの牧場を守るために、ミネラルタウンで暮らすことを決断した。しかし牧場に緑を取り戻しただけで、おじいさんは喜んでくれるだろうか。牧場はミネラルタウンとともにある。この村に本当の幸せが訪れてこそ、私はおじいさんの遺産を受け継いだといえるのではないだろうか。
 私に何ができるのかは分からない。しかし何もできないなどと思いたくはない。きっと何かはできるはずだ。きっと・・・。


≪1年目 春の月 8日 (日) 晴れ≫

 ミネラルタウンに来て初めての日曜日。しかし牧場主に休日はないのだ。
 ということで、いつもと変わらぬ農作業。

 しかし今日は、特別なことがなかったな。日記を書くのに毎日何時間もかかっていたからどうなることかと思っていたけれど、どうやら落ち着いたみたいだし、これなら何とか書き続けられそうだ。

注:正確には初日も日曜日だが、その日はオープニングで終わってしまい、実際のゲームは月曜日から始まる。


≪1年目 春の月 9日 (月) 晴れ≫

 昨日の日記で「落ち着いた」などと書いたのがいけなかったのだろうか。目を覚まして早々に大事件発覚。なんと明日は一日中雨が降るというのだ。雨といっても馬鹿にしてはいけない。犬と馬を放し飼いにしているのだから、ちゃんと小屋に入れてあげなければ、体調を崩してしまう危険がある。牧場主にとって、天気はとっても重要なのだ。

 家を出て、真っ先にポチルドルフを探す・・・つもりだったのだが、出荷業者のザクさんに先手を取られてしまった。お、注文したがもう届いたのか。さっそく壁にかけて自分の顔を見る。うーむ、なかなか男前じゃないか。
 などと見惚れるような顔でもないので仕事再開。ポチはすぐに見つかった。こいつは軽いので、とっ捕まえて家の中に放り込む。外に犬小屋はあるのだが、ポチがあの中で眠っているのを見たことがないため、放っておくと明日はずぶぬれになるはずだ。
 で、ルドルフはというと・・・げっ、何であんな遠くにいるんだ!? えーい、いちいちつれてくるのは面倒だ。そのうちルドルフも移動するだろうから、小屋に入れるのは後回しにしよう。どうせ、あれより遠くには行けないんだ。最低でも現状維持さ!

 さて、今日はじゃがいもの収穫日。やっぱり初めは自分の口に・・・と思ったが、さすがに生で丸かじりはやばそうなので、全部出荷することにした。

 その後いつもの散歩を終えて牧場に戻ってきた私は、本日の最後にして最も重要な仕事に取りかかる。そう、ルドルフを小屋に入れることだ。予想通り、朝よりは小屋に近づいているので、これなら何とかなるだろう。
 私は指笛でルドルフを呼びながら、小屋に向かって歩いてみる。
 ・・・お? ちゃんと付いてきてくれるじゃないか。へぇ、賢いもんだ。おまけに妙に可愛いし。
 でもこいつ、大きくなったらヨーデル牧場へ返さないといけないんだよな。うちで引き取ることはできないのかな。買い取るとしたら、一体いくらいるのかな?
 などと考えながら小屋の前まで来たとき、なぜかルドルフの足音がしなくなった。振り返ってみると・・・こら、そこで寝るな!

 最後にオチがついたものの、ルドルフが賢かったおかげで、予定よりも早く仕事が終わってしまった。寝る前にテレビくらいは見られそうだ。
 そう思ってテレビをつけると、うれしいことに朝とは違う番組が放送されていた。そうか、チャンネルによっては複数の番組を放送しているんだ。ということは、ずっと見落としていた番組があったということか。これまでは0時を過ぎて帰宅することもあったけれど、情報を見落とさないためにも、無理はしないようにしよう。


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