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  「お〜スゲェ〜広いじゃね〜か!!」

  銭湯の玄関口でサンジは感嘆の声を上げた。

  リニューアルオープンしたばかりの施設なので、入り口にある受付も、鍵つきの白いロッカーも新品で、

  廊下なんてピカピカにワックスが塗られて輝いていた。

  昔の銭湯のイメージとは明らかに違う。

  サンジは<感動したがり屋>なので、一つ一つ眺めては歓声……と言うより、奇声を上げていた。

  「お〜、サウナや薬草風呂もあるぞ。ミルク風呂ってのは何だ?」

  はしゃぐサンジと対象的に、めっきり無口になるゾロだった。さっさと受付を済ませて浴場へと急ぐ。

  その後ろでキャイキャイ騒ぎながら付いて来たサンジは、突然小声になってゾロに囁く。

  「なあなあ、女風呂はどっちだと思う?」

  「知るかよ!」

  それまでサンジを無視していたゾロも思わず返事をしてしまった。

  サンジはニンマリと笑うと、こんな事を言ってきた。

  「お前って、ホントはムッツリスケベだよな」

  よしよし俺はわかっているぜ、なんて言いながら、サンジはポンポンとゾロの肩を叩いたりする。

  ゾロは額に青筋を浮かべつつ、脱衣所へ入ると、黙々と衣服を脱いだ。

  さっさと入って、とっとと帰りたいと思っていた。

  サンジのせいで腹も立つが、夕飯前で腹が減ってきたのも事実だった。

  ゾロがあっという間に全裸になり、青いタオルを肩に乗せて準備OKって感じに、サンジの方を向いた。

  すると、サンジはやっと上着とシャツを脱いだところで、ナゼかタオルを腰に巻いて慌てている。

  「お前、遅いぞ」

  「うるさい!! もう少し待てよ!」

  怒鳴りながらゾロの方を見たサンジは、今度は驚いたような表情になり、変な声を上げた。

  「お前、何で前を隠さないの? 露出狂か??」

  どうやらサンジは銭湯に来るのが初めてらしい、とゾロは思い当たった。

  「アホか、何で前を隠すんだよ。風呂入るんだろ? 良いからとっとと脱げよ」

  サンジの腰のタオルをゾロは引っ張ってみた。すると、サンジは頬を赤く染めると必死になって

  タオルを押さえて抵抗している。

  「お前、女じゃね〜のに止めろよな」

  ゾロはその姿が可笑しくなって、思わず吹きだしてしまった。

  普段、顔や趣味の事で<女みたい>と馬鹿にされるサンジは、その言葉にキレた様子でゾロの

  向う脛を蹴ってきた。それから、衣服を投げ飛ばすように全部脱いでしまった。

  そして、「これでど〜だ!!」と言わんばかりに、サンジは仁王立ちになった。

  腰に両手を当てがい、しっかりと胸を張り、ゾロに挑戦するような眼差しを送るのだった。



  それを見て、今度はゾロの方が動揺してしまった。

  サンジの未発達の身体は、まるで少女のようなのだ。

  手足が長くスタイルは均整が取れて美しい。ゾロはクラスの女達の水着姿を見た事があるが、

  サンジの方が随分と綺麗な気がする。

  それに、白くてスベスベとした滑らかな肌をしている。シミも傷も一つも無い。

  その白い胸に二つ。ピンク色で柔らかそうな小さな突起があった。サンジの乳首だった。

  寒いせいか、それはツンと膨れて尖っていた。

  なんとなく焦ってゾロが下を向くと、赤ん坊のように皮を被ったサンジのピンク色のチンポコが

  ゆらゆらと揺れているのが見えた。それもまたツヤツヤと輝き、やたら綺麗に見えてしまった。

  おまけに、サンジの股間に毛はまだ無かった。

  どこもかしこも白くてツルツルだったりする。

  思わず、ゾロは自分の股間をタオルで隠してしまった。

  条件反射と言うか、そうしないとかなりマズイだろうと、ゾロは思ったのだ。

  自分の股間に、朝立ちの時のような痛みとムズ痒い感じがあったのだ。

  さらに背筋から脳天にかけて、何か熱い電気のような物が走っていった。

  サンジを見ると、すぐゾロの様子に気がついたらしく怪訝な顔をしている。

  サンジには「タオルを外せ」と言いながら、ゾロがタオルで前を隠すのは不思議で無いはずが無い。

  それに、隠し事をすると、サンジはその事に強く興味を持つ習性があるのを、ゾロはすっかり

  失念していた。




                                 
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