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    未来流は、兄の上に乗り、その熱い胸板に頬を摺り寄せるようにした。


   「ズルイよぉ。ボクだって、オニ〜チャンが大好きなのに。 こんなに、こんなに、大好きなのに。

    ずっとアイツだけ独り占めにしてさ。 満月の日くらいボクが出ても、良いじゃない! 」


    未来流は、顔を上げるとその美しく輝いている黄金の瞳で、麗二を狂おしげに見つめていた。


   そのうち、その瞳からは、涙が溢れて零れ落ちた。


   透き通るような透明で熱い雫は、白い頬を伝い、下になっている麗二の額に零り落ちた。

    その熱さも、純粋で汚れのない透明さも、未来流の心のままだった。


   快感に正直な野生の未来流は、自分の感情にもとても素直だった。

   麗二は、未来流の涙を拭ってやった。

   この我がままで、いじらしい未来流も、麗二は可愛らしくてたまらなかった。

   どちらも愛しい弟だった。

   麗二は泣いている未来流を優しく抱き締めると、その目元に口づけした。

   それから、熱い思いをぶつけ合うように、兄と弟は、互いの唇を合わせていった。何度も舌を

    絡め合いながら、呼吸すら忘れるように、狂おしく口づけを繰り返した。


   麗二は、半裸のままの未来流を抱き上げると、公園の中央にあるベンチに連れていった。

   茂みのある先ほどの場所は、地面に砂利が多くて未来流の身体が傷つきそうだからだ。

   男達に襲われた時に、未来流は少し背中を痛めていた。


   麗二はベンチに座り、ジーンズのフロントを広げると、自分の砲身を外へ出した。

   すでに、それは起ちあがって腹に届くほど反り返っていた。

   未来流は、それを見ると興奮して喉を鳴らした。

   麗二はベンチに腰かけている姿勢のまま、その上に、未来流をさらに座らせた。

    これが、一番、傷ついた弟には楽そうだったからだ。


   未来流を背後から抱き上げると、大きく足を開かせ、ゆっくりと自分の太い砲身へ向かって、

    未来流の腰を落としてゆく。
 

   未来流は、異物が襞を割る感触に身体を震わせ、細い悲鳴をあげながら、うっすら涙の

    滲んだ瞳で公園の噴水のある方向を見つめていた。


   そうして、喘ぎながら、煙のように立ち上る水飛沫で、見え隠れしている青白く輝く月を眺めていた。

   もう余計な愛撫は必要なかった。

   お互い欲しい物は一つだったからだ。

   相手の全てが欲しい。

   その熱い心と身体を一緒に合わせたい。

    ただ、それだけだった。





                              
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