5ページ目/全5ページ 呆然としている京一をベッドに誘い舌を絡ませるキスをする。 互いを知り尽くした熱心な交歓に京一はすぐに興奮して足を絡ませてきた。 まだキスだけなのに息はあがり、服の上から股間を擦り付けあい、弄りあう。 「よかった。本当に。あいつも交通事故だったし、お前まで失うかと思ったっ」 服を脱がしながら激しく口づけの合間に苦しげに話す京一の不安に応えることで取り除こうとしていた。 胸の飾りを弄られて敏感になった所をつねられた。 ビクつく僕にあちこち身体を触り擦り、存在を確かめようとする京一。 「大丈夫だよ。僕はここにいるから。どこにもいかないよ」 愛している。どうしようもなく。彼だけを。抱かれているのに、抱いているような感覚。 昔のような奉仕じゃない。恋人同士の甘いセックスだ。 「ああ……そんなところ嘗めないでっ。いや……んっ」 足の付け根ぎりぎりを嘗めあげられると、どうしようもなく感じてしまう。 わかっているからこそ、京一はそこばかりを嘗める。 そして大きく足を開かせてから、京一は本来受け入れる場所ではない菊門を嘗め上げる。 襞を舌でほくし、ゆっくりと指を入れる。もどかしげな快感。いいのに。 僕はどんなことしても身体は慣れているからそのままでもいいのに。 背後から求められることはあまりない。 正常位で抱き合い、いつでも神聖な儀式のように彼はそこを丹念にほぐす。 最高の快感で交わりたいから。それが、彼の意志だった。 「もう、いいから。きてっ」 足を開き、自慰をしながら腰をゆらめかし、京一の股間になすりつけ、男を誘う。獣のようでもいい。 「んっっ……ああ……やっ大きい」 「大丈夫。いつも入っているだろう??」 「ん……」 助けを求めるように京一の顔に触れながら、誰よりも逞しいものを受け止める。 最初の衝撃を耐えて、その存在に慣れている体は簡単に馴染み、彼を柔らかく収縮しながら奥へと誘う。 顔中にキスされて宥められる。京一の首に縋り、舌を絡めるキス。 口内を食べ尽くす勢いで貪り、腰をお互いのリズムで動かし合う。突かれれば、奥へ。 ぎりぎりまで抜かれると、追いすがるように締める。 胸の飾りを弄られ、顔中にキスをされながら、京一を深く招き入れるために足を腰に絡めなおす。 断続的に繰り返される肉のリズムが、僕たちを一層快楽の世界へと誘う。 「すき。愛してるんだ、京一。……んっ」 「ここにいるよ。愛してるよ、誰よりも……」 「あんっ……いや……もう、京一……っいち」 「達くか、うん? もう達くのか?」 「うん……やっいっちぁうっっ」 スピードがまた早くなり、最後の頂上を目指し、疾走する。 粘膜の音と荒い息遣い、そしてベッドの軋む音が部屋に響く。 力強いストロークで突く京一のものが一際大きくなって圧迫する。 ああ……壊れてしまうかもしれない。死んでしまうかもしれない。でも、でも……、 「ぁんっ……んんっ……あああ――」 「葉月っ」 一際強く突かれて僕達は同時に果てた。ゆっくりと京一の身体が落ちてくる。 腕を広げてそれを受け止めて、荒い息を整える。そのまま互いの汗が引くまで抱き締めてくれる。 それがとても大好き。かつてはそれこそ終われば打ち捨てられるように投げ出されていたから。 京一とのセックスは僕にとって幸福の象徴。そして彰吾と三人のとき、さりげなく家族であることを 主張してくれる。ここにいていいとこの場所が僕の帰る家なのだと、彼はいつも教えてくれるのだ。 さりげない仕草と、愛情で。 いつまでもこの家族の一員として側に……。それが僕の聖なる夜への願い。叶え続けていきたい。 願わくは……。 <葉月編終了> |
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