今月のキーワード
〇 AI マルチエージェント

 AIマルチエージェントとは、人のように自分で情報を集め、考え、行動できるAIエージェントをさらに進化させたもので、複数のAIエージェントが協力して1つの大きなタスクを解決するAIシステムのことです。

 各エージェントはそれぞれ独立して動き、自分の役割を果たしながら他のエージェントと情報を交換し、協力してタスクを遂行します。

 他のエージェントとの協調なしで単独でタスクを遂行する自立型AIエージェントとの違いは、複数のエージェントが相互作用し、協調しながら目的を達成する協調性が異なります。

〇 マインドセット(mindset)

 マインドセットを直訳すると人の考え方や好み、習慣ですが元々は心理学の用語で人間が持つそれぞれの「無意識の思考・行動パターン」「固定観念や思い込み」「物事を捉える時の思考の癖」を意味する言葉で、過去の経験や教育などで形成された思考や価値観になります。

 このマインドセットは、人の行動の根幹を成すものであり、マインドセットの状態が仕事における自己成長や成果創出に大きく影響するものと捉えることができます。

なお、ビジネスにおけるマインドセットもほぼ同じで、経験や価値観に基づく考え方や枠組みを指します。

 マインドセットは個人だけでなく、企業や組織にも存在し、企業のマインドセットとは、いわゆる「企業文化」「企業風土」のことになります。


コラム
■ リードジェネレーションからリードクオリフィケーション、そしてレベニューオペレーション
 
 マーケティングには、見込み顧客を獲得し、その見込み顧客の見込み度合を引き上げる育成をして、さらに育成した見込み顧客を選別し、有益な営業アプローチにつなげる活動があります。

そして、セールス、マーケティング、カスタマーサクセス(CS:顧客満足度)、財務の関連部門の基盤を整え、組織全体の収益を最大化するレベニューオペレーション(Revenue Operations:RevOps)というアプローチがあります。

その見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)、見込み顧客の育成(リードナーチャリング)、見込み顧客の選別(リードクオリフィケーション)について、簡単に解説します。

〇 リードジェネレーション
 リードジェネレーションのリード(Lead)とは、「きっかけ」や「手がかり」を意味する英単語に由来し、マーケティングの世界では自社の商品やサービスを将来的に利用してくれる「見込み客」のことを指します。そして、リードジェネレーションはリードを獲得する(generatioin)という言葉の通り、マーケティング活動によって見込み顧客情報を獲得する活動のことを指します。

 例えば、「展示会での名刺獲得」「Webサイト上での問い合わせ獲得」「SEO対策」はリードジェネレーションの一部です。

 販売促進活動を行う上で、対象の製品やサービスが万人に利用されるようなものであれば、不特定多数にアプローチする手法も効果的ですが、属性が限定された個人や法人を対象にした製品やサービスの場合は、リードジェネレーションを行うことが重要になることが多いです。

〇 リードナーチャリング
 リード(lead)を育成する(nurturing)という言葉のように、これまで獲得してきたリード(見込み客)に対して、有益な情報提供を続けながら自社サービスの教育をすることによって、見込み度合いを上げる活動のことを指します。

 例えば、「メールマガジンの配信」「導入事例の提供」「セミナーの案内」「無料トライアルの案内」のような活動がリードナーチャリングに当たります。

 こうしたリードナーチャリングを行い、ニーズが顕在化したリードに対して営業がアプローチすることで、より有益な商談に注力することができるようになります。

〇 リードクオリフィケーション

 リードクオリフィケーション(lead qualification)はリードナーチャリング(見込み顧客の育成)の段階からとくに購買意識の高い顧客に対して選別を行うマーケティング手法です。リードに対して、この状態に選別できた場合には、既に自社サービスに対して興味や関心を抱いていることから、営業やPRがしやすい状態にあります。

 リードの購買意欲を選別するための方法は「お問い合わせ」「サービス資料のダウンロード」「セミナーへの参加」「サービスサイトの閲覧」「営業からのアプローチ」のような方法です。

 そして、選別したうえで顧客に対して「顧客の属性(業種、職種、役職など)」「行動履歴」「顧客が手にしている情報」など要素を分析を重ねていき、そして、選別基準を見直し続ける事によって、有益な営業アプローチリストを作ることです。


 これらの3つの活動の先にあるRevOpsの活動分野には、ITが深く関連し、近年導入が進んだ生成AIとも関連が深まっている状況です。
例えば、膨大なデータを迅速に処理・分析し、リアルタイムの洞察を提供し、予測分析や機械学習を活用して、より正確な収益予測と戦略を策定を行い、そして、生成AIを活用して、個々の顧客に合わせたコンテンツやオファーを作成し、コンバージョン率(見込み顧客のうち最終的に成果に至った割合)と顧客満足度の向上を図ります。
 ただ、 データセキュリティ、プライバシーの確保、ヒューマンマシンコラボレーション(人間とAIのコラボレーション)の最適化、初期コストやリスクの評価などが課題として残ります。




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更新 2024年12月1日

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