今月のキーワード
〇 AIアライメントとAIガバナンス

 AIアライメントとは、AIの目標を人間の意図や倫理原則に沿わせることを指します。
このアライメント(alignment)は本来「整合、整列、調整」といった意味で用いられます。
そして、AIの文脈では「人間の意図した目標に整合させる」といった意味で用いられます。
このAIアライメント分野自体は、2000年代前半から理論的または概念的に始まりましたが、深層学習ブームが始まった2014年頃から技術的にも本格的に取り組まれるようになりました。

 一方、AIガバナンスは人間社会の中でAIを上手く取り扱うための考え方のことを指します。
具体的には、AIを安全に運用するための法律制定や組織体制の構築といった行為のことを指します。

 したがって、AIアライメントはAI自体の枠組みであり、AIガバナンスはより大きな社会におけるAIへの枠組みとして捉えることができます。

〇 ナーチャリング(Nurturing)

 ナーチャリングとは、直訳すると「育成」を意味し、ビジネスでは「顧客育成」のことです。

 ナーチャリングは、顧客との継続的な関係を築くプロセスで、顧客満足度やロイヤリティ、利益などを高めるマーケティング活動の一部で、潜在的な顧客(リード)を購買の段階まで導くプロセスや、既存の顧客を継続的なリピーターとして育てるマーケティング戦略を指します。

 そのマーケティングの戦略の手法の1つとして「リードナーチャリング」があります。
「リード」の意味は「顧客」、「ナーチャリング」の意味は「育成」で、「リードナーチャリング」は、見込み顧客に対し中長期的なアプローチを仕掛けて育成し、将来的に購買・成約につなげる活動です。
リードナーチャリングはごく日常的に行なわれていることで、例えばある企業がWeb上で実施するプレゼントキャンペーンに応募したところ、以降その企業からメールマガジンが届くようになった経験などが該当します。


コラム
■ リードジェネレーションからリードクオリフィケーション、そしてレベニューオペレーション
 
 マーケティングには、見込み顧客を獲得し、その見込み顧客の見込み度合を引き上げる育成をして、さらに育成した見込み顧客を選別し、有益な営業アプローチにつなげる活動があります。

そして、セールス、マーケティング、カスタマーサクセス(CS:顧客満足度)、財務の関連部門の基盤を整え、組織全体の収益を最大化するレベニューオペレーション(Revenue Operations:RevOps)というアプローチがあります。

その見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)、見込み顧客の育成(リードナーチャリング)、見込み顧客の選別(リードクオリフィケーション)について、簡単に解説します。

〇 リードジェネレーション
 リードジェネレーションのリード(Lead)とは、「きっかけ」や「手がかり」を意味する英単語に由来し、マーケティングの世界では自社の商品やサービスを将来的に利用してくれる「見込み客」のことを指します。そして、リードジェネレーションはリードを獲得する(generatioin)という言葉の通り、マーケティング活動によって見込み顧客情報を獲得する活動のことを指します。

 例えば、「展示会での名刺獲得」「Webサイト上での問い合わせ獲得」「SEO対策」はリードジェネレーションの一部です。

 販売促進活動を行う上で、対象の製品やサービスが万人に利用されるようなものであれば、不特定多数にアプローチする手法も効果的ですが、属性が限定された個人や法人を対象にした製品やサービスの場合は、リードジェネレーションを行うことが重要になることが多いです。

〇 リードナーチャリング
 リード(lead)を育成する(nurturing)という言葉のように、これまで獲得してきたリード(見込み客)に対して、有益な情報提供を続けながら自社サービスの教育をすることによって、見込み度合いを上げる活動のことを指します。

 例えば、「メールマガジンの配信」「導入事例の提供」「セミナーの案内」「無料トライアルの案内」のような活動がリードナーチャリングに当たります。

 こうしたリードナーチャリングを行い、ニーズが顕在化したリードに対して営業がアプローチすることで、より有益な商談に注力することができるようになります。

〇 リードクオリフィケーション

 リードクオリフィケーション(lead qualification)はリードナーチャリング(見込み顧客の育成)の段階からとくに購買意識の高い顧客に対して選別を行うマーケティング手法です。リードに対して、この状態に選別できた場合には、既に自社サービスに対して興味や関心を抱いていることから、営業やPRがしやすい状態にあります。

 リードの購買意欲を選別するための方法は「お問い合わせ」「サービス資料のダウンロード」「セミナーへの参加」「サービスサイトの閲覧」「営業からのアプローチ」のような方法です。

 そして、選別したうえで顧客に対して「顧客の属性(業種、職種、役職など)」「行動履歴」「顧客が手にしている情報」など要素を分析を重ねていき、そして、選別基準を見直し続ける事によって、有益な営業アプローチリストを作ることです。


 これらの3つの活動の先にあるRevOpsの活動分野には、ITが深く関連し、近年導入が進んだ生成AIとも関連が深まっている状況です。
例えば、膨大なデータを迅速に処理・分析し、リアルタイムの洞察を提供し、予測分析や機械学習を活用して、より正確な収益予測と戦略を策定を行い、そして、生成AIを活用して、個々の顧客に合わせたコンテンツやオファーを作成し、コンバージョン率(見込み顧客のうち最終的に成果に至った割合)と顧客満足度の向上を図ります。
 ただ、 データセキュリティ、プライバシーの確保、ヒューマンマシンコラボレーション(人間とAIのコラボレーション)の最適化、初期コストやリスクの評価などが課題として残ります。




ビジネスには、いくつもの壁があります。

多くの経営者は、その壁にぶつかる度に

思考停止に陥り苦悩します。

W-Biz研究所は、その思考停止を打破するヒントを引き出す手法を持っています。
経営者の皆様が元気になられる一つの手段としてご活用下さい。

試しに1割る3を考えてください。割り切れますか。
思考停止していなければ、割り切れる、と答えが出ます。
答えが出なければ、
一度、W-Biz研究所へご連絡下さい。

更新 2024年7月6日

Copyright W-Biz Laboratory All rights reserved 

 W-Biz研究所  代表 保坂峰夫

   住所 :〒413-0016熱海市水口町
メール:wbiz.hosaka@gmail.com

W-Biz研究所
ビジネスは 人々の知恵から始まる