1997年

この夏、イタリアに3週間ばかり旅行に行って、暑中見舞いの期間に間に合わなかったので、「ご挨拶が遅れまして」なんて文字と、イタリア国旗が入っているわけです。
旗を持っているのは、マリリン・モンロー(のつもり)。イタリアとは、関係無いんだけどね。
わりと出回っている物なんだけど、半透明の白い布を、こんな風に持って胸元を隠して(半透明だから隠れてないんだけど)いるマリリンの写真があるんですね。
構図を決める時、漠然とイタリア地図かイタリア国旗を入れてみようと思って、色々考えていたら、頭の片隅にあったその写真が浮かんで来た。

イタリアンカラーにすっかり当てられて帰って来たばかりだったので、クリアでカラフルなものがすごく作りたかった。
で、きれいに刷れるから、と思って広い面積なはなるべくスクリーントーンを使っていたのに、今回は思い切ってベタにしてみた。
背景も、紙も、国旗の色も、みんなペッタリフラットに一色。
国旗の向こうに透けて見える身体だけを、トーンにして。
結果、イメージに近い色は出たものの、やっぱり刷り上がりはイマイチ。
ベタにすると、汚れたりかすれたり、どうしても多くなってしまう。
背景がちょっと寂しかったので、スクリーントーんでハートを飛ばしたんだけど、青の方は殆ど潰れてしまって分からない。下の金色の方は、かろうじて「言われてみれば…」というのが見えているけれど、印刷のカスレみたいなもんで、狙った効果は得られなかった。
旗も、かすれてしまったものも多くて、せっかくのトリコロールが台無しになったけど、うまく刷れた物もあって、うまくいけばとても見栄えがいいので、ここはやはりベタを使って良かった。
背景だけ、濃い目のトーンにしたら良かったかな?

印刷ズレを心配して、マリリんの赤い唇はアウトラインを描かなかった。
結果、一見して失敗は少なかったけど、顔の表情がまちまちで、オカメマリリンからヒョットコマリリンまでさまざま刷り上がった。
この二枚は、わりと原画に近い方だけど、見比べるとちょっと顔が違うでしょ?

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