*2012年7月のワタクシ。*
2月からずっと交渉していた、新規の仕事。
やっとネームができて、今日編集さんに見てもらった。
いやぁ〜、大変でした。って、過去形で語ってはいけないんだけど、まだ全然。
原作をいただいたのが5月の末頃。
実はその前に、別の原作を受け取っていたんだが、「それよりこちら」と編集さんに勧められて、両方読んでみて、こちらに決めて、ネーム作業スタートした。
当初は完全に甘く見ていて、今までやった事の無い原作付き&長編ではあるものの、要するにストーリーは出来上がっているんだし、ページは125ページだからだいたい40ページの3倍程度、なんて見積もっていた。そしたらプロット出来てから40ページならまあ3日もあれば、だから10日くらいで一通りできるかな、と。
甘い。
おまえは甘いと昨日の私に言ってやりたい。
ぶっちゃけ、最初の10日余りは手も足も出ない状態で、ただボンヤリと原作を読んだり思い返したりで過ごした。
つまりアレだ。自分の気持ちが入ってないプロットが、いくら完成していても、それはゼロより制約がある分マイナスに近いんだわ。
以前から、原作付きの仕事をした同業者が悪戦苦闘して憔悴しているのを散々見て来たし、薄々キツイだろうな、と感じてはいたが。こういう事か!
じっとしてても月日は流れる。
重い腰を上げて、とにかく手を動かしてみる。
まず長い原作を切る作業。かなりバッサリ切ったつもりでも、まだまだ指定ページに収まる内容にはほど遠い。
初見では単純な話、と思った内容も、読み込むと結構込み入った事情が交錯していて、台詞の流れも切ると意味不明になるし、元々切るの苦手なんだよぉ〜と泣きそうになる。
結局見切り発車。これ、以前は絶対やらないと決めてたんだけど、しばらくブランクがあって仕事再開した際にタブーを取っ払ったばかり。ぶっちゃけ無駄な作業は増えるけど、とにかく変わりたいのよ私は。
と、言うワケで、気持ちも掴めないままコマ割りネームを書き始めて、進まなくて(当たり前だ)、ひどい日は一日中かかって2ページとか、そんなペースでとにかく進めて行って、後半…と言うか2/3あたりまで行った頃、突然視界が開けた。なんか描いたシーンに感動してた。
コレだよコレ!なんて思って、とにかくラストまで突っ走った、結果、見事にページオーバー。
依頼ページ125のところ
131まで行っちゃってる。6ページ縮めるのか…と、思って最初から読み直してみたら、乗って来てからのコマ割りがアカラサマに細かくなっていて(笑)、ラストに向けて大きくならなきゃいけないのに、という事で、前半で8ページ縮めてラスト10ページを12ページに延ばす、と。
そんな複雑怪奇な事をいっぺんにやろうとしたせいで、できた!と思ったらページ数が2ページ分重複していた!ギャー(泣)。
なにしろ物理的に長いので(原作に比べると短いし)全体把握ができない。息も絶え絶え。
でも、とにかく最後までページぴったりに書き終えて、編集さんに電話を入れたのが昨日午後。では明日の夕方、と約束して、取りあえずバレエのレッスンに行く。
帰り道、ちょっと話をしていたら、娘のような年齢のレッスン仲間に「スギモトさん元気無かったから、仕事入って良かったです」と言われた。そんなに落ち込みダダ漏れだったんか私…いやタレ流しだったわ、確かに。
ネーム中はどうしても甘い物が欲しくなる、と言うより食べ過ぎてしまう上、各種運動もサボりがちになるし、なんかあちこちプヨプヨして来てる、これも当然だ。これから少し頑張ろう。
レッスン終わって軽く泳いで、家に帰ったのが11時過ぎ。
…なんか、モヤモヤ。できたはずのネーム、気に入らない。
うーん、ああしてこうして…と、実はプールの中から考え始めていて、最初の5ページくらいを直したくなってる。
どうしよう、と思いつつ、気付けば2時に近い。取りあえず寝る。
翌朝起きて、手直し。約束は夕方だから、まあ余裕を持ってできた。冒頭のちまちましたやり取りをばっさりカット。
幸い、原作者が文句言って来る事まず無いという話なので、その点では気が楽だ。
そして夕方、最寄り駅前の喫茶店で編集さんと落ち合う。
家を出てみたら凄い豪雨で、アパートの階段を下りただけで長めのスカートがビショ濡れになった。引き返して丈の短いのに履き替える。
ネームは長いので一旦預かって後日結果報告、となるかと思ったら、編集さんはその場で読み出した。
うわ〜やだやだ、この時間。毎度緊張するし手持ち無沙汰だしで苦手だけど、ページが長いから読む時間も長い。
覗き込む…読めるんだろうか、こんな文字で。と、いつも心配になる、でも綺麗に書けない。絵も凄い事になってるし。
最後まで読んで顔を上げた編集さんは、開口一番「良くまとまってると思います」と言ってくれた。
ヨカッター!!!
一安心。そのままコレ持って総元締め(この編集さんは編プロなので)に見せるのかと思いきや、原稿に下書きした段階でコピーを取って、それをチェックしてもらうんだそうな。
ネームもまだ多少手直しがあるでしょうし、との事。
絵柄、特に表情なんかも見られるんだろうな。それはむしろ、ありがたいかも。
と、いうワケで、ネームは一応のOK、でもこの先クレームの可能性はアリ、という状況で、下書きに進む事に。
しかし今月20日過ぎに別口の締め切りが控えているので、こちらの作業を進めるのはそれが終わってからになる、という旨を編集さんに伝えて、この日はお開きとなった。
まあ、とにかく、また一歩前進、ホッとした〜!
しかし、125ページをコピーする事を思うと頭が痛い…以前はA3サイズのコピー機をリース契約してたけど、それが壊れた時点で解約し、今はMacに繋ぐプリンタも無い状況。
今度は複合機を買おうと思っているけど、サイズはA4だろうなぁ。
…ではアレか、125ページB4サイズのマンガの下書きを、コンビニのコピー機で……ううう、頭が痛い……。
官邸前の原発再稼働反対デモに、ちょこっと参加、初体験。
締め切りまではまだ10日余りあるけれど、すっかり作業が遅くなってしまってて、一抹の不安、と言うかスゲー心配。
そんな状況下ではあったけど、大飯原発が再稼働してしまい、毎週官邸前でデモが行われていると聞いていた。
月に一度のシナリオセンター有志の会は、会場が飯田橋、19時開始。
官邸は道の途中だし、デモの開始が18時から。
全参加は無理だけど、行きがけにちょっと様子を見に行く事は可能だ。
少し早めに家を出て、永田町で途中下車。
溜池山王まで歩いて戻ってまた電車に乗れるかな、と思ったが、官邸周辺は物凄い交通規制で道路がブツブツに切られており、地理に詳しくない私はやむなく永田町に逆戻りしたんだが、時間にして30分ばかり、取りあえず現場に立ってみた。
地下鉄を降りてすぐはデモの気配さえ見えず、ちょっと拍子抜けしたが、官邸の方向へ向かうにつれ、歩道には警官、車道には警察車両の数が増え、続々とデモに向かうらしき人々の波に乗った。
交差点で拡声器を使った警官が案内をしていて、左が並木道のデモ、と言っていたが、皆が右に曲がるので付いて行く。
程無く人の溜まった場所に突き当たり、どうやらその先は交通規制で進めない様子。と、言っても平地で人が多いので、すぐ先も見渡せず、全然様子が分からない。
それでも、立ち止まった人々が「さいかどーうはんったいっ!」「げーんぱっついーらないっ」等々声を合わせているので、最後尾に付いてみる。
途中抜ける予定だったので奥まで行かないつもりが、後から後から人が集まるので、ドンドン中程へ押し込まれる。
どうやらここはメイン会場ではないようだったが、それなりにデモっぽい感じでやっていた。
じっと立って、バラバラなシュプレヒコールが起こっては他のコールに混じり、バラバラな手拍子か起こっては消える。
…何と言うか、慣れてないと言うか。
『いちご白書』のようにはいかないわな(笑)。
私はと言えば、声を出すのにちょっと時間がかかった。
ここまで来て黙って帰るのもナンだけど(笑)、なかなかタイミングが掴めないと言うか。
でもまあ、叫んで来ましたよ、一応、言いたい事は言って来た。
着いた時には明るかったが、気が付けばすっかり日が暮れて、ああしまった、明るいうちに写真撮っておくべきだった、と思った時には後の祭り。一応携帯で撮ってみたけど、こんな出来ですわ。
なんかプレートみたいのを掲げてる人とか、風船持ってる子供、鳴り物も少数。
そして、iPadやスマホを操作しながらシュプレヒコールやってる人もけっこう見掛けた。
これ、家に帰ってから見掛けたツイートで、ちょっと納得。
要約すると、「地理的に分断されようが、僕らはネットを通していつでも繋がっている。あなたのいる場所が官邸前だ。」だから恐れる事はない、と。
実際ニコニコ生中継を見ながら自身が現場でデモ参加する事もできるワケだ(いや私はできないけどさ装備的に…笑)。
これ、いつまで見られるのかな?
ニコニコ生放送(7/13)大飯原発再稼働抗議デモ 首相官邸前より生中継
あら、田中康夫さんいたんだ。
盛り上がって来てる中、中座するのは気が引けたけど、シナリオの会はなるべく参加したいので、戻る事にする。
混み合っているのに、皆さんスンナリ道を開けてくれて、わりと簡単に列から抜け出せた。
永田町までの戻り道も、ドンドン参加者とすれ違う。皆さん後はよろしく。
夜半に降り出した雨が、デモの間はこらえてくれて良かった。
思い付きで顔を出したので、足元もサンダル履きだし、一度ちゃんと参加したいな。
原発について、ちょっと書いておこう。
私は基本、反対。でなかったらデモ行かないか(笑)。
悪い癖で、つい乱暴に考えてしまいがちで、もう全部やめちまえバカヤロー!と、いうのが本音なんだけど。
そんな危ないなら原発やめようよ、って言ってるだけなのに、だったら冷蔵庫使うなとか言う奴必ずいるし。その情報はガスで仕入れたのかとかさ。頭の悪い小学生か。
極論すれば私は、しばらくの間は停電タイムがあってもいいし、誰かが不当に儲けるのでなければ電気代が上がるのも仕方無いと思ってる。クーラーなんて元々たいして使わないから、他の皆が使わなくなったらさぞや首都圏は涼しくなるだろうと楽しみだよ。スーパーも駅も薄暗いままで充分だと思ってた。
でも、それではお年寄りが、とか、小さな子供が、とか持ち出されると、確かに皆が私のように頑丈でも隙でもないんだよなぁと、一応反省は、する。
間違った方向に進み過ぎてしまったのなら、軌道修正をする段階で多少の不自由はやり過ごそうよ、と私は思うのだけど。そうもいかない、と言うのであれば、ゆっくりでもいいから、忘れずに減らして行ってほしい。
私の世代は成田空港の泥沼闘争もリアルタイムで見ているし、出身大学はある種の人達の吹きだまりみたいな場所だった。だから正直、デモとか反対運動とかには警戒心もあるし、実際すでに今回の事でも、イヤな話は耳に入って来てる。
だからと言ってね。言いたい事を言わずに来てしまった結果がコレだもんな。いい加減にしないとさ。
…あら、全然「ちょっと」じゃなくなっちゃった(笑)。
『嫁と姑デラックス』に載せてもらう原稿、『働きたいの』終了。
いやぁ〜。本当に作業が遅くなっちゃって。
前回はまだ、久しぶりだしな、と自分に甘く考えていたが、どうやらこれが今のペースみたい。
ちょっと絵を変えたいと思ってるところもあって、描き飛ばすような真似はしたくないし、しばらくは余裕を持ってスケジュール立てて行くしかないかな。
しかし、いつまで経っても下書きに異様に時間が掛かるってのはイタダケナイね。
なんかもう、デジカメのおかげで、ちょっとしたポーズはいちいち撮影して描くようになっちゃってる、いい加減身体で覚えてくれないかなぁ、人体の造り。まあデジカメ以前は鏡見て描いてたんで、それよりは楽と言えば楽になったんだけど。
今回のお話は、子育て一段落した主婦の再就職物語。
正月明けからバイト探した体験と実感が盛り込んでありますが、主人公と私では全然立場は違う。
ママ友や旧友とかも出したので女性4人描くのが楽しかった。やっぱり私は脇役好き♪
絵で悩んでしまって、ペン入れ&仕上げに恐ろしく手間が掛かった。スケジュールに割と余裕があったので、いいだけ悩んだってのもありますが。
ちょっと変わりたい、と言うか、変わり時なんだと思う。
追記:出来上がって来た本を見ました。
ん〜なんか、自分では変えたつもりだったのに、出来上がりは全然代わり映えしないと言うか…いつもの私のマンガでした、ははは。
そんなモンかもねぇ。
さてさて、次は中断してた新企画、いよいよ下書きにはいります♪
仕事があるって幸せだ。
でも他の事が全然できなくなっちゃうのが辛い。
以前通りとまでは言わないけど、もう少しペースアップしたいなぁ。