ボディコンバット

  ボディコンバットの時間が迫ってきて、入場を待つ列ができ始めていた。列を作る人のほとんどが常連で、中毒にかかっているといっても良い人が結構たくさんいる。

 インターネットの掲示板で「コンバットおたく」などといって、揶揄(やゆ)する人も出るような白熱ぶりで、ZIGZAGのイベント会場で限定品として売り出すマニアックなウェアを身につけている人も多い。 真悠子もその一人で、手にはリストバンドをし、七分丈のアーミー柄のパンツに黒のタンクトップ、その上に背中にBTSJと入った限定品のTシャツを着て、ナイキから取り寄せた紫色のフィットネスシューズをはいて、見事なコンバットスタイルを楽しんでいた。

  スタジオ内にはいると、珍しくセリーヌ・ディオンのMy heart will go onが流れていた。「タイタニック」のテーマといったほうが分かりやすいかもしれない。 この曲はたまにボディパンプの時のクールダウンに使われる事もある。真悠子の好きな曲の一つで、B.T.S.はコリオ(振り付け)の他にバックに流れる曲を聴くのも楽しみだった。いつもの位置の前列に座ると、鏡に祐介が映って見えた。今までは意識していなかったけれど、祐介がどんなコリオをするのか楽しみになった。

  パワフルな女性インストラクターの動きに合わせ、ボディコンバットが始まった。動き始めるとアップからクールダウンまでの60分はあっという間に過ぎ去った。 いつものことだが、コンバットの最中は自分の世界に入り込んでいて、周りの人の動きはあまり気にならなくなってしまう。いつの間にか、祐介のことは忘れ去っていた。

  1時間のクラスはあっという間に終わり、この後、午後9時50分からボディパンプがある。金曜日は次の日の仕事が休みなので、このクラスも受けていた。バーベルを持ち上げることも楽しみの一つとなっていた。
 
 








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