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「それではこれで・・」真悠子はこれ以上関わらないほうが良いと思い、その場から離れようとした。
「あのーお詫びのしるしにリバティでソフトクリームをご馳走いたしましょう」真悠子は少しカッとなった。「いえ、結構です」と思わず言ってしまった後、言葉がきつかったかなと思い、少し冷静になった。
「そうですか、抹茶のソフトクリームがおいしいのだけれど・・・」祐介が残念そうに言った。
よくみると、なかなか好青年である。それに人のよさそうな顔をしていた。時計を見ると午後7時45分だった。「それじゃ、ご馳走になろうかな?」真悠子はやはり混乱している。普段なら見ず知らずの人に声をかけられて、一緒に飲食することなど決してないはずなのに。
リバティは、ZIGZAGの直営で、倶楽部内にある食事処である。ソフトクリームの他に、玄米を使ったヘルシーなメニューに人気があり、祐介もたまに雑炊を食べる。500円という金額も魅力的だった。
真悠子は祐介が最近BTS(ボディ・トレーニング・システム)のクラスに度々顔を出していることに気がついていた。そして後悔していた。・・いくら同じフィットネス仲間だとしても、初対面ですぐ一緒にソフトクリームを食べるなんて、ばかげたことだわ。他の人が見たら変に勘違いされてしまいそう・・。
「ごめんなさい、今日はやめておきます。また今度お願いします。」 リバティの入り口のところで、真悠子は逃げるようにして、その場を去った。
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