お気楽スナップ講座
目次 > お気楽スナップ講座 > 14. あ〜るの撮影法
スナップの撮り方には、こう撮るのが正しいというルールはありません。ですから、これまでの説明では、一般に言えること以外は、「こうした方が良い」という言い方をできるだけしないようにしてきました。実際に、撮影の仕方は人によって様々で、私の尊敬する何人かのPSOフォトグラファーの方々も、皆それぞれに違う撮り方をされているし、私の撮り方もまた彼らとは異なります。

ここでは、一撮影者として、普段、あ〜るがどんなことを考え、どんなふうに撮影しているのかを、コラムの形でご紹介します。もちろん、いずれも、このやり方が正しいというものではありません。あくまで、あ〜る個人の好み、あ〜る個人にとってやりやすい方法です。

スナップを撮り始めたばかりの方、あるいは、自分のスタイルを模索している方々に、多少なりとも参考になるところがあれば幸いです。

14. あ〜るの撮影法
なぜデバンド?

「光源」の項で、「光が足りない場面では、補助光としてデバンドを使うと良い。ただし、それによってキャラの陰影も消えてしまい、キャラが平面的に見えてしまうので注意が必要だ」という話をしました。ですが、私は、光が足りない場合に限らず、何らかの意図がない限り、必ずと言って良いほどデバンドを使っています。

PSOのキャラは、ポリゴンにテクスチャーを貼り付けたもので、その本当の形は、私たちがキャラに対して抱いているイメージよりずっと単純な、言わばペーパークラフトのようなものです。それを私たちのイメージに近づけるため、テクスチャーは実際以上に明暗を(それによって凹凸を)強調したものになっています。基本的に、スナップにおいて、キャラの立体感を私たちのイメージに近いものにするには、光源からの光に依らず、このテクスチャー自体の明暗だけでそれを表現するくらいがちょうど良いと、私は考えています。

もちろん、光源からの光を使えばキャラがより立体的に見えるのですが、それによって生まれる明暗は、キャラの本当の形、すなわちペーパークラフトのようなポリゴンの形を意識させやすいものです。そこで、エフェクトによって、それをキャンセルしてしまおうというわけです。

これは、結局のところ、キャラをアニメっぽく見せるかポリゴンらしく見せるかの違いであり、撮影者の好みの問題なのですが、私は、概して、アニメっぽく見せてしまった方がキャラがきれいに見えるような気がします。
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では、デバンドを使わない場合とは?

基本的に、ということは、そうでない場合もあるということです。では、敢えて補助光を使わない場合とはどんな場合なのか。その一例を挙げると…

リアルの女性ポートレートでは、一般に、明るめに、それでいて柔らかい光の下で撮ったものが好まれます。モデルの顔にはっきりと影が映っていては、せっかくのモデルも台無しです。そのため、屋外での撮影ならば、真昼の直射日光は避け、朝夕の弱い光や曇りの日、日陰などを利用し、かつレフ板などで影になる部分に光を補ってやるというのが、割と多い撮り方です。(写真の明るさそのものは露出でコントロールします。)

一方で、男性ポートレートでは、全体に暗めの画面で、かつコントラストを強くして明るい部分と影の部分とをそれぞれはっきり見せ、モデルの力強さや内面を強調するという撮り方があります。PSOスナップにおいても、このように、男性キャラの力強さや、アンドロイドの重厚感を強調したい場合には、暗めの場所で、敢えて補助光を使わずに撮影します。

ただし、この場合でも画面全体を暗くしてしまうとあまり面白い写真にはなりません。ですから、必ず、画面のどこかにハイライト、つまり明るい部分を入れておきます。なお、この場合、ハイライトには思いきり明るいものを使うと効果的です。周りが暗い分、ハイライトが活きてきます。

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シフタは使わないの?

デバンドを多用する一方で、私はシフタは滅多に使いません。シフタはキャラの両腕で局所的に発光し、かつ、その光が強烈なため、「いかにも」という演出になりがちです。また、キャラが赤く色かぶりしやすいというデメリットもあります。

では、シフタには演出としての利用価値はないのかというと、決してそんなことはありません。使い方次第でシフタも充分撮影に活用することができます。それどころか、シフタでなくてはできない演出もあるのです。

シフタの強烈な光は、画面の中で強く目を引く要素になります。シフタを利用する際に注意すべき点は、この光が、主役であるキャラを食ってしまわないようにすることです。具体的には、光の発生する部分、つまり、キャラの両腕があまりでしゃばらないポーズを選ぶと良いでしょう。その上で、光をファインダー内に上手く配置すると、意外に良い結果が得られることがあります。

特に、剣・杖モーションのテイクバックやフォロースルーで、腕がキャラの後ろに回っているタイミングを狙うと効果的です。後ろ側で発光するため、それによってキャラが霞んでしまうこともないし、キャラの間近で発光するので、これをアップで捉えると、とても迫力のある演出が得られます。同じことを他のテクニック・エフェクトでやろうとしても、なかなか思い通りにはいきません。シフタならでは演出法と言えるでしょう。

キャラ毎に撮り方に違いはあるの?

キャラ毎の撮り方といういうわけではありませんが、キャラ毎に気をつけている点はあります。以下、それを一部挙げてみます。

フォマール

デフォルト体型のフォマールはやや鳩胸気味です。それ故、肩の突き出た衣装デザインとも相まって、アングルによっては、やけに逞しい身体に不釣合いな顔がちょこんと乗っかっているように見えることもあります。この傾向は真正面から撮った場合や、下から煽り気味に撮った場合に目立ちやすいので、こうしたアングルを避けたり、胸そのものをフレームに入れないようにして対処しています。

フォニュエール

フォニュエールの胸は、下側の造形がちょっと不自然で、真横から見るとおばあちゃんの胸のような形をしています。なので、これも写真には写らないよう配慮しています。また、ウエストより太い太もももちょっと気になるところです。スカートでかくれている分にはさほどでもないのですが…

レイマール

レイマールについては、やはりニッカボッカーがポイントになるでしょう。横からの撮影ではさほどでもありませんが、正面からの場合、これの最もゆったりした部分でフレームを切ると、下半身全体がぼってりと重たく見えてしまいます。なので、なるべく、それより上か下の部分でフレームを切るように心掛けています。

レイキャシール

あまり気になるところはありませんが、強いて挙げるならば、レイキャシールは両肩の防具(?)込みでバランスがよくなるようデザインされていると思われ、そのため、身体全体のバランスから言うと、腕そのものは若干細め、肩幅はやや狭めです。なので、それが気になる場合には、アングルを修正することもあります。

ハニュエール

ハニュエールは、ウエストや太ももはきれいなのですが、ヒップラインがちょっと不自然な感じがします。なので、ハニュエールについては、お尻を画面に入れないか、あるいは、ウエストや太ももに目がいくような構図をとることが多いです。ただし、アングルやポーズによっては、これをきれいに見せることもできるようなので、研究の余地はあると思います。

ヒューキャシール

ウチにはヒューキャシールがいないので、ほとんど撮影したことがありません。ごめんなさい。
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あのぅ…男性キャラについては?

それは聞かないでください……(-_-;

TO BE CONTINUED

このページで使用されている画像は(株)ソニックチームの許諾を得て、ニンテンドーゲームキューブ用ゲーム「ファンタシースターオンライン エピソード1&2」よりキャプチャーしたものです。配布や再掲載は禁止されています。
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