PSOのデフォルトのカメラアングルは、キャラの後方やや上から俯瞰（ふかん）するようなアングルです。これは、言わば第三者の立場でキャラを観察する視点であり、なるほど、キャラの周囲の状況を把握するにはとても便利なのですが、こと撮影に関してはやや面白味に欠けるアングルです。

もし、我々が、キャラと同じようにフィールドやロビーにいて、カメラを構えているとしたらどうでしょう？ほとんどの写真は、彼らと同じ目線で撮影したものになるはずです。臨場感のあるスナップを撮るには、まず、キャラと同じ目線で撮影することが基本です。この高さを基準にすると、様々な撮影意図に応じた他のアングルも探しやすくなります。

なお、PSOでは、カメラは常にある一点に向けられており、そこを中心にカメラ（視点）の位置が変わります。そして、このカメラ回転中心は自キャラの手前やや上の位置にあります。このように、回転中心が自キャラからわずかにずれていることにより、カメラアングルを変えると画面上でキャラの見える位置が変わります。

誤解されている方も多いようですが、視点の高さがキャラの身長に応じて変わるということはありません。上で説明したとおり、カメラは常に同じ点（回転中心）に向けられていて、この点の高さはキャラの身長に関わらず一定です。だからこそ、でかキャラは前方が見づらく、ちびキャラは一人での撮影が難しいのです。

言葉による説明では理解しにくいかもしれませんが、実際に撮影用コントローラーを操り、意識して観察すると、こうした視点の動きがつかめるでしょう。回転中心の位置とそれに対するカメラの動きが具体的にイメージできるようになれば、カメラアングル、引いては構図の調整が随分楽になるはずです。
.

■ ズーム

PSOスナップにはズーム機能があります。ですが、これはリアルのズームレンズのそれとはまったく違うものです。リアルのズームレンズは、レンズの焦点距離を変え、それによって画角（画面に映る範囲）を変化させます。したがって、画面の見え方そのものが変わります。ですが、PSOスナップのズーム機能は、レンズの焦点距離（したがって画角も）は変えずに、カメラ自体を自キャラに近づけることによって、被写体、すなわちキャラの撮影倍率を大きくする機能です。つまり、被写体を見る位置が変わるのであって、画面の見え方自体はズームアップしてもまったく変わりません。

PSOのズーム機能においては、カメラはまっすぐ自キャラに近づくのではなく、上の「アングル」の場合と同様、厳密には、カメラ（視点）の回転中心に向かって近づきます。そのため、ズームアップすると、カメラとキャラとの位置関係が変わり、それによってアングルも変わります。具体的には、カメラアングルが高い位置にあるときには、キャラに対してより高いアングルに、逆に低い位置にあるときにはより低いアングルになります。ですが、これも言葉による説明では具体的にイメージしにくいかもしれません。やはり自身で操作してその感覚をつかんでください。

壁際などで撮影すると、画面が自動的にアップになり、一人でもある程度クローズアップの撮影ができることはよく知られています。これは、キャラに対して視点のあるべき位置が、マップ上で定義されていない空間に入ってしまった場合、視点が回転中心に向かって移動するという現象です。もちろん、この場合にもカメラは（キャラの手前やや上の）回転中心を向いたままです。そのため、ちびキャラでこの方法を利用すると、大抵、頭上の空間だけが大写しになり、キャラそのものは画面下にフレームアウトしてしまいます。ちなみに、壁際であっても、壁の向う側にも空間が定義されている場合には、この現象は起きません。
.

■ ファインダー

「部分撮影と全体撮影」の項で説明したとおり、PSOの画面はかなり広角に設定されており、広角の画面では被写体が歪む傾向があります。そして、この被写体の歪みは画面の端にいくほど目立ちます。ファインダーは、できるだけ画面の中央寄りに置いた方が、より自然な仕上がりが得られます。やむを得ずファインダーを画面の隅に置いて撮影をする場合には、歪みが目立たないよう構図やアングルを工夫するとよいでしょう。