一方、全体撮影では、元々4：3のゲーム画面が、撮影時の確認画面では部分撮影のファインダーと同じ小さな正方形で示されますが、スナップファイルをアップロードすることで元の4：3の画像に復元されます。ですから、この場合には、ゲーム中の画面と同じ画像が得られ、したがって被写体が横に広がることもありません。ただし、全体撮影では画面上の簡易ステータス表示、アクションパレット、マップなども同時に写しこまれます。

部分撮影スナップをアップロードした際の横への広がりは、一般に、キャラを真正面から撮影した場合に特に目立ちます。また、キャラをアップにするほど目立ちやすくなります。一方で、キャラを斜めから撮影した場合など、確認画面では細めに映っていたものが程よく横に広がって、かえってきれいに見えることもあります。確認画面では、その画面自体で取捨を判断するのでなく、アップロード後の横に広がった状態を予想して判断すると良いでしょう。

さて、ここまでの説明は、実際にスナップ撮影をしている方なら、すでにご存知の内容でしょう。ですが、部分撮影と全体撮影との最も大きな違いは、実は、その「画角」にあります。「画角」とは、写真に写しこめる範囲（角度）のことです。画角はレンズの焦点距離によって決まり、レンズが広角になるほど広く、逆に望遠になるほど狭くなります。ここでは、まず、予備知識として、それぞれのレンズの画角がもたらす効果を、PSOスナップに関係する事柄に絞って簡単に説明します。

広角レンズ

実際の人間の視界以上の範囲を写し込むことができます。そのため、相対的に、近くにあるものは実際の見た目以上に大きく、逆に、遠くにあるものは実際以上に小さく写ります。これにより被写体の奥行きや画面の遠近感が強調されます。ただし、まったく同じ理由で、被写体の形が歪みやすいという性質もあります。

標準レンズ

実際の人間の視界に最も近いレンズです。そのため、レンズの効果を感じさせない自然な像を結ぶことができます。ですが、見方を変えれば、画角に違和感がないだけに、レンズの特徴を出すのが難しいということもできます。

望遠レンズ

実際の人間の視界よりはるかに狭い範囲を切り取るレンズです。望遠レンズには、広角レンズとはまったく逆の効果があります。つまり、望遠レンズは、被写体の形を正確に再現するのに向いていますが、同時に、遠近感をなくし、前後に離れた二つの被写体を、実際より互いに近くにあるように見せます（圧縮効果）。一般に、遠くのものを写すレンズというイメージがありますが、近接撮影にも頻繁に使われます。

これらを踏まえて、PSOスナップでの部分撮影と全体撮影とを比較してみます。PSOの画面は実際の人間の視界よりかなり広角に設定されています。したがって、全体撮影では上に説明した広角レンズで撮影した場合と同様の効果が得られます。一方、部分撮影の際のファインダーの画角は標準〜中望遠レンズのそれに相当し、それゆえ、部分撮影では望遠レンズの特徴を活かすことができます。

下の写真は、まったく同じ位置にモデルを立たせて、（カメラの位置を変えて）モデルがほぼ同じ大きさに映るよう撮影した全体撮影と部分撮影のスナップです。これで、それぞれの効果を比較してみます。

全体撮影でキャラをアップにすると、遠近感が強調され、キャラが画面から飛び出してくるような迫力のある画面を作ることができます。また、背景との遠近感も強調されるため、空間に広がりを持たせることができます。一方の部分撮影では、被写体の形が正確に描写されます。が、背景が全体撮影の場合よりずっと手前に引き寄せられるので、奥行き感には乏しくなります。

全体撮影で、遠近感や空間の広がりを強調するには、ポイントとなる被写体（部分）を、カメラに対して前後に、つまり、カメラに近い位置と遠い位置とに配します。ただし、遠近感が強調されるということは、すなわち被写体が歪むということでもあるので、歪みを目立たせたくない場合は、逆に、ポイントとなる被写体（部分）をカメラから等距離の位置に、つまり、カメラに対して横に配置すると良いでしょう。

なお、PSOスナップのズーム機能は、リアルのズームレンズのようにレンズの焦点距離を変えるのではなく、視点を移動させ、カメラ自体を被写体に近づける機能なので、画角にはまったく影響しません。（詳しくは「アングル・ズーム・ファインダー」参照） したがって、ここでは特に触れません。

部分撮影、全体撮影それぞれのメリット・デメリットを比較し、撮影意図に合った撮影法を選びましょう。

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