お気楽スナップ講座
目次 > お気楽スナップ講座 > 5. 表情
ここでは、敢えてキャラの「表情」について考えます。
5. 表情
身も蓋もない言い方をしてしまえば、PSOのキャラはポリゴンにテクスチャーを貼り付けただけの存在です。したがって、理屈の上では、PSOキャラが表情を変えるということはありません。ですが、実際に何枚もスナップを撮ってみると、キャラがスナップごとに実に様々な表情を見せることに気付くでしょう。キャラによっては、ほとんど同じように撮ったスナップでも、ほんのわずかなアングルや明暗の違いで、驚くほど表情が違って見える場合さえあります。

これは、能や人形浄瑠璃(文楽)において、能面や人形が、同じくアングルや明暗の違いによって、様々な表情を見せるのに似ています。なお、PSOキャラには、表情どころか顔らしい顔のないキャラもいますが、それでもやはり、顔に相当する部分が与える印象というものがあります。ここでは、そうした「印象」も含めて「表情」と呼ぶことにします。

キャラの表情は、スナップの印象を決定的に左右します。同じ場所、同じアングル、同じタイミングで撮っていても、表情が違えば、スナップそのものが違ったものに見えてきます。スナップが、臨場感あふれる作品に仕上がるか、単なるゲーム画面の記録に終わるかは、ひとえに、キャラの活き活きした表情をつかまえられるか否かにかかっていると言っても過言ではありません。

大まかに言って、アングルについては、下から見上げるアングルでは比較的明るい表情に、一方、上から見おろすアングルでは暗い表情に見える傾向があり、また、明暗に関しては、キャラの顔全体を一様に照らすと穏やかな表情に、逆に、コントラストのきつい光の条件だと真剣な表情に見える傾向があります。下の作例でそういった傾向がある程度おわかりいただけると思います。

ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、具体的にどういうアングルで、あるいは、どういう光の条件で、どんな表情に見えるかは、それぞれのキャラによって異なります。キャラ・デザインでどのパーツを選んだかだけでなく、プロポーションによっても違ってきます。表情の変化の大きいキャラもいれば、あまり変わらないキャラもいます。自分のキャラや、頻繁にモデルにするキャラについては、様々なアングル、様々な光の条件で撮影をして、そうした傾向をつかんでおくと良いでしょう。

アングルや光の条件で表情が大きく変化するキャラの場合、これらの要素は特に重要です。しかし、PSOスナップでは、こうした要素の微妙なさじ加減が非常に難しく、多分に出たとこ勝負の部分があります。「こういう表情に撮りたい」と思っても、なかなかそのとおりに撮れるものではありません。

自分のイメージに近い表情を得るには、できるだけ多くのメモリーカードを用意し、ほぼ同じ条件で何枚か撮影し、ゲーム(撮影)終了後にそれらをじっくり見比べてベストと思えるものを選ぶと良いでしょう。同じように撮ったつもりのスナップでも、見比べてみると一枚一枚印象が違うことに気付くはずです。表情の変化の大きいキャラは、撮影が難しい反面、様々な表情を見つける楽しみもあると言えるでしょう。

表情の問題に限らず、こうして自分で撮影したスナップを見比べる、あるいは吟味するという作業は非常に大切です。同じスナップを撮るにしても、一枚撮ってそれっきりとか、撮影したものはすべてが保存版とかではなく、メモリーカードの数だけ同じカットを撮影し、その中からベストのものを選ぶようにすると、作品の質がまったく違ってきます。実は、撮影者の個性は、撮影そのものより、この、どれを残しどれを捨てるかという作業の方に、はるかに色濃く現れます。また、撮影技術の向上にも、これは何よりも大切な作業なのです。

このページで使用されている画像は(株)ソニックチームの許諾を得て、ニンテンドーゲームキューブ用ゲーム「ファンタシースターオンライン エピソード1&2」よりキャプチャーしたものです。配布や再掲載は禁止されています。
[BACK] [INDEX] [NEXT]
めろめろぴ〜通信 Ver.2.0