6月13日 思いがけないバスの旅
ブルージュの夜は明け、朝ごはんは地下の石造りの食堂でブッフェスタイルです。
バスの終点はなぜかオランダ、訊いてみたらSLUISという町でした。
災い転じて福となる。とても美しい港町で、30分ほど散策してみました。
ツーリストインフォメーションでもらったパンフレットを読んでいたら、近くに小さな愛らしい村があるという。バスで行かれるとのことなので、ちょっと足を伸ばしてみることにした。しかし、駅の窓口のおにいさんに訊くと、そんなバスはないと言う。いやいや、ここに書いてあるよとパンフレットを示すと、いや、それは情報が古いから、どうしても行きたいならあそこのバスに乗って、“クロック”という所でトラムに乗り換えて頂戴、とのこと。バスの運転手に「着いたら知らせてね」と告げて乗り込んだ。

バスは明るい日差しの中を快適に進む。だんだん田舎になるにつれ、絵のように美しい酪農地帯の景色が広がる。車内の素朴な老人たちが、にこにこ笑顔を送ってくれる。そして45分ほど経った時、バスは終点に停まった。「ここがクロック?」「うんにゃ、ここはオランダ。クロックに行きたいなら戻らなくちゃ」…あれ?クロックに着いたら知らせてって言ったのに?
何だか上手く伝わってなかったみたいなんです。仕方ないので降りてみたら、まあ、なんという美しい町!日差しが燦々と降り注ぎ、水路の周りに可愛らしい店が並び、どこからか潮の香り、魚市場まである。何だかわからないけどここでもいいか、怪我の功名だね、と喜びながら、のんきな二人組は散歩を楽しみ、向かい側のバス停からもう一度同じルートを帰ってきた。

言われてみれば車窓の景色は水路があちこちにあるし、土地は真っ平らだし、発電用の風車は回っているし、オランダっぽい(昨年行ったからよく知っている)。それにしても、ブルージュはどうも鬼門だなあ…。 参照 「ブルージュはメビウスの輪」

中世の都市の姿をそのままとどめるブルージュは、世界遺産に指定されています。
水路を巡るボート 気持ちの良い木陰の散歩道 馬の蹄の音が石畳に響く
薔薇が似合う家 市庁舎内のネットカフェで 中庭が美しい家
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