2003.04.09

北信越・北陸漫遊(北陸本線・七尾線・越美北線)

朝6時03分発の列車に乗車しようと駅に行き信じられない光景を目の当りにした。
なんと駅弁屋が開いていた。まだ5時45分である。
相変わらず朝が早い綾小路さんも驚いた。
先日の越後湯沢駅は8時にならないと開かなかったし北海道には10時開店の駅弁屋もある。
ともあれ七尾あたりで朝食と考えていたがここで三食弁当を購入した。
ちなみにこの時間はあと一種類があるだけで”ますのすし”等はもっと後の時間にならないと購入出来ない。
発車後すぐに食べる事にした。
そして昨日から何度も足を運んだ高岡駅とはこれでお別れとなった。

高岡駅弁 三色ちらし弁当 ¥650


高岡駅から30分足らずで津幡駅に到着した。
これから七尾線に乗車である。
七尾線の基点はここ津幡駅なのであるが全列車が3駅離れた金沢駅からの運行となっている。

津幡駅

6時47分に津幡駅を発車してすぐに電源の切り替えとかで車内が一時暗くなった。
これは金沢−津幡間ほか北陸本線が交流で運行されているのに対して七尾線が直流で運行されているからである。
こういう切り替えが全国で9箇所ほどあるという。
そのうちのひとつに糸魚川駅を出て青海駅までの区間に切り替わる。
綾小路さん全然気が付かなかった。しかも2回通過したな。

ここから七尾線では能登半島の海岸線沿いを走り、断崖絶壁に日本海の荒波が押し寄せ綾小路さんは感嘆した・・・。
イメージはこうだった。誰もがそう思うよなあ。
しかし現実は違った。単調な田園風景が延々と続いたのである。
やっぱり能登半島は大きくて平地が多いんだ。
誰も好き好んで海沿いに線路を敷設しないよな。
鉄橋にトンネル、費用がかさむし。
そのうえ昨日の雨こそあがったものの空はどんより、いまいちである。
また通学の学生が多く車内もかなり混んでいる。
そういう訳でゆっくり車窓を見物と言う気分にはなれなかった。

七尾線は運行本数も多く関西方面からの直通特急”サンダーバード”の運行もあり交換列車待ちが多い。
その中の停車駅で面白い駅があった。
宝達駅。ここにコンクリート造りのこじんまりした駅舎があった。
そして対抗ホームを見るとこれまた現代風の待合室があった。
まるで駅舎が2つあるようなものである。
ひょっとして古い駅舎は取り壊しとなる予定なのかもしれない。

宝達駅 (左)駅舎 (右)対抗ホーム上の待合室(帰りに撮影)

やがて列車は七尾駅に到着した。 ここでJRから『のと鉄道』に乗り換える事になる。
実は七尾−和倉温泉間はJRと第3セクター『のと鉄道』が混在している。
七尾線の和倉温泉以北が『のと鉄道』に移管した時に、この間をどちらの管轄にするかで双方の綱引きが行われたのかもしれない。
『サンダーバード』こそ和倉温泉駅まで乗り入れるが、各駅停車は七尾駅から『のと鉄道』の車両に乗換えとなる。
ここでホームで写真を撮っていたら危ない危ない!
ほぼ満員の学生がいっせいに跨線橋を渡りだしたのである。
乗換え時間が4分しかなかったのだ。 ここまでにすでに2分以上が経過していた。
綾小路さんあせる! 人並みをかき分けようやく間に合った。
そこからひと駅乗車してJRでは終点となる和倉温泉駅に到着した。
綾小路さんはもうこの先に行く時間はないのでここで引き返すが、ここからまた長い旅が始まる。
綾小路さんを降ろした列車は能登半島最深部に向け出発していった。

和倉温泉駅 (左)のと鉄道駅舎 (右)まだまだ線路は蛸島まで続く。

七尾線は私鉄の七尾鉄道により明治31年4月24日に津幡(のちに津幡口:現本津幡)−矢田新(七尾港:その後に廃止)間が開業した。
明治33年8月2日に津幡−津幡口(現本津幡)間が開業し、その後国有化され七尾線と改称。
大正14年12月15日には和倉(現和倉温泉)までが開業した。
その後も順次開業し、七尾−七尾港間は廃止されたものの、昭和10年7月30日に輪島までが開業して、津幡−輪島間が全通した。
平成3年9月1日に和倉温泉−輪島間は第3セクター『のと鉄道』に移管され、その後穴水−輪島間は廃止された。

和倉温泉駅を8時42分発の列車で折り返した綾小路さんは再び七尾駅に到着した。
こんどは少し時間があったので駅内外を探索出来た。

七尾駅 (右)和倉温泉、蛸島方面ホーム先端

七尾駅を9時06分に発車して津幡駅までの間に金丸駅、本津幡駅、横山駅に下車した。
いずれも木造、瓦屋根の駅である。綾小路さんが見た限りでは七尾線ではこの3駅が木造、瓦屋根の駅舎であった。
七尾線で一番多いのはマッチ箱にひさしをつけたようなコンクリート製の駅舎。
大きいのから小さいのまで様々だ。
ホーム上に木造の待合室だけというのもたまにある。

(左)金丸駅 (中、右)本津幡駅

横山駅

帰りは津幡駅を通過して直通で金沢駅まで乗車した。
改札を出て駅を撮影しようとも思ったが大きな駅ビルみたいで余りうまみはない。
しかも表口のほうは工事中みたいでもあり見送った。
ここでは駅弁を購入して列車内で食べる事になった。

金沢駅弁 特製牛肉弁当 ¥1000


列車は12時23分に金沢駅を発車した。
この区間も日本海とは離れていて平野の市街地を走り1時間15分で福井駅に到着した。

北陸本線の敦賀−富山間は敦賀−福井間から開業していった。
すでに米原−敦賀間は開業していて明治29年7月15日の事である。
そして小松、金沢、高岡までと順次開業したのである。
明治32年3月20日に高岡−富山間の開業により米原−富山間が開通した事になった。

福井駅

福井駅からは越美北線に乗車である。
こちらも基点は隣駅の越前花堂駅であるが全て福井駅からの運行となっている。
しかし発車までまだ1時間以上あった。
折角だから基点駅も探索しておきたかったので”北陸本線”で越前花堂駅まで到着した。

越前花堂駅 (左)駅舎 (中)北陸本線と越美北線のホームは少し離れていて、連絡通路の向こうに越美北線の待合室が見える。(右)越美北線待合室

ここで14時57分発の列車に乗車して一乗谷駅で下車した。
本当は終点まで一気に行きたい所だったがこの列車は途中の越前大野駅までの運行だったのである。
どうせ終点まで行かないならと途中下車したのである。
実は一本早い列車が13時12分の福井駅発と時刻表には載っていた。
七尾線を早めに切上げればこの時間に福井駅には到着可能だった。
しかし運悪く4月9日は運休だったのである。保線作業を行うとの事であった。

一乗谷駅

一乗谷駅からは折返しの列車で越前東郷駅を探索した。
その後は越前花堂駅あたりでぱらついていた雨も止んだようなので徒歩で足羽駅まで戻ってきた。

(左、中)越前東郷駅 (右)足羽駅

ようやく足羽駅に16時59分発の列車がやってきた。
中を見てびっくり。通学の高校生たちで一両の列車内は首都圏の通勤電車並、いやそれ以上の混み具合である。
列車はJR西日本のワンマンカーでは通常後ろ乗りの前降りであった。
しかしそれを守ると間違いなく乗車して次の駅で下車する事は不可能である。
綾小路さんは旅行の荷物を福井駅のコインロッカーに預けてきてほっとした。
満員の列車なのはしかたないがこれでは外の景色、通過する駅が全然見えない。
人込みはもちろん窓も満員の乗客の熱気で曇ってしまっているのである。

美山駅あたりからようやくすいてきて越前大宮駅を過ぎて列車の先頭に移動した。
運転手斜め後の特等席である。これで駅舎や線路が見えるようになった。
計石駅、牛ヶ原駅、北大野駅とすべてホーム上に待合室であった。
次の越前大野駅を境にして閉塞区間が変わる。
さすがにここはコンクリート製の駅舎があり駅員も配置されていた。
タブレットの交換も行われていたようだ。

越前大野駅ではかなりの乗客が下車してやっとローカル線の雰囲気が漂ってきた。
次ぎの越前田野駅からまたもホームに待合室の形態が連続した。
ようやく駅舎がホームから離れて設置されていたのが勝原駅。
しかし次の越前下山駅はまたもホーム上に待合室が設置されていた。
そして終点の九頭竜湖駅は観光名所にありそうなログハウス調の駅舎であった。

九頭竜湖駅

越美北線は昭和10年代に工事が始まったそうである。
しかし戦争の影響等で工事は中断。
昭和35年12月15日にようやく南福井(貨物駅)−勝原間が開業した。
昭和47年12月15日には勝原−九頭竜湖間が開業、全通した。
その後JRに分割されてから基点が越前花堂駅に変更となったのである。
それで越前花堂駅のホームが北陸本線ホームと離れていたのである。
当初は越美南線(現在の長良川鉄道)と結ぶ計画もあったと言う。
しかしそこから工事が行われる事はなく越美南線は第3セクターに移管されてしまったのである。

九頭竜湖駅に到着したころには辺りはかなり暗くなっていた。
綾小路さんはここから折返しの列車に乗車して福井駅まで戻った。
そして北陸本線に乗り換え敦賀駅に到着した。
敦賀駅ではビジネスホテルに宿泊であるがこれが遠かった。
半分へとへとになりながら30分かかりようやく到着、チェックインした。
まずはシャワーを浴びてお楽しみ。
今日の夕食は福井駅で購入していた”越前かにめし”である。

福井駅弁 越前かにめし ¥1000

綾小路さんは現在札幌在住でかにめしは色々食べた事があった。
山陰地方の駅弁でも何種類か食べた記憶がある。
しかし、このかにめしは今までのどのかにめしより美味であった。
ビールにお酒がかなり進んでしまった。
今日も大満足、綾小路さんの漫遊は北信越・北陸漫遊(北陸本線・小浜線)に続く!


蛸島 和倉温泉 七尾 金丸
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