飛行機

日記



                   11月5日 晴れ

これまでになく早く起きて、7時半には出た。イースト・ブロードウェイで降りてチャイナタウンまで歩いた。シティバンクでお金を下ろして集合場所へ。もちろん中国語で話しかけられるが、日本人ということを言って英語で説明を受けた。やはり部屋は一人部屋で追加料金だ、しかたない。オフィスで35ドル払ってバスに乗った。40人以上はいるだろうか、もちろんみんな中国人(台湾、香港含む)、日本語で挨拶はあったが後は北京語と広東語と英語だ、ガイドさんの英語はもちろん訛っているが理解はできる。英語でガイドできるのは彼だけだそうで、普段は中国語のみらしい、今日はラッキーだと言われた。彼も気を使ってくれて、後で自分だけに説明してくれるのでありがたい。

8時50分バスは出発、今日の夕食と明日の昼食代で22ドル取られた、みんな払っているのでしかたない。ニュージャージー州を通って1時間半ほどでフィラデルフィア(ペンシルベニア州)へ。100ドル札の裏に描かれているインディペンデンス・ホールだ。ここにもワシントン像がある。セキュリティが厳しくて外から写真を撮った。

バスから降りると、「もしもし?」と日本語で話し掛けてきてくれたのはさん、戦時中から一時日本にいたらしい。立川、横田、福岡などの基地で日本軍の軍服を作っていたんだとか。聞くと81歳、今はNYに来て60年近く住んでいるとか、すげー、でもお元気だ。彼の義理の弟夫婦も来ていて、旦那は神戸生まれで関西弁だった(笑)、今はサンフランシスコ在住らしい。ガイドさんがさっき日本人が一人いますと言っていたらしく、みんな誰だろうと思っていたらしい。なぜ分かったかといえば、一人でビデオカメラを持っていたからたぶん日本人だと思ったらしい、確かに他の人は誰も持っていない。子供なども日本人が珍しいのか、ちょっと怖がりぎみ。他の人も興味深く見るが、同じアジア人だっての。

また日本語で声をかけられて、今度はクーさん、女の人だ。ピンクのキャスケットに髪が赤いので、明らかに中国大陸系とは違うと思っていた。台湾人、おそらく40歳前くらい、15年前に8年間池袋に住んでいて、渋谷の日本語学校に通っていたとか。アメリカはマイアミなどで10年以上住んでいて、今はLAのアーケディアだって、中国コミュニティーだ、近いっちゃ近い。ニューヨークに一人旅で日曜にLAに帰るとか。彼女は北京語(マンダリン)、広東語(カントニーズ)、台湾語(タイワニーズ)、英語、日本語と5言語話せる、すごい。
日本人が知っているイー、アル、サン、スーやニイハオなどはみんな北京語だ。中国語でもそれぞれ全く通じないくらい違うらしい。来月にアメリカ市民権の審査だそうで、アメリカ人になりたかったそうだ、今の台湾政府は嫌いだとか。
日本人にとっては日本国籍を捨てることは珍しいが、学校の友達でも他国の人は、自国よりもアメリカが数段進んでいる国と感じて来ているのがとても興味深い。日本は何だかんだ言って一般市民がみんな裕福だし、結局日本が好きだからな。


思わず一人だけ日本人だったことで、それぞれ懐かしい日本と日本語を思い出したようで、交流できてよかった。これはいい旅になりそうだとホっとした。中国国内では反日教育で日本を嫌っている人もいるが、外に出て長い人は理解が深いのかな。

お昼はチャイニーズ系バイキング(ビュッフェ)で8ドル50、こういう食事が結局高くつくのか、それでもトータルでは安いんだけど。クーさんと食べていろいろ話した。知り合いに手配してもらった宿で、マンハッタンで1日12ドルだって、うわー安すぎ、ホテルの15分の1だ。

出発して1時間ほどでボルチモア(メリーランド州)インナー・ハーバーで降りて港を観光、クーさんの写真を撮ってあげたりした。ここらへんの街はなんか幕張みたいだな、ビルはあるが広いしきれいな街だ。NYの汚さが異常に感じる。その後ワシントンに着くまで1時間ほど車内で映画、ジャッキーチェンの「レッドブロンクス」。うーむ、絶妙な選択だな。ジャッキーが香港からマンハッタンに来たシーンで始まるのだ、懐かしい。英語吹き替えだった。

4時にワシントンDC入り、50ドル札の裏に描かれているキャピタルヒル(写真)で降りて写真を撮った。その後すぐ近くのスミソニアン・自然史博物館へ、アメリカ自然史博物館と同じだ。世界一大きいブルーダイヤモンドなどを見た。外に出るとみんな一度は映画などで見たことがあるワシントン・モニュメントがある。次に少し離れてジョン・F・ケネディセンターへ、オペラハウスなど芸術施設が併設されている、少しだけバイオリンの演奏を聞いた。

やはりワシントンDCも人工都市っぽい、本当にここが首都か?という感じ。緑も多くきれいで整然としていてとにかく広いし、みんな車なので人が歩いていない、ビルの中では大変な仕事をしているんだろうけど、そういう雰囲気がなく、とにかく無機質な感じ。観光バスと観光客ばかり目立つ。やはり東京の霞ヶ関あたりに似ているな、中心部は商業施設がないので看板も何もない。LAと違うのは、西海岸のラフさがなく、お行儀がいい街っぽいところだ。オレンジカウンティよりも都市部で、でも広い、今まで見た街ともまた違う。しかし、NYマンハッタンはやはり特殊すぎるんだな、汚い、くさい、多人種、地下鉄、超高層ビル、狭い。

ちなみによく言われるワシントン州とワシントンDCの違いはいまさら言うまでもないですね。シアトルがあるのがワシントン州です。ワシントンDC(District of Columbia)はどの州にも属さない特別区です。意味合い的には「DC」だけでも首都があるワシントンを指すことになります。ニューヨーク州ニューヨーク区(ニューヨーク市もありますが、市は住所表記されない)をニューヨークニューヨーク(ニューヨークNY)と呼ぶのと同じ感じでしょうか。

東海岸の大都市がこういう感じだとすると、ますます車がないと何もできないし、東京の感覚で言うと空が広い地方都市という感じがする。やはりマンハッタンだけが狭い東京の感覚に近いのか(汚いのを除いて)。

夜ご飯はまたチャイニーズレストラン、ポトマック川を渡ったすぐ隣のバージニア州にある。店内はアメリカ人もいるがほとんど中国人だ。しかも自分なんか本当に中国人達と中華料理を食べているので、なんかおかしかった、ここはアメリカなのに。テーブルが決まっていて、王さん達と食べた、料理の説明をしてくれた。隣の中国人に日本人の服を着ていると言われた。自分達が中国人っぽいのを分かるように、やっぱ分かるんだ。食べた後にコンビニで飲み物などを買い、ホテルへ向かった。

ホテルはDAYS INN、バンクーバーでも泊まったことがある中級ホテルだ、決して悪くない。明日は7時20分集合だって、はやいー。また考えると、東京とアメリカで3部屋の家賃を払って部屋を借りながら、ワシントンDC近くのホテルに泊まっていることになる、余計わけわからん。3段ロケットで飛んでいる感じ(?)。ベティーナとマギーに携帯メール、最近の様子などを聞いたり、MSに電話したりした。

アメリカで中国人のツアーに一人で混ざる、というのが今の自分にとっては特に大胆なことではない。とりあえずアメリカだし、英語が分かれば問題はない。ただし、さすがに自分一人で探して自分一人では申し込むのは無理だったろう。周りの人に影響されて助けられて実現しているのだ。そして一度経験すれば次からはもう大丈夫。「現場」で鍛えるためにアメリカに来ているので、これも貴重な経験だ。

明日の夜6時半までにはNYに戻る、直接来れば5時間はかかるが、いろいろ寄りながらなので、そんなに遠い感じはしないな。大統領選挙直後のホワイトハウスはどんなもんでしょうか?

前の日へ次の日へ
11月へ

飛行機