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オルタナ2バンド堂々のパフォーマンス

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苗場へ再び

今年は最終日のみの参加ということで、土曜の夜にバスで苗場へ向かい、寝ては起きての繰り返しをしているうちにあっという間に昨年見たあの風景が目の前に戻ってきた。
あぁ、ついに戻ってきたんだなと思っていると、バスは苗場プリンスホテルのツアーバス専用の駐車場に止まり、早速バスを降りて会場へ向かう準備を始めた。
まだ会場が開く9:00には時間があるため、GOODS売り場の前ですでに2日間のフェスを楽しんだ人々をしばし眺め、そこで一枚写メールをウチの嫁に送る。
パンフを購入した後、会場へ入るとすでにテントなどが所狭しと並んでいる。会場を一通り回った後、今回はこのホームページのために作った名刺を持って、アヴァロン・フィールドへ行き各NGO団体へ顔をだし、一部の団体の方に直接インタヴューを試みる。
インタヴューの内容は、NGO村で取材敢行を見てください。

人、人、人

インタヴューをしていたら、Green Stageのゆらゆら帝国が終わってしまった。残念見たかった。
気を取り直してデイブ・グロールもドラムで参加しているQueens Of The Stone Ageを見ることに。デイブのドラミングを見るのはいつ以来だろう。そう思いながら、ステージを見ていた。ここ数年のへヴィー・ロックの流れに位置する感じのバンドだったが、残念ながら僕に感じるところはあまりなかった。
昼食を済ませて、3日目の目玉になるであろう元ちとせのライヴを見るために早めにField Of Heavenに足を運ぶ。そう言えば会場で時々元ちとせのような髪型にしている女の子を見かけたな。彼女の雰囲気はこのステージにもってこいなのだが、現在の人気を考えるとここでは少々狭い感じもした。元ちとせが登場すると野太い声で「かわいい〜」と言った声が聞こえてくる。2曲目のビョークのシュガーキューブス時代のヒット曲"Birthday"はまさにはまり曲。4曲目に「ワダツミの木」を歌い始めると大きな歓声がおき、あの独特の唱法が心を揺さぶる。この曲が終了すると一部の人が他のステージへ動き始めるがそれでもまだまだすごい人だ。「君ヲ想フ」も含め40分ほどの短いステージだったが、その存在感は際立っていた。
アヴァロンで取材を続け、White StageからGreen Stageへ行こうかと思っていると、なかなか前へ進めない。何でか? と思っているとWhite StageでSUPERCARがライブを行っていた。アヴァロンからの道がかなり傾斜しているので見てみると、スゲ〜人だ。SUPERCARの楽曲は全然知らなかったが浮遊感のある曲についつい体が反応してしまう。ボーカルがちょっと弱い気もしたが、それでも気持ちがよくなる感じが自分の中でわかってくる。
White Stageそばの川辺で少々涼みGreen Stageへと向かう。去年BRAHMANは見逃しているので興味はあったが、ステージに足を止めるような感じではなかったため、夕飯を食べにWorld Restaurantへ。

最高の瞬間 - ジェーンズ・アディクション

個人的に一番見たかったのが、このジェーンズ・アディクションだ。日本では90年代のオルタナ・ブームが起こる前に解散してしまったため、過小評価されている感じもするが、このジェーンズがなければ、ニルヴァーナの成功もなかったのではと思うぐらい重要なバンド。
ステージは"Up The Beach"で幕を開ける。ペリーは紫のベルベットのコートをはおって登場。その下には白のスーツを着ていたが、白のスーツがにあうヤツなんて、ペリーか元アルカトラズ、レインボーのグラハム・ボネットぐらいなんじゃないか。
最初の山はやはり、"Stop!"お決まりのフレーズでバッチリ決めると、"Ain't No Right"に"3 Days"と続く。"3 Days"は始め「あれ、こんなもんだったか?」と思っていたが中盤から後半のデイヴの間奏に行くにしたがって鳥肌すらもう立たなくなるほど完璧な演奏を見せてくれる。今まで数多くのライヴを見てきたが、これほどまで完璧な演奏をオレは見たことがない。もうこの時点でノックアウトされてしまった。91年のロラパルーザを最後に解散した当時はナゼ? と思ったがこれだけ完璧なものを見せられるとあの時は解散するしか道は残っていなかったんだな、と納得してしまった。
途中メンバーが一旦下がり「え、もう終わり」と思ったが、衣装変えだったようでその後も濃密な演奏が続いていく"Mountain Song"に"Summertime Rolls"。でもまだ、アレが残っているでしょうと思っていると再びメンバーがステージを去っていく。まさか、やらないんじゃないよね、ペリーよ。と思っていると、終わったと思ったレッチリ・ファンが前方になだれ込んでくる。よく見るとステージ中央にアコースティック・セットがあるではないか。そして、再びメンバーが現れると満を持しての"Jane Says"。全員が中央に集まり、大合唱が起こる。1時間20分のステージはまさに最高の瞬間だった。

貫禄のステージ - レッチリ

ジェーンズのステージが終わると、ステージ・チェンジのため1時間の時間があるので、Red Marqueeでイアン・ブラウンのステージを見ることにした。すでに始まっていたが相変わらずのヴォーカルだ。特にメロディ・ラインのしっかりした曲ではもう聴けたもんじゃない。ローゼズはオレの青春の一部ですごく好きだったけど、皆はマジで彼の歌に満足しているんだろうか。このステージを褒め称える人がいたら、アバタもえくぼとはよく言ったもんだなぁ、と思わずにはいられない。イアン・ファンの人ゴメンナサイ。
Green Stageに戻るとすでにすごい人が集まっている。去年のオアシスもすごい人だと思ったけど、それ以上だ。97年は最悪の結果となってしまっただけに、今回に期するものはメンバーにもあったんじゃないだろうか。
"By The Way"でスタートしたステージは盛り上がる、盛り上がる。観客からはロケット花火も乱れ飛んで(あぶねぇぞ)最高のスタートだ。タバコをやめたらしいアンソニーの声は前回の来日より遥かに声に潤いがある。前回の声ではメロディアスな路線は厳しいと思ったが、今回は曲と声が見事に溶け合っている。
新作と前作の「カリフォルニケイション」からの曲が2,3曲おきに演奏される。最近のレッチリは切ないメロディが多く、バカ一直線だったころが懐かしい気もするが、夜空とレッチリがこれほど胸に染みるとは。
と、ステージの袖からなんとジョージ・クリントンが登場。レッチリのメンバーと一緒に"Freaky StyleY"と"Give It Away"で飛び跳ねる、飛び跳ねる。こんなハプニングもフェスならでは。本編はここで終了。アンコールを待つ観客からは声援が鳴り止まない。そして、少しだけ雨が降る中、再登場したメンバーが"Under The Bridge"を演奏し始める。雨が降る中でのこの曲はまさに殺し曲。真っ黒な夜空にいつまでも響くジョンのギターにアンソニーの歌声。ステージと観衆がまさに一つになった瞬間だ。
最後は"Me & My Friends"で終了。王者の風格漂うステージのレッチリは見事に97年の雪辱を晴らして苗場を去っていった。
あえて不満を言わせてもらえば「Blood Sugar Sex Magik」以前の曲が少なく、もう少しヒレル時代の曲とか「Mothers Milk」の曲もやってもらいたかったなぁ。前回のツアーでも「Mothers Milk」以前の曲はほとんどやってくんなかったし。もうやらないんだろうか? フリーさんよ、ツアーの方も期待してまっせ。
レッチリが終わると、足早にWhite Stageへ移り、Spiritualizedを見にいった。最後の数曲しか聴けなかったが、彼ら独自の世界感が十分に伝わってきていた。
たった1日だけ参加した今年のフジ・ロックだったが、やっぱりフジ・ロックは最高だ! 来年はまた3日間参加するぞ。


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