ミラレパ基金

1994年にBeastie Boysのアダム・ヤウクは、自分のアルバムで使用したチベット仏教の読経のサンプリングに対する印税を誰に払うかという問題から端を発し、自ら非営利団体としてミラレパ基金 (The Milarepa Fund) を設立した。
現在は日本にも事務所をオープンして、より広範囲な活動している。
ミラレパ基金は、チベットの人々のサポートはもちろんのこと、チベットの問題を世間にアピールし、それ以外にも、国際慈悲と非暴力主義を広めるために、若者がより興味を持つことが出来るように音楽、映画、イベントを通して活動を続けている。

そんなミラレパ基金の活動の中でもチベタン・フリーダム・コンサートの成功は世界中の人々にチベット問題をアピールすることに成功した。

第1回チベタン・フリーダム・コンサート

1996年6月13日・14日に第1回チベタン・フリーダム・コンサートがサンフランシスコのゴールデンゲイトパークで開催された。
ミラレパ基金の設立当初から考えていたこのコンサートにこぎつけるまで、実に2年半。しかし、その甲斐もあって10万人以上がこのコンサートに参加。予想を遥かに越える成功を収めた。
(アメリカ国内のStudents for Free Tibetの支部が80から300に増えた。また、コンサートの収益として、80万ドルが、ミラレパ基金に寄付された。)
コンサートは2つに並んだステージがあり、バンドが片方のステージで演奏をしている間にもう一方のステージでサウンド・チェックを終えて、すぐに次ぎのバンドが始められるといった手際のよさと、そのために熱気が下がるまもなく観客はひたすらコンサートにエキサイトすることができた。

出演者:BEASTIE BOYS, SMASHING PUMPUKINS, FOO FIGHTERS, A TRIBE CALLED QUEST, PAVEMENT, CIBO MATT, BIZ MARKIE, RICHIE HAVENS, JOHN LEE HOOKER, RED HOT CHILI PEPPERS, RAGE AGAINST THE MACHINE, SONIC YOUTH, BECK, BJORK, DE LA SOUL, FUGEES, BUDDY GUY, SKATALITES, YOKO ONO

第2回チベタン・フリーダム・コンサート

1997年6月7日・8日に第2回チベタンフリーダムコンサートがニューヨークはランドール・アイランドのドーニング・スタジアムで行なわれた。
記者会見では提唱者のアダム・ヤウクを筆頭にチベットでの中国政府の拷問を実際に受けた僧侶などがチベットの非暴力による抵抗を支援して欲しいと訴えた。
コンサートの内容は昨年に負けず劣らず充実した内容で、特に亡くなったばかりだったジェフ・バックリィの「ハレルヤ」をU2が一瞬だけ歌った瞬間、そしてパティ・スミスがやはりジェフの話をした場面は、チベット問題を離れてこのコンサートのハイライトの一つだった。
ニューヨークでのコンサートでは5万人以上の参加者。コンサート収益金として25万ドルがミラレパ基金に寄付された。

出演者:FOO FIGHTERS, U2, SONIC YOUTH, BIZ MARKIE, ALANIS MORISETTE, PATTI SMITH, THE JOHN SPENCER BLUES EXPLOSION, BEN HARPER, A TRIBE CALLED QUEST, BEASTIE BOYS, RANCID, BJORK, PAVEMENT, BLUR, MICHAEL STIPE&MIKE MILLS, TAJ MAHAL, DE LA SOUL, DADON, CHAKSAM-PA, NAWAGNG KECHOG

第3回チベタン・フリーダム・コンサート

1998年6月13日・14日に第3回チベタンフリーダムコンサートがアメリカの首都・ワシントンD.C.のRFKスタジアムで行われた。米政治家達のお膝元でのコンサートは落雷などのハプニングはあったものの、大成功を収め、チベットと非暴力のメッセージを多くの若者に発することが出来た。
コンサート当日の記者会見ではジョン・レノンの息子のショーンが「多くの人達が『どうやって音楽で世界を変えられるんだ』とか言うけど、実際にここにこれだけの人が集まってそして世界中に放送されているわけで、これが僕たちの文化に影響力を持たないのなら、一体何に影響力があると言うんだい?」と発言し会場中のジャーナリストから大きな拍手が湧き起こる一幕もあった。さすがはジョンの息子だね。
コンサートの翌日には「National Day of Action for TIBET(チベットのための全国抗議行動の日)」として、国会議事堂の前で集会も行われ、そこにも約2万人の人が集まり、3時間に及ぶ集会が実現した。
全米の議員や、俳優のリチャード・ギア、もちろんアダム・ヤウクも姿を現し、演奏や演説を行った。
『FREE TIBET』のシュプレヒコールが議事堂前で行われたさまはまさに壮観。
このコンサートがクリントン大統領の中国訪問の前であったことや、過去2回のコンサートを収録したCDが発売されたこともあり、コンサートの参加者は12万人。さらに、50万通以上のハガキが大統領の元に届けられた。コンサート収益金としてミラレパ基金には120万ドルが寄付された。

出演者:RADIO HEAD, SEAN LENNON, MUTABARUKA, MONEY MARK, A TRIBE CALLED QUEST, DAVE MATTHEWS, SONIC YOUTH, NAWANG KECHOG, WYCLEF JEAN, BUFFALO DAUGHTER, HERBIE HANCOCK AND THE HEADHUNTERS, R.E.M, KRS-ONE, THE WALLFLOWERS, BLUES TRAVELER, LIVE, PEAL JAM, LUCIOUS JACKSON, PULP

第4回チベタン・フリーダム・コンサート

1999年6月13日第4回チベタンフリーダムコンサートが行われた。この年は世界4ヶ国(シカゴ、アムステルダム、シドニー、そして東京)での同時開催。
4回目を迎えるアメリカではシカゴ郊外のイースト・トロイという場所で行われた。会場には約3万1千人が足を運んだ。
当日はあいにくの雨模様であったが、午後からは晴れ間ものぞき、トリのビースティー・ボーイズまで、盛り上がったコンサートが行われた。
欧州でのコンサートは15,000人規模のRAI国際見本市会場内の屋内ホールで行われた。
アムステルダムで注目を集めていたのはレディオヘッドのトム・ヨーク。コンサートはもちろんだが、記者会見では「政治家たちが、このようなイベントに影響を受けるとは思わないが、一般の人々に対しては問題を喚起できたのでは。」といったことをコメント。
また、「ダイアナ(元妃)地雷問題に取り組んだ時は、マスコミは彼女をヒロインに祭り上げたが、ポップ・スターが政治問題に関わると、単なる論争好きになる。」とマスコミの報道のあり方に不満を述べる一幕もあった。
この年は欧州ではコソボ問題に直面していたため、なぜチベット? といった反応も多く、去年のグッド・タイミング(クリントンが訪中の直前)での盛り上がりに比べると、欧米での関心度が薄かったのが残念であった。
シドニーではオリンピック・パークに約8,000人が集結。
南半球では6月は初冬に当たるため、少々肌寒い気候の中で地元のバンドを中心に行われた。
元クラウデッド・ハウスのニール・フィンは「チベット以外にも東チモールでも問題が色々と起こっている。」と抑圧を受けているのがチベット以外の地域でもいくらでもあり、我々がすることはいくらでもあることを強調していたのが印象的であった。
東京の会場は東京ベイNKホールで、入場者は5,000人。そのうち4,000人の人たちがチベットのために署名をしてくれたのである。
事前宣伝が少なかったのはやはり中国に気をつかったのであろうか。
個人的にはもっと人気のあるバンド(今回出演していただいたバンドの方々ごめんなさい)に出てもらい、より多くの人にこのイベントに参加してもらいたかったのだが、日本でもこのようなイベントを開催できた意義は大きいのではないだろうか。
今回のコンサートの結果、Students for a Free Tibetが日本でも立ち上がったのだから。
結局今回の4コンサートでの収益金は15万ドルで、それらはもちろんミラレパ基金に寄付された。

出演者:(シカゴ)BEASTIE BOYS, RUN D.M.C., RAGE AGAINST THE MACHINE, TRACY CHAPMAN, CHAKSAM-PA, BLONDIE, LIVE, THE ROOTS, EDDIE VEDDER, THE CULT, OTIS RUSH, CIBO MATTO
(アムステルダム)BLUR, ALANIS MORISSETTE, GARBAGE, URBAN DANCE SQUAD, THOM YORK, NAMGYAL LHAMO, BEN HARPER AND THE INNOCENT CRIMINALS, JOE STRUMMER AND THE MESCALEROS, NRA, TIPA, LUSCIOUS JACKSON, CHANTING TIBETAN MONKS
(シドニー)REGURGITATOR, SPIDERBAIT, BLACKALISCIOUS, NEIL FINN, YOU AM I, BIS, THE LIVING END, TRANS AM, THE AVALANCHES, GERLING, JEBEDIAH, ESKIMO JOE
(東京)BUFFALO DAUGHTER, Hi-STANDARD, 忌野清志郎, NAWANG KHECHOG, SCHA DARA PARR, AUDIO ACTIVE, BRAHMAN, 高木完

チベタン・フリーダム・コンサート2001

2001年5月13日、2年ぶりにチベタンフリーダムコンサートが再び東京で行われた。
今回は日本政府に提出するものと、北京オリンピックに反対するもので合わせて1万を超える署名を集めることができた。
詳しいレポートはチベタン・フリーダム・コンサート・インサイド・レポートにて。

出演者:BRAHMAN, UA, Buffalo Daughter, Chaksam-pa, BOOM BOOM SATELLITES, THEE MICHELLE GUN ELEPHANT

チベタン・フリーダム・コンサート2003

ついにビースティー・ボーイズがチベタン・フリーダム・コンサートで来日! 2003年4月19日に三度行われた、チベタンフリーダムコンサート。
イラク戦争という暴力で問題を解決しようとする今の世界だからこそ、チベットが求める“非暴力”という主義をもっと伝えていかなくてはいけないのではないだろうか。
今回は東京の翌日には台湾でも行われた。中国のすぐ近くにまでチベタン・フリーダム・コンサートというウネリはきている! 台湾という場所での開催は本当に意義のあるものになるだろう。 詳しいレポートは速報! チベタン・フリーダム・コンサート2003にて。

出演者:BEASTIE BOYS, 忌野清志郎, NAWANG KHECHOG, MO'SOME TONEBENDER, RIZE


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