Caravan | Seven Cities of Gold |
BUTB | The Wreckers |
Clockwork Angels | Headlong Flight |
The Anarchist | BUTB2 |
Carnies | Wish Them Well |
Halo Effect | The Garden |
それは、まるで一生分ほどの遠い昔に思える――本当に、その通りなのだが。いや、それ以上かもしれない。少年にとっては、農場での暮らしは理想的なものだ。だが、青年になった僕には、その平和さや決まりきった毎日そのものが息苦しく、耐え難いものに思われた。僕には大きな夢があり、それを追求するためには、広い舞台が必要だった。そう、この世界全体という。 |
僕らはあたうる限り最高の世界にいる、いつもそう教えられてきた。ウォッチメイカー様はクラウン・シティから、レギュレイターたちを使って、世界を治めている。錬金術僧たちは動力と光の素となる冷たい火を、僕らに与えてくれる。すべてのものが、素晴らしく制御されている。さまざまに訪れる個人の運命を、僕らは皆、当然のこととして受け入れてきた。ぼくらはずっと、こう教えられてきたから。「自分に起きることは、どんなことであれ、自分自身の行為の結果なのだ。もしそれに値することをしていなければ、何も起きはしないのだ」 |
僕が一番見たいと思っていたところは、クロノススクエア――そこは、クラウンシティの中心部にある。その街や、クロノススクエアの、様々な映像を見てきた。でもどれ一つとして、その壮大さを伝えてはいない。タイムキーパーたちの聖堂の、天に届くような塔や、天使たちの光り輝く壮観さ――陸と海、空と光を司る天使たちが、まばゆい光を放つ浮遊する球体の上で、光を浴びている。 |
霧の立ち込める森の道を、人のひしめく村の広場を、クラウンシティの通りの雑踏を――彷徨える行商人は、国中を旅する。永遠の呼びかけを発しながら。 |
満足しきった、盲目的な人々の間を歩きながら、アナキストは行商人の呼び声を聞き、嘲笑的な笑みを浮かべた。「私に足りないもの? そう――復讐だろうか――?」 |
僕は移動カーニバルの仕事を見つけた。クラウンシティでの真夏のフェスティバルで、僕らは広場のど真ん中、ちょうど天使たちの真下に、ゲームや遊具を設置した。ある晩、にぎやかな音やさまざまに入り乱れる人々で混みあったその最中に、僕は一人の男が、針金と木の樽で何か作業しているのを見た。彼は立ち上がり、振り返った。アナキストだ!手に時計仕掛けの起爆装置を持っている。僕が群集に向かって、気をつけろと声を上げた時、奴は手に持った装置を僕に向かって投げつけてきた。僕はそれを機械的に受け止めた。ちょうど人々が僕のほうを振り向いた、まさにその時に! 僕は逃げた。とても無様な格好で。そして曲がりピニヨン河を海へと向かって、下って逃れていった。 |
僕は演技者の一人に、なすすべもなく恋に落ちてしまった。彼女は故郷に残してきた娘とは、まったく違ったタイプだった。そして僕は、だんだんとわかってきた。彼女こそ僕の捜し求めてきた人だ、そう思い込んでいただけだと。僕は憑かれたように彼女を追い続け、とうとう彼女も僕を受け入れてくれた――だがやがて、彼女は僕を軽蔑し、拒絶し、僕はいたく傷ついた。またしても僕は、自分自身の完璧な伴侶像を作り上げ、それを彼女の上に投影しようとしていたようだ。それはうまくいかなかった。でも、その幻想は僕の人生全体を彩ってくれた。 |
その伝説は何世代もに渡って、語り継がれてきた。西の海を渡ったその果て、スティームライナーが飛ぶことのできないその地域に広がる荒野には、七つの黄金都市が隠されているという。無法な港町、ポセイドンシティへ向かう貿易ルートの頑丈な船に乗って、僕は思い切って海を渡ってみることにした。その港町でしばらく、錬金鉱山で仕事をするスティームライナーで働き、それから僕はレッドロック砂漠へと出発した。この世のものとも思えないような形に刻まれた、幾つもの石のモニュメントがあった。そしてもっとも有名な都市シーボラ――その名は子供のころから、僕の夢の中で響き続けていた――を捜し求めて北へと向かうにつれ、だんだんと寒くなっていった。 |
あの砂漠で、かろうじて凍え死ぬのを免れた僕は、ポセイドンへと引き返した。そしてそこから故郷へと向かう船に空きが見つかったので、それに乗った。ひどい嵐に襲われた僕らは、思いがけなく灯台の明かりを見つけた時、これで助かったと思った。だがその方向へ航海していくと、程なくそれは偽りだったとわかった。それはそこの住人たちが船をおびき寄せ、岩だらけの浅瀬に座礁させるために置いたものだったのだ。彼らは貨物を略奪し、乗組員や乗客たちを、氷のような波の中に見捨てていった。 |
僕の人生を思い返し、その「大いなる冒険」を語る時――それは、時にはそれほど壮大には感じられないこともあった。でも結果として考えると、僕は決してどれも変えたくはない。偉大な錬金術師の一人であるフレディッチ・グルーバーの言葉のように、 |
行商人は旅を続ける。 |
「何か足りないものはないかね」この運命的な言葉は、僕が失ったものすべてを省みる、内なるモノローグにひらめきを与えた。見境のない楽観主義はもうない。大いなる力への信頼も、もうない。苦痛はあまりに多く、そして嘆きも失望も、あまりに多い。それでもなお、大いなる皮肉のように聞こえるが、僕が今信じられるのは、愛の交換だけだ。子供ころ反射的に信じていた「僕は信じるように育てられてきた」――それは、もうほとんど残ってはいないのだけれど。 |
犠牲になって、嘆いて、そして失望して――ほとんどいつも、そんな風だった気がする。それでも僕は、敗北感に打ちひしがれたり、皮肉になったりはしたくない。怒りや不満は心に残った燃えカスに過ぎず、一生涯持ち続けていくものではないという信念を、僕は持つようになった。僕を傷つける人たちに対して、一番良い対応は、その人たちから逃れること――そして、彼らの幸運を祈ることだ。 |
昔僕は別の時空上で、カンディードという名の主人公を描いた物語を読んだ。彼もまた、いくつもの成功しなかった冒険や悲劇といった、悲惨な経験を潜り抜けたあと、コンスタンチノープルの近くの農場に落ち着いていた。哲学問答を聞きながら、カンディードは答えた。「それは大変結構。でも私は、自分の庭を耕さなければなりません」 |