炎のロックンロール
ありとあらゆる邪魔な厄介ごとを
うんざりするほど聞かされてきた
もっと賢く、良い人間になろうと
毎日努力してきた
でも、どれほど多くの川を渡ろうと
たとえ百万マイルを進もうとも
愛想を振りまいて暮らしてきたあの頃と
変わらぬ場所にいるんだ
裏通りの店で、
数え切れないほどたくさんの鏡を売った
でも僕の顔が窓に映ることは、一日だってなかった
君の仲間たちは「スーパースターになれ」と言っているらしいが
僕なら、言うだろう
満足して、自分にふさわしい場所にいればいいと
まず、生きていくことさ
生き続けていくことだよ
君の金と時間を、すべてつぎ込んで
そうすれば、生き残れるから
ベラドンナで朦朧としている間に
数え切れないほど、たくさんの女たちを愛した
銀の盆に乗せて出されるご馳走を
うんざりするほど、何度も食べた
僕の身体を魂を養うために必要な
あらゆる物がほしい
もう少しだけビッグになれれば
それが僕の到達点かもしれない
ありとあらゆる邪魔な厄介ごとを
うんざりするほど聞かされてきた
もっと賢く、良い人間になろうと
どんなに努力してきたことか
でも、どれほど多くの川を渡ろうと
たとえ百万マイルを進もうとも
まだ僕は出発点にいる
始めた場所から、一歩も動いていない
まず、生きていくことさ
生き続けていくことだよ
君の金と時間を、すべてつぎ込んで
そうすれば、生き残れるから
まず、生きていくことさ
生き続けていくことだよ
君の金と時間を、すべてつぎ込んで
僕を満足させてくれ
君は毎日、より良くなっていると思うかい?
いいや、ただ二歩づつ墓穴に近づいていると、思うだけ
まず、生きていくことさ
生き続けていくことだよ
君がイキイキできることに
金と時間を、すべてつぎ込むといい
まず、生きていくことさ
生き続けていくことだよ
みんな、自分を生かすんだ
まず、生きていくことさ
生き続けていくことだよ
君の金と時間を、すべてつぎ込んで
僕を満足させてくれ
まず、生きていくことさ
生き続けていくことだ
みんな、生きつづけていくことさ
君の時間と金をつぎ込んで
生き残れ
僕を満足させてくれ
しっかり生きつづけるんだ
Aliveですが、生きている、生き生きさせる、活動的である、すべての意味を包含しているような
気がします。努力しつづけること、向上を目指すこと、いろいろな体験をすること、というポジティヴ
な要素と、それでも人生は結局、最終ゴールは墓場であるという虚無感が同居しているようです。
それでも「Keep Yourself Alive」、前向きに行こうよ、という感じでしょうか。
それにしても、この頃から歌詞はスーパースターですね、彼ら。それは、現実になりましたが。
ドゥーイング・オール・ライト
昨日、僕の人生は、廃墟のように荒んでいた
今日は、自分が何をしているのか、わかっている
ちゃんとしなくては、そんな気分を感じている
きちんとしなくては
明日のこの時、僕はどこにいるのだろう
喜びに躍り上がっているのか、悲しみに沈んでいるのか
どっちにしても、うまくやって行かなくては
大丈夫、うまくやらないと
その兆しが現れるのを、待ったほうがいいだろうか?
言うべき言葉を見つけようと、あたりを見回して
空が晴れるのを、待ったほうがいいだろうか?
もしすべての世界に、それだけの時間があるなら
太陽が出るのを、待ったほうがいいだろうか?
どっちにしても、僕は隠れなければ
昨日、僕の人生は廃墟のように荒んでいた
そして今日、僕が何をしているのか、神のみぞ知る
どっちにしても、うまくやらなくては
そう、うまくやらないと
ちゃんとしないと
リマスター盤ライナーによりますと、この曲はSMILE時代のオリジナルで、唯一デビューアルバム
に採用された曲だそうです。 ティム・スタッフェルが歌うオリジナルヴァージョンは、'82年発売の「GettinSmile」で聞けます。でも私はこのアルバム、持ってません。(涙) 発売は知っていたけれど買い損ねました。「April Lady」、結構好きだったんですが。
この曲、'76年ごろMusic Life増刊号として発売された、「クイーン、キッス、エアロスミス、
三大バンド激突号」(凄いタイトル^^;)の中の、「歌詞の対決」で、唯一クイーン代表として取り上げられた曲です。
なぜこの曲? 結構地味な曲だし、ほかにもいろいろあるだろうに、と当時不思議に思ったの
ですが、エアロやキッスが、ドブネズミだとか地獄などの表現を使うのに対して、クイーンは空とか太陽、愛や夢と言うような単語を(ここにはないですが)てらいもなく使うので、耽美主義だというような論旨で使われたように思います。でも、この曲がその代表例かと言われれば、うーん、と首を傾げてしまうのです。個人的には、何処となく虚無的な匂いのする(曲調のせいか)、とり方によってはドラッグソングともとられかねないような感じの詞だと思ってしまうので。
グレイト・キング・ラット
偉大なるドブネズミの王が、今日死んだ
あいつは5月21日に生まれ、
ちょうど44回目の誕生日に梅毒で死んだ
あいつの罵知る声は、絶えることがなかった
あいつは卑しい娼婦の子として生まれ
いつもおたずね者だった
知りたくはないか? みんな、知りたくはないか?
偉大なるドブネズミの王は、いやらしいジジィだった
そうとも、下劣なおやじ以外の、なにものでもなかった
さあ、今僕が言ったことを、確かめたくはないか?
明日、僕はどこにいるのだろう
物乞いをしているのか、誰かの慈悲にすがっているのか
知ったこっちゃない、どっちにしても、かまいはしないさ
さあこいよ、今がちょうど、その時だ
あの男は邪悪な奴だった。それは本当さ
言っただろう、そうさ、僕は奴に言ったんだ
嘘じゃないさ
知りたくはないか? みんな、知りたくはないか?
偉大なるドブネズミの王は、いやらしいジジィだった
そうとも、下劣なおやじ以外の、なにものでもなかったさ
さあ、今僕が言ったことを、確かめたくはないか?
知りたくはないか? みんな、知りたくはないか?
偉大なるドブネズミの王は、いやらしいジジィだった
そうとも、下劣なおやじ以外の、なにものでもなかった
さあ、今僕が言ったことを、確かめたくはないか?
聞くがいい、すべての人民たちよ
善なるものを滅ぼし、悪を続けよ
聖書に書いてあることなど、何も信じるでない
汝ら罪人たちよ、列に並ぶがよい
聖人たちよ、汝らは一番あとだ
汝らはたちまち、彼の弟子となるであろう
ママの言うことなど、耳を傾けるな
一言たりとも、聞く必要はない
さもなければ、おまえたち自身が自らに敵対するだろう
偉大なる神は、お亡くなりになる前
罪人たちをその傍らにひざまずかせ、言った
「汝らは、明日には悟るであろう」と
いや、僕は言うつもりはない
もう君は、知っているだろうから
なぜなら太古の昔から、それは何度も繰り返し
老人たちが語りつづけてきたことだから
さあ、くるがいい。今が潮時だ
邪悪な男が戦いを挑むだろう
まえにも一度、そう言ったように(嘘じゃないさ)
知りたくはないか? みんな、知りたくはないか?
偉大なるドブネズミの王は、いやらしいジジィだった
そうとも、下劣なおやじ以外の、なにものでもなかった
君にこうきくのは、これで最後だ
わかりたくはないか?
正確には、偉大な王であるドブネズミ、というべきでしょうか。Ratという言葉には、かなり悪い含みが多く、卑劣なとか、ならず者、裏切り者という意味もあります。地下世界の邪悪な大王、のようなものでしょうか。
真中の部分、「Now listen〜」から始まる2フレーズは、話者が変わっていて、たぶんGreat King Rat自身の発言ではないかと推測しました。そして内容は、キリスト教の教義に対するアンチテーゼなのではないかと思います。
西洋文明は、私たち日本人が思う以上にキリスト教の影響が強く、ロック系の歌詞にも影響を与えている場合が多いのですが、QUEENも特にこのファーストに、かなり色濃く出ているような気がします。この曲と、Liar、それに、そのものズバリのJesus。
地下世界の邪悪な大王といえば、キリストの反対者、サタンを思い起こさせますが、Great King Ratは死んでいるのだから、たぶん生身の人間なのでしょう。
マイ・フェアリー・キング
馬は鷲の翼を持って生まれ
ミツバチは針を持たず
永遠に歌いつづける
そんな国で
ライオンの巣窟に鹿が憩い
川は澄み切ったワインをたたえ
永遠に流れつづける
ドラゴンが雀のように空中を舞い
稚い子羊たちはサムソンの闘志のもと
日々は営まれていく
彼は空気を支配し、潮の流れを変え
ああ、彼は風を導く
我が妖精王は知っている
この地は我らのためにあらず
我が妖精王は正しきことをなし
間違いを犯すことはない
やがて、野蛮な夜のように、ある男がやってきた
盗人のように走り、ナイフのように殺すために
魔法の手から、力を奪い去るために
約束の地に、滅びをもたらすために
奴らはミルクを腐らせた
我が身体を流れる血を青くしたように
(なぜ、わからないのですか!)
燃え盛る地獄の劫火の中
苦痛の悲鳴が響き渡る
神の子よ、私を自由にして、行かせてください
海は干上がる。砂に塩を残すことなく
季節は、何ら助けを借りることなく、飛び去っていき
哀れな男たちの目に映る真珠のように
その歯が光ることはない
誰かが、そう、誰かが
我が翼から、色を抜き去っていった
我が妖精の輪を、指輪を破壊し
王の誇りを恥辱の中に貶め
風向きを変え、潮の流れを誤った方向に導いた
母なるマーキュリーよ、
彼らがなしたことを見てください
私は逃げることも
隠れることもできません
ファンタジーのような楽園に、邪悪な侵入者が現れ、破壊の限りを尽くして去って行ったような、
そんなストーリーなのでしょうか。そしてこれは、天馬の嘆きなのでしょうか。
この曲は、オリジナルリリース盤とリマスター盤の歌詞の違いが、ファースト中一、二を争うほど
大きいです。リマスターの訳詞はオリジナル盤に準拠しているようなので、訳にも多少のズレが生じています。
ちなみにサムソンというのは、聖書に出てくる勇者で、サムソンとデリラの逸話で有名です。
(余談ですが、Freddieの愛猫デライラは、このデリラからとっているんですね。英語読みでデライラ。魔性の(悪)女、というイメージです。)
かなりファンタジックな詞ですが、その中でもMother Mercuryという言葉に、個人的に最も
不思議な印象を受けます。Mercuryというのはヘルメス神で、男の人ですから。水星を守護星と
していて、なおかつ女性名詞であらわされる、そんな国なのでしょうか。
MercuryはFreddieの芸名でもありますが、何か特別の思い入れでもあるのでしょうか。
(LiarにもMercury、でてますね。Mars To Mercury。火星から水星へ。象徴する意味でみると、
戦争から商業までですが)
ライアー
父よ、私は罪を犯しました
父なる神よ、私は罪を犯しました
どうか僕を助けてください
僕を(あなたの救いの国に)入らせてください
嘘つきめ!
ああ、誰も私を信じてくれません
嘘つきめ!
どうして、放っておいてくれないのでしょう
神よ、私は盗みを働きました
たくさん盗みを働きました
決してそうすべきではなかったと、わかっていても
怒りの声をあげたこともあります
嘘つきめ!
ああ、みんなが私をおとしいれようとします
嘘つきめ!
なぜ、私を放っておいてくれないのでしょうか
嘘つきめ!
私は海を渡ってきました
嘘つきめ!
火星から水星までも
嘘つきめ!
私はワインを飲みました
嘘つきめ!
何度も何度も繰り返し
嘘つきめ!
あなたは私に、嘘をついている
嘘つきめ!
ああ、あなたこそ、私に嘘を言っているじゃないですか
嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき!
嘘つきめ!
そう、みんなそう言い続けるんです
嘘つき、嘘つき、嘘つき、と
聞きなさい、ママ、聞くべきです
ママ、私はあなたの奴隷になります――1日中ずっと
ママ、私はお行儀よくするようにします――1日中ずっと
ママ、私はあなたの奴隷になります――1日中ずっと
あなたの最期の日まで、あなたに仕えます――1日中ずっと
あなたの最期の日まで、ずっとそばにいます――1日中ずっと
あなたの傍らにひざまずき、祈りをささげます――1日中ずっと
祈ります、一日中でも
祈ります、一日中ずっと
一日中でも、ずっと、ずっと――
嘘つき、嘘つきめ、
おまえに勝ち目なんか、ありはしない
嘘つき、嘘つきめ、
おまえのなすことは、すべて罪だ
嘘つきめ、
誰もおまえのことなど、信じはしない
嘘つきめ、
おまえが始める前に、みんなが引きずり落とすだろう
ああ、これだけは言わせてくれ
みんながおまえを死に追いやる前に
自分でその道を選ぶことも、できるのだと
これは、二人の話者がいると、私的には解釈しました。一人は、私は罪を犯したとか海を渡った
とか、ママに仕えますと言っている人で、もう一人がその人に、「嘘つけ!」と言っている
構図ではないかと。
つまり、この歌詞で歌われていることは、最後のヴァース以外、全部嘘だと言うことに
なりますね、この解釈だと。
ただ、本人は本気で悔い改めているのに、まわりは相変わらず「嘘つき!」と非難して、信じてくれないという解釈もあります。この場合だと、主人公かわいそう。
ちなみにキリスト教の教義が非常に色濃い西洋社会では、Liarというのは、日本語の「嘘つき」と言う以上に、強い非難を内包している言葉です。「おまえは主の前に罪を犯したのだぞ。天国へ行けないぞ」という含みがあり、言われたほうは、相当グサッとくる言葉です。
まあしかし、いくらなんでも、死んだほうがいいとまで言わなくとも、という感じですね、
最後のフレーズ。それだけ嘘は罪深いということなのでしょうか。
ザ・ナイト・カムズ・ダウン
僕が若かった頃、それは訪れた
僕は太陽が侵入してくるのがわかった
ルーシーはご機嫌で、僕もそうだった
目がくらむようなまぶしい世界を、内側に抱きかかえた
かつて僕はすべての人を信じることができた
誰でも、どんな人でもわかるだろう
ああ、夜の帳が下りていく
僕は道を見失うのが怖い
ああ、夜の帳が下りていく
また暗闇が訪れる
かつて僕は、どんな人とでも笑いあえた
かつては自分の中に、善なるものを見出すことができた
白と黒(善と悪)は、くっきりとしていて
内側に抱きかかえた世界は、色彩に染まっていった
でも今、僕の世界は灰色に色あせてしまった
誰も、わかってはくれない
でも、信じてくれ
ああ、夜の帳が下りていく
道を見失うのが怖い
ああ、夜の帳が下りていく
また暗闇が訪れる
これはドラッグソングだというのが一般的な説らしいです。Lucyとは、Beatlesの
「Lucy In The Sky With Diamond」のLucyと同じ意味で、LSDのことだそうです。
(この解釈は、Toshiyaさんに教えていただきました。ありがとうございました)
ドラッグやったことないんで(当たり前だ!)実感はわきませんが、トリップ状態と正気
(もしくは禁断症状)の狭間を行き来しているという感じでしょうか。
モダン・タイムズ・ロックンロール
流行遅れの陳腐なロックシーンで、何をするつもりだい?
古臭いバップはくたびれ果ててる、もうお払い箱にしようぜ
俺の言っていること、わかってるだろ?
'58年は素晴らしい時代だった
けど、もう終わっちまったんだ。それだけのことさ
もっとハードなやつが出てきたんだ
壁に穴をぶち抜くぐらいハードなやつがさ
あんたの心をわしづかみにして
10フィートの大男のような気分にさせてくれるぜ
このイカしたやつは、すぐやってくるだろうさ
そんなことがあるのか、あんたにはわからないだろうけれど
薄ら寒い、うんざりするような雨の午後、
お上品なジュークボックスは、何一つ熱くさせてはくれない
俺の音楽生活ときたら、
長ったらしい日曜学校の遠足みたいな気分にさせてくれる
あんたも知っているだろう
どんな奴でも使えるものが、ひとつだけあるって
俺の話を聞けよ、ベイビー
それがなんなのか、言わせてくれ
モダンタイムズ・ロックンロールさ
現代風のロックンロールだよ
ギターの形をしたハイヒールブーツを履いて
イカした服を着て
胸にはヘアピース
鼻にはリングなんてどうだい
「君を本物のビッグスターにしてやる」と言ってくれる
立派な小男を見つけてみなよ
目には、きらめく星
パンツの中には蟻、なんてね
自分は成功できると、思いこめ
このくだらない最低の世の中でも
みんなが知ることになるだろうさ
あんたが、なにものかということをね
気をつけな!
今風の、ロックンロールに
ロジャーの作です。今風の、と言っても、これ'73年作品ですし、作ったのはもっと前でしょうから、ここでいうモダンタイムス・ロックンロールとは、60年代末から70年くらいにかけてブレイクした音楽、ジミヘンやクリーム、レッド・ツェッペリン、そしてグラムロック――そんな感じでしょうか。
思えばこのアルバムが出た頃、そう言う先行してブレイクしたロックの要素をすべて詰め込んだのがQUEEN、と言われていたのが、象徴的です。
歌詞はなんとなく、自分を鼓舞しているように聞こえます。
「自分の信じたモダンタイムス・ロックンロールで、成功するんだ」と。
サン・アンド・ドーター
君がほしい
女として
息子と娘を、いっしょくたに演じようとして
君は言う。楽しみを求めるのに、
自分は、どんな男とも同等だと
さあ、それが当てはまらないとわかったら
君は驚くだろうか
世間が男に期待するのは
精一杯の力で、ことに当たれること
そして、汚れ役を引き受けられることさ
まだ始まったばかりなのに
君はどうやって愛情を示すつもりかい?
僕は君に、女になってもらいたいんだ
教師に、そして人のための漁師になろうとして
平等主義者の説教師は
我々はみな同じだと、君に吹き込むだろう
僕は世界中を旅し、
今にぴったりの、まったく新しい言葉を見つけたよ
過ぎ去った時を、ぐずぐず引きずっていないよう
気をつけるんだ
ごめんよ、僕は行かなければならない
君は天国について、どう考える?
もしそれが、かつて君がいた所にあったとしたら
僕は君に、女になってもらいたいんだ
君に女になってほしいんだよ
「僕は君に両刀使い(もしくは女役)になってほしい」という訳を、以前、とある私設ファンクラブの
会報でみかけたことがありますが、作者がBrianですから、その線は考えにくいかと・・^^;)
これはたぶん男勝りの、「女だって男と同じ人間、平等であるはずだわ」という、いわゆるフェミ
ニズムを信奉する女性に対して、恋人か思い人が、「でも、君は女なんだから」と言っている構図ではないかと、個人的には受け取っています。まあ、多少文脈の通らなくなるラインもあるのですが、
基本的には、その線ではと。
fisher of manというのは、聖書からの引用ですね。キリストがシモンとペテロ(だっけ?)の
兄弟に言った言葉、「あなたがたは、人々の釣り師となるがいい」。それで漁師だった二人は、
キリストの弟子になるのです。ということは、この言葉は「神に仕えること」と言う意味で、牧師を
指すのだろうと思います。
ジーザス
そしてそれから、私はかの人が群衆の中にいるのを見た
たくさんの人々が、かの人を取り巻いていた
乞食たちは叫び
ライ患者たちは、かの人を呼んでいた
老人はなにも言わず
ただ、かの人をじっと見つめていた
みな、神の子イエスに会うため、やってきた
みな、神の子イエスに会うため、やってきた
みなが、やってきた
それから一人の男が、かの人の前にやってきて、
その足元にひれふした
「不浄のものです」と、そのライ患者は叫び
そして望みのものを得た
その頭に、かの人の手が触れるのを感じた
「行くがよい。汝は新たな人間になったのだ」と
みな、神の子イエスに会うため、やってきた
みな、神の子イエスに会うため、やってきた
みなが、やってきた
それは3人の賢者が
星に導かれ、ベツレヘムへとやってきた時に始まった
たちまち、その知らせは国中に広まっていった
「人々を束ねるお方が、今お生まれになった」と
みな、神の子イエスに会うため、やってきた
みな、神の子イエスに会うため、やってきた
みなが、やってきた
ジーザスは、イエス・キリストのイエス、その英語読みですね。イエスというのは、当時のユダヤでは、わりとありふれた名前だったそうです。(今では恐れ多くて、つける人などいないでしょうが)キリストというのは、「救世主」と言う意味なんで、こちらのほうが重要らしいです。
この曲の歌詞は、もろに聖書が題材になっています。ご興味のある向きには、新約聖書の福音書、ヨハネ、マルコ、ルカ、マタイのどれかを読んでみると、「ああ!」と、一発で納得いくことと思います。
敬虔なクリスチャンでない限り、私たち日本人には、なかなか実感がないことなのですが、欧米に
おけるキリスト教は、文化のバックボーンとして存在していて、文学や音楽にも、多くの影響を与えているようです。ロックもしかり。
QUEENに限らず、たいていどのバンドでも一つや二つは、聖書の引用とか、聖書を背景に持った言いまわしが出てきます。(ただし、私の知っている限りですので、全部とは言えない)
Freddieはゾロアスター教徒だったそうですが、青年時代以降はイギリスに住んでいたわけですし、当然英国文化の影響は受けていると思います。ほかの3人はいうまでもなく、ですね。QUEENの宗教色は、このファーストアルバムが最大で、以降はだんだん感じなくなっていくのですが。
もうひとつ補足しますと、leperはらい病、今で言うハンセン病患者のことですが、紀元前から
「不浄の病」と、されていたようです。永い長い間、病以上にそういう偏見に苦しんだことは、
不幸な歴史ですが、イエスはすでにこの時、救いの手を差し伸べていたわけですね。
輝ける七つの海
インストルメンタル
個人的レビュー
衝撃のデビュー作。ZEPやグラムロックの影響を受けながら、それを完全に自らのものとして、独特の様式美を開花させた。デビュー作にして、この完成度。ただものではない! イギリスでは当事酷評されたようですが、なぜこの凄さがわからなかったのでしょう?
学校時代バンドをやっていた頃、いわゆる『ロック通』の先輩たちが『QUEENはファーストが一番いい』と言っていたのは、たぶんこのアルバムが一番ハードロックしていて、なおかつブリティッシュ・ロックの様式美を受け継いでいるためでしょう。
私個人的には、『GREAT KING RAT』から『LIAR』までの流れが大好きです。まさしく秀逸! 形式にはまらず、息もつかせぬ勢いで、次から次へと新展開を迎える曲の構成は、この頃からすでに出来ていたのでした。
個人的ベスト3
- LIAR
- GREAT KING RAT
- MY FAIRY KING
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