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ところで「悪魔の代弁者」って何のことか知ってますか?(webからの引用ですが・・)

――― カトリック教では或る故人を聖列に加える際に、誰かが「悪魔の代弁者」として指名されて、その人が故人を可能な限り非難する。それでもやはり偉大な人物であることが示されれば、晴れて聖人になれるそうだ。「列聖調査審問検事」とも訳される。転じて、論争などであえて反論を唱える人もこう呼ばれることがある。

 ミルは、不寛容で知られるカトリックでさえも、ある人が偉大な人物であったかどうかを確かめるためには、非難を一切封じるのではなく、かえってあらゆる非難を論駁することが最善の手段と考えているという例を挙げ、 言論の自由の重要性を説いている。―――

 

 又こういう使い方もされます。

「人は細かく指示されることを嫌います。自主性にまかされるほうが気持ちよく仕事ができます。とりわけ、エキスパート(と自分で思っている?)ほどそうです。しかし、事、安全に関しては、そこは目をつぶって頑張るしかありません。安全を考えるひと(また担当者)は、いわば、悪魔の代弁者(安全についてうるさく言う人)になる必要があります」(海保博之「ヒューマンエラー低減のための心理学からの提言」より)

 

あまりむやみやたらとやると嫌われるので注意が必要、というのですが・・

 

1.「アサーティブコミュニケーション」

  アサーティブコミュニケーションの普及を目指すアサーティブジャパンのページ。

 少し進んだ医療機関は「接遇ばかりの院内コミュニケーション教育」(ある看護婦さんの言)でなくアサーションに取り組んでいる。

 

「アサーション」というのはJASCRMでは(安全のために)(上司や同僚の)「誤りを指摘すること」と定義している。(言いやすいことだけ、言いたいことだけでなく)「言わなければならないことをちゃんと言うためにどうするか?」ということだ。また、「誤りを指摘」できなくとも「インクワイアリー」という「確認のための質問」もある(詳しくは昨年のCRMランチョンセミナーの資料を)。また、指摘された側の対応も冷静に!だ。この点は、「コンフリクト・リソリューション」として(同資料に)まとめられている。こうしたことが日常的に出来る組織になると「事故防止」というある意味で消極的な価値でなく「問題解決能力」の高いチームがつくられるというのだ。

 

 などとかいていたら78日に看護協会が女子医大事件をうけて「noといえる看護師」運動を開始したそうだ。「法制化も」といっている。

 結局アサーティブであろう、ということなのだろうが・・・記事は看護師は常に善で被害者で医師は悪、という書き方が気になる。看護協会のトップはこんな感じなのかなー。

 「NOといえる」ためには法律でなく、(安全のために医者に対抗できる)「知識」や「倫理観」がなければ、単なる「内部告発のすすめ」になってしまうのでは?

 参考 アサーティブトレーニング

 

2.患者さんから見た医療過誤を防ぐ20の心得

  事故に遭わないためには患者自身がまず「自分の治療チームの一員になりなさい」「自分で決定しなさい」と。

 そういえば、当直していると、電話で自分の病名をちゃんと言える患者さんは何%いるかなー。

 「self monitor」で忘れられ「team monitor」でも見落とされたら、患者自身の「 patient monitor」は最後の砦だ!

 医療者と患者のコミュニケーションとしても「看護婦さん、いつものクスリと違うんだけど・・」とか「血型違ってるよ」などといってもらえる関係ができるといい。医療者側から見ると安全のために「もっと患者を使え!」ということだ。

 このことは本来のインフォームドコンセントとも合致している。

「インフォームド・コンセントとは患者と治療のゴールを共有し、そのゴールを達成するために患者と共同で治療プランを作成するプロセス」だからだ。決して「○○のための説明と同意」などではない。

 

3.リスボン宣言

  患者の権利に関する世界医師会リスボン宣言
  1981年9月/10月ポルトガル・リスボンにおける世界医師会第34回総会で採択
  1995年9月インドネシア・バリにおける同第47回総会にて改訂  (なぜか日本医師会は採択拒否)

 思ってもいないのに「患者様」と呼んだり(おっとっと、「お呼びしたり」だ)、そのあとにそのレベルの言葉が続かなくて「おかしな日本語」になってしまったり、なにか後ろめたく思ったりしているよりも、患者さんの本当の権利とはどういうことか、を考えたほうがいい。「○○さま」と呼ばれて「気分をよくさせる」のがそれではないだろう。具体的に医療従事者として患者さんの当然の権利を尊重しようというのがこの宣言だ。たとえば「当院はリスボン宣言を尊重します」とか「わたしはこの宣言の実現に努力します」なんていうほうがかっこうもいい。全部でなくとも「病院としてセカンドオピニオンに協力します」だけでもいい。

 

4.紹介「会議の技法」(中公新書 2000

 どんな組織でも「会議」はあるが、当院は特に「多い」のでは? この本では 決して当院のことだと言っているわけではないのだが・・・。

  問題点

     会議の目的ないしねらいがはっきりしていない。

     メモを回すだけで十分なのに、わざわざ会議を設けて報告している。

     主旨説明の時間が大半を占め、自由闊達な話し合いの時間を設けていない。

     結論はすでにあるにもかかわらず、会議の場で決定したかのように見せ掛けるために会議を開催する場合がある。

     物事の決定の仕方がはっきりしない。確認がとられない。その場で何が決まったのかわからないことすらある。

     少数の人が会議を独占している。

     発言しない人、私語をする人、批判だけする人、人を笑い者にする人がいる。

     会議のもち方が形式的で柔軟性がなく、創造性を駆り立てる形態になっていない。

     時間通りに始まらない。終わらない。遅く来る人や早く帰る人がいる。

     会議の決定決定内容を実践する人が出席していないことがある。

     しっかりした進行が行われないので、話が横道にそれたり、くり返しが多い。

     楽しくない。雰囲気が重々しく、参加すること自体を避ける風潮がある。

もう一つ追加させてもらうと 「全員一致の会議は危ない」

5.失敗ドットコム 一昨年からはやりの「失敗学」(畑村洋太郎)よりも先に始まっていたサイト。

   『学会や、研究会などで、成功事例ばかりが取り上げられすぎている』「世の中にはサクセススストーリーがあふれている」そんなものは

  本当の情報ではない、と このサイトは「失敗」という名の本当の情報を考える。

  それにしても「失敗学のすすめ」「失敗学の法則」「失敗を生かす仕事術」はおもしろい。

 

6.評価の疑問http://www2u.biglobe.ne.jp/~kana_/index.htm

  一部を除いて、みんなもう嫌になっている人事考課制度のサイト。

 人の評価は「難しいから」「客観的に」(みえるように)「形式ととのえて」とならないように。

「(人事考課をすれば)職員のモチベーションが上がって、優れた人が評価され(ダメな人が「ダメといわれ」)、もって(貴社の)業績の向上は

間違いなし」と「業者」は言うのだろうが・・・・・・とりあえず現時点では逆に、職員の「モチベーション」は下がっている。

 とりあえず考課者テストでもしてみますか?

 

7.医療コミュニケーション教育研究会

医療コミュニケーション薫陶塾の講演記録。いかに医療者であるわれわれがコミュニケーションができていないかわかる。

なんだかんだいって米国も同じらしいが