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柳広司の本棚

  1. 贋作「坊ちゃん」殺人事件
  2. ジョーカー・ゲーム
  3. トーキョー・プリズン
  4. ダブル・ジョーカー
  5. キング&クイーン
  6. ロマンス
  7. 怪談
  8. パラダイス・ロスト
  9. ナイト&シャドウ
  10. ラスト・ワルツ
  11. 柳屋商店開店中

贋作「坊ちゃん」殺人事件  ☆ 集英社文庫
 夏目漱石の「坊ちゃん」といえば誰でもその題名は知っている話でしょう。僕自身も中学生の頃読んだ記憶があります。夏目漱石の著作の中で心に残った作品といえば、「こころ」「三四郎」「門」の三部作が一番ですが、それらの作品よりも“坊っちゃん”は非常に読みやすかったという印象があります。
 柳さんの手によるこの作品は、坊ちゃんが東京に帰って3年後から始まります。偶然(?)山嵐とあった坊ちゃんは、赤シャツが自殺したと聞き、二人でその真相を探りに四国に戻ります。
 あの「坊ちゃん」が柳さんの手によって、ミステリ小説となりました。原作では、江戸っ子の“坊ちゃん”の四国の田舎町での破天荒な活躍がおもしろかったのですが、この作品では、実はその裏にはその時代を反映するようなできごとがあったというのですから驚きです。 赤シャツ殺害の犯人は読んでいれば予想がつくのですが、その動機にはうなってしまいます。夏目漱石の青春小説が社会派ミステリになってしまいました。解説を読むと、柳さんは、そのために意図的に物語の時代を10年ほどずらしているようです。ただし、ミステリになっても、文章の雰囲気は原作の“坊っちゃん”そのものです。柳さんの筆力は素晴らしいものがあります。
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ジョーカー・ゲーム  ☆ 角川書店
 第二次世界大戦前夜、“魔王”と渾名される結城中佐の発案で陸軍内に儲けられたスパイ養成機関“D機関”を巡る男たちを描いた連作短編集です。
 「本の雑誌」の書評欄で北上次郎さんが後日紹介ということで絶賛していた作品です。当時の時代背景の中で、「殺人及び自死は最悪の選択肢」等々陸軍のルールとは異なるルールを持ったD機関を描くことで非常におもしろい作品に仕上がっています(ただ、今年ナンバー1というのは大げさかなというのが正直な感想ですが。)。
 作品はD機関の紹介を兼ねたというべき「ジョーカー・ゲーム」をはじめとする5編からなりますが、登場人物は結城中佐を除いてはそれぞれ別人です。1編1編がそれほど長くなく、さらっと読むことができてしまうせいか、逆に得意なキャラクターである結城中佐についても表面的な部分しか描かれていない嫌いがあるのが残念です。
 5編の中でのマイベストは表題作の「ジョーカー・ゲーム」でしょうか。陸軍軍人には見えないものが、D機関員には見えるという種明かしが、なるほどなあと唸らされてしまいます。
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トーキョー・プリズン  ☆ 角川文庫
 昨年の「このミス」で第2位になった「ジョーカー・ゲーム」が評判だった柳さんの文庫化作品、東京裁判の戦犯が収容されていた巣鴨プリズンを舞台にしたミステリです。
 行方不明の友人を探しに日本に来た私立探偵のエドワード・フェアフィールドは、捕虜虐待の罪で収容されているキジマと出会う。彼は、強盗に襲われ頭を殴られたことで戦争中の記憶を失っていた。ゲーリングの自殺の謎を解いたキジマに対し、巣鴨プリズンの副所長は刑務所内の密室殺人事件の謎を解く代わりに記憶が戻る手助けをすると約束し、その手助けを友人の行方の手掛かりと引き換えにフェアフィールドに命じる。
 ストーリーは、木島の婚約者であるキョウコとその兄とともにキジマの無実を調査する部分と、巣鴨プリズンの中で起きた殺人事件の謎を追う部分が並行して描かれます。
 「ジョーカー・ゲーム」でも結城中佐という特色あるキャラクターが登場しましたが、この作品に登場するキジマも結城中佐に匹敵する特異なキャラクターです。ホームズばりに、人を見ただけでその人の人となりを見事に当ててしまうというキジマのキャラクターがこの作品をおもしろくしています。
 キジマに対する告発が、文化の異なることからによる誤解であるとキョウコは推理します。実際に、戦後の東京裁判の中にはこういったことがあったかもしれません。自分とは異なる文化を理解するということは簡単にはいきませんし、ましてや戦勝国による、早く戦犯を罰したいという意図もあったでしょうからキョウコの推理は説得力ありましたね。
 また、柳さんは登場人物たちの口を借りて、民主主義や天皇制ということにも言及しています。このあたり単なる謎解きミステリに終わらず、様々なことを読者に考えさせます。
 もちろん、ミステリとしても十分読ませます。真相が二転三転、ラストの予想を反した幕切れにはびっくりです。
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ダブル・ジョーカー  ☆ 角川書店
 2009年度版「このミス」で国内編の第2位に選ばれた「ジョーカー・ゲーム」の続編です。
 「殺人、及び自決は、スパイにとっては最悪の選択肢だ」という当時の軍隊とはまったく異なった価値観を持った結城中佐率いる“D機関”の活躍を描く第二弾です。このシリーズがおもしろいのは、この価値観が、当時の世界情勢の中ではありえないのに、それを信条とするD機関員たちが活躍するところにあるといえるでしょう。
 収録作は、結城中佐率いるD機関に対抗して陸軍部内に新たに設置された“風機関”と“D機関”との諜報活動の攻防を描いた表題作の「ダブル・ジョーカー」、軍内部のロシアスパイが慰問団の中に紛れ込んでいるすぱい・ハンターを暴き出そうとする「蠅の王」、軍に徴用された無線技師が暗合電文絡みの陰謀劇に巻き込まれる「仏印作戦」、ベルリン郊外で起きた列車事故を機にナチス情報部大佐が第一次世界大戦下での「魔術師」と呼ばれた日本人スパイとの対決を思い出す「柩」、米本国に潜入して民間人としてスパイ活動を行っていたD機関員を描く「ブラックバード」の5編です。
 今回、D機関員が直接話の表面に出てくるのは最後の「ブラックバード」だけで、後の作品はD機関員以外の者によって、結城中佐らD機関員の鮮やかな活躍が語られていきます。しかしながら、(「ダブル・ジョーカー」以外直接)登場しないまでもD機関員の後ろにいる結城中佐の圧倒的な存在感が感じられます。
 5編の中で一番印象的だったのは「柩」です。第一次世界大戦時にヨーロッパで活動していた結城中佐が描かれています。そしてなぜ現在結城が左手に革手袋をはめ、片足を引きずっているかの謎が明かされます。非常に興味深い1作です。
 「躊躇なく殺せ」「潔く死ね」をたたき込まれた“風機関”との戦いを描く表題作もおもしろいです。陸大出のエリート意識をプンプンさせた、風機関を率いる風戸が自らの正体を思わぬ人物に見抜かれるというスパイにあらぬ失態が明らかになるのが愉快です。
 スパイが見えない存在であり続けることができなくなった「ブラックバード」以後、さて、D機関はどうなるのか。シリーズ第3作は書かれるのでしょうか。
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キング&クイーン 講談社
 元SPの冬木安奈の元に、元チェスの世界チャンピオン、アンディ・ウォーカーをアメリカ大統領から護ってもらいたいという依頼が持ち込まれる。アンディと依頼人の蓮花を連れての逃避行が所々にアンディの生い立ちの話を挟みながら描かれていきます。
 「ジョーカーゲーム」では"魔王"と呼ばれる結城中佐という魅力的なキャラを生み出しましたが、今作でも、新たなヒロインが誕生します。大いに期待したのですが、細身の引き締まった体つき、笑顔が苦手な古武術に秀でた女性というキャラクターは、こうした物語のヒロインとしてはどこにもいそうなキャラです。彼女がSPとなった理由やSPを辞めた理由も描かれますが、これまた、同じような話がありそうで、正直のところ、魅力を感じられるほどのキャラとはなっていません。また、彼女の力となる彼女の元上司の北出にしろ首藤にしろ、人物造形に深みが感じられず、印象的なキャラとはなっていません。
 サスペンスものにしては、手に汗握るというほどでもなく、う〜ん、何だか山も谷もない作品だなあと読み進めたところで、ラストに驚きの事実が待っていました。最後に読者をビックリさせる仕掛けをさりげなく仕込んでいるところが、柳さんらしいところでしょうか。すっかり、騙されていました。「キング&クイーン」の題名に込められた意味はここにあったのですね。
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ロマンス 文藝春秋
 ジョーカー・ゲーム同様、戦争の色濃くなってきた昭和初期を舞台にした作品です。
 主人公は、若き子爵の麻倉清彬。華族ではあるが、祖母がロシア人のため、当時としては非常に微妙な立場の人物です。その上、両親はフランスで放蕩三昧の末に交通事故死し、清彬は両親の借金の形に取られて、幼い頃を荒くれ者たちと暮らすという波乱の人生を送っています。ある日、清彬は友人の伯爵家の長男・多岐川にかけられた殺人の疑いを晴らすが・・・。
 太平洋戦争に突入する直前の暗い世相の中で、殺人事件や多岐川の妹・万里子が関わった華族の赤化事件が描かれていきます。殺人事件の動機は何かはこの作品のテーマに関わってくるのですが、ただ単に犯人探しのミステリというよりは、題名のとおりロマンスの話がこの作品の中心といっていいでしょう。殺人事件の犯人が浮かび上がるとともに、題名の“ロマンス”が、清彬の万里子への想いだけではなく、こういうことだったのか(ネタばれになるので伏せます)ということが明らかになります。でもここは、多くの読者が清彬の謎解き以前に事実を予想できてしまうのではないでしょうか。ちょっと残念なところです。
 華族という今はない身分で、特異な人生を歩んできた清彬はそれなりに印象的なのですが、彼を取り巻くキャラの造型が清彬に比較して印象が薄い感じがします。特に特高の黒崎はもっと強烈なキャラクターの方がよかったのでは。
 ラストにある事実が記されますが、このことは事件の悲しさをいっそう引き立たせます。この当たり、柳さん、うまいです。
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怪談 光文社
 小泉八雲こと、ラフカディオ・ハーンが著わした「怪談」に触発されて、柳さんが書き下ろした短編集です。「雪女」「ろくろ首」「むじな」「食人鬼」「鏡と鐘」1耳なし芳―」の6編からなります。もちろん、単に物語の舞台を現代に移しただけではありません。どれも柳さんなりの捻りを効かした作品となっています。
 冒頭の「雪女」は誰もがよく知っている話ですが、ミステリーでもあって、これは原作と最も異なる話になっているのではないでしょうか(「食人鬼」と「鏡と鐘」は内容を知らないので何とも言えないのですが)。ここでは、恐いのは“雪女”ではありません。
 「むじな」といえば、のっぺらぼうですが、この話は怪談にはお決まりのあるパターンを使った話となっています。それにしても、男って馬鹿ですね(優しすぎるのかな)。
 「耳なし芳―」は、ここでは琵琶法師ではなく、ビジュアル系バンドのボーカルです。話の展開は同じですが、奏でるのは平家物語ではなく、“ダンノウラ”です。ちょっと笑ってしまいます。「ろくろ首」と「鏡と鐘」は、この作品集の中ではミステリー色が強い作品となっています。どちらも最後にはホラーで落としていますが。「食人鬼」は、この中では一番正統な怪談といっていい話でした。
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パラダイス・ロスト 角川書店
 “魔王”と呼ばれる結城中佐率いるD機関のスパイたちの活躍を描く、4話が収録されたシリーズ第3弾です。
 シリーズファンとして一番おもしろく読んだのは、「追跡」です。この作品集でもD機関員の異能ぶりは遺憾なく発揮されていますが、シリーズ当初に比べると、そのインパクトは弱くなっている気がします。そんなことを考える読者がいると柳さんも思ったのでしょうか、今回この作品集に収録されたのは、結城の過去を英国タイムズ紙の特派員が暴こうとする話です。シリーズファンには結城の過去が暴かれるなんてたまりません。果たして「魔王」と呼ばれた結城の過去には何かあったのか。彼の正体が明らかになるのか?とドキドキしながらページを繰っていきました。その結果は・・・(ネタばれになるのでここまでです。)。
 「誤算」は、ドイツ兵に撃たれる寸前の老婆を助けようとして頭を殴られたため、一時的な記憶喪失になったD機関員の話です。彼の目的は何か。そして記憶を失った彼が目的を果たせるのか。まさしく異能というべきD機関員の能力が発揮されます。ありえないでしょう?と言いたくなってしまいますが、だからこそ異能なんでしょうね。
 「失楽園」は、主人公が米海軍士官。彼は、愛する女性が殺人事件の容疑者として逮捕されたことから、事件の真相を明らかにしようとします。D機関員はどこに登場しているんだと思ったら、実は・・・というところが最後に明らかにされます。D機関員ならではの深謀遠慮です。
 前後編に分かれた「暗号名ケルベロス」は、前半終盤までは目本に潜入しようとする英国スパイと、それを阻止しようとするD機関員の戦いを描くものと思いましたが、思わぬ方向へ話が進みます。そのため、ちょっと当初の予想が裏切られる展開になります。そこに至ってようやく冒頭の2ページの意味がわかるのですが、できれば英国スパイとの頭脳合戦といきたかったですね。
 余談ですが、D機関員のような強烈な自負心の持ち主は人間的には好きになれそうもないです。
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ナイト&シャドウ 講談社
 警視庁からシークレッドサービスの警護技術を学ぶためにアメリカに派遣されたSPの首藤。その初日、銃規制を求めるデモに遭遇した首藤は、突如人質を取って暴れ出した男を制圧し、人質の幼女を救出する。しかし、その現場に大統領暗殺計画を示唆する写真が残されていたことから、彼は大統領暗殺事件の渦中に巻き込まれていくこととなる・・・。
 主人公・首藤がカッコよすぎます。寡黙で表情を変えない、SPという職についていればこうでなくてはいけないかもしれませんが、ちょっと極端すぎる嫌いがあります。ラストシーンで、本心を隠して何も言わず、女性にほほを張られるなんて、まさしくイメージでいうと高倉健さん、日本のサムライですよね。
 相棒となるのが、ミスの責任を問われ、大統領警護から外され窓際族となっているバーンズ。首藤を下に見ていたバーンズが、しだいに彼の実力を目の当たりにして彼を認めるようになり、いいコンビとなっていくのはよくあるパターン。
 “驚愕のラスト”も今の世界情勢の中では絵空事だとは言えませんが、であれば、逆に個人としての首藤に、たとえバーンズの助力があったとしても、事件を未然に防ぐことは無理だとは思いますが。だって、相手が相手ですからね。
 書評家の絶賛の嵐の作品ですが、僕としてはそれほど強い印象を持つことはできませんでした。
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ラスト・ワルツ  ☆   角川書店
  「ジョーカー・ゲーム」シリーズ第4弾です。2編の短編と1編の中編が収録されています。
 冒頭の「アジア・エクスプレス」は、満鉄の特急列車の中でのソ連の秘密諜報機関「スメルシュ」のスパイとD機関員・瀬戸との戦いを描きます。瀬戸が接触しようとした情報提供者を殺したスパイは、いったいどこにいるのか。列車内という閉ざされた空間の中での緊迫した状況が描かれていきます。最後はちょっと柳さんに読者はミスリードさせられますね。
 「舞踏会の夜」は、陸軍中将を夫に持つ侯爵家出身の夫人・顕子の語りで、米国大使館で行われた舞踏会のー夜を描きます。20年前の夜、身の危険を救ってくれた男との約束、「私と踊ってほしい」を思い出す顕子の想いと舞踏会を舞台に繰り広げられる情報戦が交錯します。久しぶりに結城が登場する作品です。題名の「ラスト・ワルツ」はこの作品にちなんでつけられたものでしょうか。
 ラストに置かれた中編の「ワルキューレ」は、日独防共協定が締結されながらも、ドイツはソ連との不可侵条約を結ぶという不可思議な政治情勢の中でのベルリンを舞台にします。
 日本大使館の大使館室に現れる幽霊の謎が、ドイツで映画製作に携わる日本人の映画スター・逸見、表向きは改築中の日本大使館の内装をするためにやってきた、実はスパイの雪村、ナチスのプロパガンダに大きな貢献をした宣伝相のゲッペルスの関わりの中で思わぬ方向へと進んでいきます。
 ラストの雪村ともう一人のスパイとの駆け引きは読みどころですし、明らかにされる雪村の本当の任務にはびっくりです。冒頭に置かれたスリリングな脱出劇があとあとの伏線となっているのも見事です。当時の日本の情勢を分析する雪村の話も、いかにもそんなことがあるのかもと読むことができました。3編の中で一番のオススメです。
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柳屋商店開店中  原書房 
 柳広司さんの単行本未収録小説やエッセイを収録した作品集となっています。
 収録されている小説作品は、コナン・ドイルのホームズものの1編「バスカヴィルの犬」のパスティーシュ「バスカヴィルの犬(分家編)」、芥川龍之介の「鼻」と太宰治の「走れメロス」のそれぞれのパスティーシュ作品、ジョーカーゲームシリーズの1編「シガレット・コード」、中国古典に題材を取った「策士二人」と「蚕食」、未収録というよりそもそもボツ原稿であった「竹取物語」と「月光伝」、柳さんには珍しく少年が主人公の「スーパー・スタジアム」の様々なジャンルの9作品。
 その中で、「シガレット・コード」は、JTから「作中に“一服ひろば”の文言を入れてください」との条件で依頼されて書かれた作品です。同じようにJTの企画で書かれた短編集が、すでに「サイドストーリーズ」(角川文庫)という題名で刊行されています。柳さんの“一服ひろば”は、そのままストレートには作品中に書かれていません。それを探すのもちょっと楽しいです。
 ボツになった2作品のうち、「竹取物語」は、ラストの1行を読むとわかるように、これはもう落語のオチですね。編集者がボツにしたのも仕方ないかなぁという感じです。もう一つのボツ作品である「月光伝」は、編集者から「ファンタジー風のもの」という依頼でデビュー前に執筆したものを出したけどボツになったそうですが、これは結構SF的で僕自身は楽しめました。
 そのほか、エッセイは、「自作紹介」に、「おすすめ」と題された柳さんのオススメの映画、音楽、本の紹介(映画の「アマデウス」、「ビッグ・フィッシュ」にグレン・グールドの「ゴールドベルグ変奏曲」がオススメなのは趣味が同じで嬉しい)、単行本、文庫本のあとがきとして柳さん自身が書かれたものを集めた「あとがき」、「こんなことも」と題された種々雑多なエッセイに、最後は「柳広司を創った「13」」と題されたエッセイが掲載されています。何らの統一感はありませんが、柳広司さんのファンにとっては楽しい作品集です。 
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