第46回江戸川乱歩賞受賞作品。
連続爆弾魔のアジトで共犯者として逮捕された鈴木一郎と名乗る男。精神鑑定のため病院に収容されたが、鑑定の結果、全く感情の欠落した人間であることが判明した・・・。
精神医学の知識のない僕にとっては、こうした感情のない、痛みも感じない、そのうえ人間離れした肉体的能力を有するロボットのような人間が実際に存在しうるのかは分からないが、この作品を読むと、そうなのかと納得してしまうほどきちんと書かれている。この主人公のキャラクターによってこの作品が成功したと言えるだろう。
クライマックスはアッと思わせてくれる結果であったし、ストーリーとしてもとてもおもしろく読むことができた。この終わり方なら、続きがあるかなと期待したが、その後続編は書かれていないのは残念である。→その後、続編が書かれました。 |