植物状態の患者を持つ人々のネットワークの中で奇跡を起こす人物として噂される“ハヤブサ”。一方奇妙な児童誘拐事件の中で浮かび上がってきた“ハヤブサ”という人物。二つの全く関係のないと思われるできごとのなかで現れた“ハヤブサ”は同一人物なのか。様々な出来事がジグソーパズルのようにあるべき場所に収まっていき、そして、現れてきた真実とは・・・。
初めて読むメフィスト賞作家小路さんの作品です。ジャンルとすればファンタジーでしょうか。帯に書かれた「〈見えざる力〉で繋がった者たちの友情と勇気の物語」ということばに惹かれて購入してしまいました。
二つの話にかかわる「ハヤブサ」の正体が明らかになるところから、物語は急展開を迎えます。ラストは予想どおりになるのですが、最近の荒んだ世の中を見ていると、こういう話も素直に感動したいと思うこの頃です。主人公の子供たちの心意気に声援を送ってしまいます。子供たちにも十分読むことができる作品ですので、図書館においてほしいですね。 |