建築探偵シリーズ番外編。薬師寺香澄こと蒼が高校三年生の時の事件を描いたものです。夏休みの登校日の夕方、校舎内で身元のわからない男の死体が発見されます。死体には学校の購買部で売っているナイフが刺さっていました。犯人は自分たちの中の誰かなのか。思わぬことから校舎内に閉じこめられてしまった蒼たち男女15人の高校生は、自らの手で真相を解明しようとします。果たして高校生たちの前に現れる真実とは・・・。
建築探偵シリーズは「未明の家」と「灰色の砦」を持っているのですが、積読ままになっているため、これが初めて読んだ作品です。物語にはシリーズの主役である桜井京介は登場せず、そのうえ、語り手は薬師寺香澄の同級生・結城翳で、蒼は15人の1人に過ぎません。どうもこういう"青春もの"には惹かれてしまうので、最初に読んでしまいましたが、シリーズを読んでいなくても十分楽しめます。もちろん、読んでいれば、今の蒼と比較ができて、より楽しめるのでしょうが。 |