校長、お電話です! | 双葉社 |
初めて読んだ佐川作品です。 柴山緑郎は曾祖父の代から校長の家に生まれ、名校長といわれた父に続き、47歳の若さで中学校の校長となり、生まれた町の百瀬中学校に赴任する。そこは3月まで市長が任命した教育評論家が校長を務めていたが、その強権的な学校運営に生徒たちが反発し、校舎のガラスを割るなど毎週のようにパトカーが来る荒れた学校となっていた。柴山は学校立て直しのために抜擢されたが・・・。 曾祖父から父まで3代続けて校長、自分も最年少タイ記録での校長就任といういわゆるエリートでありながら、学校という狭い社会だけしか知らない視野の狭い教師ではないという、こんな先生いたらいいなあと思うような教師が主人公です。爽やかなようですが、若い頃から管理職になることを目指すという、そこは意欲的な人物でもあります。 学校のガラスを割りまくった生徒も、実はそんな悪い生徒ではなく、すぐに柴山に懐いてしまうという設定に、教師の読者の人はどう思うでしょう。こんな簡単にいくなら教師は苦労しないと思う人もいるのでは。ちょっと現実味に乏しい話ですが、めでたしめでたしで終わるので読後感は爽やかです。 |
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