2006年の本屋大賞を受賞した作品です。書店員さんたちがその年一番読んでもらいたいと選んだ作品なので、誰が読んでも「いい本読んだなぁ」と思わせてくれる作品です。
作者であるリリー・フランキーさんがその母、そして父との繋がりを描いた作品です(題名どおりほとんどは作者と母とのことで、父のことはほんの少しです。)。
夫と別居し、一人で息子を育て、自堕落な生活をする息子を怒らずに、常に自分のことより息子のことを一番に考える母の姿は、子を持つ親としてはつい自分に身を置き換えて共感してしまいます。母の日記の中に挟みこまれていた紙に書かれた文章は、まさに子を持つ母親の気持ちを表したものですね。自分が子どもの頃は、親の気持ちも知らずに、口うるさいと反抗していましたが、親と同じ歳になって初めて、あの頃の父や母の気持ちがわかるようになりました。
自分が親の年齢になったからではありませんが、多くの若い人にも読んでもらいたいなと思う作品です。親子のあり方を考えさせてくれる作品です。今更おすすめでもないでしょうが、素敵な作品です。 |