数十年ぶりの大雪の中、女の子が誘拐されます。誘拐された子は汚職事件の渦中にある大物政治家の孫娘。家には犯人によって盗聴器が仕掛けられており、警察には連絡をとることができません。母親は隣家へと手紙を投げいれ、通報を受けた警察は隣家へと入ります。しかし、盗聴器のため警察も身動きが取れません。
前日に起きている動物の失踪事件との関係など、話は思わぬ様相を見せ、二転、三転します。最後には僕には予想もつかなかった結末を迎えます。さすが連城さん、単純な謎解きというわけではありませんでした。
(ちょっとネタばれあり)
本の帯に書かれた『自宅が「檻」になる』は、ちょっと書きすぎという気がします。僕自身は気にも止めませんでしたが、勘がいい人には、話の筋がわかってしまうのではないでしょうか。
また、犯人はそれまでの生き方からすると、ああした事件を考えるほどの能力を持った人なのかそれだけはちょっと疑問です。 |