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大沢在昌の本棚

  1. 新宿鮫
  2. 毒猿 新宿鮫U
  3. 雪蛍
  4. 心では重すぎる
  5. 標的走路
  6. 感傷の街角
  7. 狼花 新宿鮫\
  8. B・D・T[掟の街]
  9. 鏡の顔
  10. 影絵の騎士
  11. 絆回廊 新宿鮫]
  12. 鮫島の貌 新宿鮫短編集
  13. 覆面作家
  14. 帰去来
  15. 暗約領域 新宿鮫]T

新宿鮫  ☆ カッパ・ノベルス
 新宿鮫シリーズの記念すべき第1作。新宿という街の悪に一人立ち向かう刑事・鮫島。犯罪者たちは恐れをこめ彼のことを「新宿鮫」と呼ぶ。新宿で警官射殺事件が発生。連続する警官殺しに沸騰する署内の中で銃密造の天才木津にこだわり孤立する鮫島。キャリア警官でありながら警部に留まっている理由は?「このミステリーがすごい」90年度第1位ということで、初めて読んだ大沢作品であったが、いっぺんではまってしまった。果たして現実的にこんなキャリア警官がいるかとは思うけど・・・。まあ小説というのはそれでいいのだ。
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毒猿 新宿鮫U  ☆ カッパ・ノベルス
 新宿鮫シリーズ第2作です。今回は台湾から来た毒猿と呼ばれる殺し屋と鮫島との戦いを描いています。
 このシリーズの魅力はキャリアでありながら警察という大きな組織のなかで孤立して生きる鮫島の魅力に尽きるわけですが、僕としては、鮫島があまりにスーパーマンであって欲しくはないという気がします。組織というのは巨大で力があります。その前では個人の力などどうにもならないのが本当です。それに対し、挫折しそうになり、傷つきながらも対抗していく姿がエリートではない一般のサラリーマンの共感を呼ぶのです。あまりに何をするにも簡単にできてしまうのであれば、結局僕らとは違うんだなということになってしまいますからね。
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雪蛍  ☆ 講談社
 久しぶりの佐久間公シリーズ作品。前作まで主人公佐久間公は弁護士事務所の調査課で失踪人探しを担当している20代の青年であった。この作品ではそれから時が経ち、中年となった佐久間は弁護士事務所を辞め、友人が理事長を務める薬物依存者のための更正施設の運営に携わっていた。だが、友人の依頼で失踪したある実業家の娘の捜索を始める。佐久間の「探偵は職業ではない。生き方だ。」という言葉が胸を打つ。年齢が上がったためか、それまでの「僕」が「わたし」へと表現が変わっている。僕はこの作品から佐久間公シリーズを遡って読み始めたが、できれば「僕」の時代から読み進めていく方が楽しめるだろう。
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心では重すぎる  ☆ 文藝春秋
 前作で私立探偵業を再会した佐久間公復活第二弾である。第19回日本冒険小説協会賞受賞作。佐久間が今回受けた依頼はかつて絶大な人気を誇った漫画家の捜索である。一方、佐久間が関わる薬物依存者の更正施設では一人の少年がある少女の精神的支配を受け、不安定な状態となっていた。この二つの関係などないようにみえたことがいつか同じ道へと繋がっていく。前作「雪蛍」でそうであったように、すでに20代を過ぎ、若者と同じ気持ちを持ちえた「僕」の時代から中年の域に達した「わたし」へと変わった佐久間が描かれている。しかし、相変わらず、かっこよすぎるなあ。1200枚の大作であるが、一気に読んでしまった。佐久間公シリーズの最高傑作。
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標的走路 文藝春秋
  佐久間公シリーズ第1作である(発表作品としては、第1回小説推理新人賞を受賞した「感傷の街角」の方が先)。公が産油国ラクールからきた留学生を探して事件に巻き込まれるなかで、公の車に時限爆弾が仕掛けられるなど、何者かによって公の命が狙われる。公がまだ20代で法律事務所の失踪人調査員をしていたときの話である。「雪蛍」のときのような「私」という1人称ではなく、「僕」という1人称で語られており、若々しい公の姿が描かれている。
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感傷の街角 角川文庫
 発行順では「標的走路」よりあとだが、表題作は著者のデビュー作品であるとともに、佐久間校シリーズの記念すべき第1作であり、第1回小説推理新人賞を受賞している。7編からなる短編集。
 やはり、雪蛍以降の「わたし」で語られる中年の佐久間公と異なって、ハードボイルドには似つかわしからぬ「僕」で語られる青年の佐久間公は当然ながら若さがあふれている。雪蛍から読み始めた僕としては、この公が落ち着いた雰囲気の中年の佐久間公とはなかなかダブらなかったが。 とはいえ、確かに著者がいうように「甘さ」はあるけれども、青年の公もなかなか魅力的である。とともに、西の方の御落胤の噂のあるという友人の沢辺のキャラクターもおもしろい。 
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狼花 新宿鮫\  ☆ 光文社
 「新宿鮫」シリーズ第9弾になります。前作「灰夜」から5年半ぶりのシリーズ最新作ということで、あまりに長く待たされたので、登場人物のことを忘れてしまいました(^^; 出版社でもそういう読者がいることを見越してか、本の中にシリーズ全作品の物語と読みどころを紹介したチラシが入っていました。
 新宿中央公園で、ナイジェリア人同士の傷害事件が起きる。被害者が麻薬を所持していたことから、加害者が麻薬運び屋である被害者から麻薬を奪うための事件であることがわかる。奪った麻薬の売りさばき場所として鮫島は噂のあった故買市場をつきとめようと捜査を開始するが、そんな鮫島の前に公安から自ら希望して組織犯罪対策部に異動してきた香田が立ちはだかる。さらに捜査を進めると、故買市場の背後にロベルト・村上こと仙田勝の名前が上がってくる。
 確かに外国人が増えましたよねえ。近くの町では外国人登録者が人口の10%を占めるようになったところもあります。問題は、きちんと登録した人ではなく、不法に滞在する外国人です。そんな外国人たちの犯罪は増加の一途を辿っています。今回の作品では、外国人犯罪の増加問題をテーマにこの国のありようが問われるような作品となっています。その中で対立する鮫島と香田、それぞれの正義、理想と現実が激しくぶつかり合います。そしてその二人の間に仙田や広域暴力団が絡んできて複雑な様相を呈します。
 読みどころは、今回ついに第5作「炎蛹」に初登場し、その後も何度か顔を出していたロベルト・村上こと仙田勝の謎が解き明かされることです。謎に包まれた彼の正体は果たして・・・。意外な事実でしたね。そしてもう一つ鮫島の同期であり、彼と敵対する香田の行動です。彼の考えも理解できないわけではないので、このラストはねぇ。そして残念なのは、晶の出番がほとんどなかったことです。このまま二人は別れていくのでしょうか。
 シリーズのターニングポイントともいうべき作品です。シリーズのファンにはオススメです。
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B・D・T[掟の街] 角川文庫
 先日発売された「影絵の騎士」の前作です。舞台は近未来の東京。政府の新外国人法の制定により、急速に増えたホープレス・チャイルドと呼ばれる混血児(ホームレスでなく、ホープレス、「希望がない」とは、大沢さんの命名のセンスはなかなかです)。そんなホープレス・チャイルドにより東京はスラム化が進み、新宿、渋谷、六本木付近は、そんなホープレス・チャイルドの住む東側と呼ばれる地区となり、杉並以西の日本人の住む西側と呼ばれる地区と分かれていた。
 主人公ヨヨギ・ケンは、ホープレス出身の私立探偵。今回彼が請け負ったのは、行方不明となった東側地区のナイトクラブの歌手を捜すこと。不法入国者の増加、新宿歌舞伎町が中国マフィアに浸食されているという話を聞くと、この物語で描かれる世界が現実になるのではないかという気にさせられます。それに、「新外国人法」の制定が日本政府への対外的圧力のためというのは、今と同じで、いかにも大沢さんらしい皮肉が効いています。
 話の展開が早いせいもあって、ページを繰る手が止まりませんでした。大沢さんの作品に登場する私立探偵といえば、感傷の街角等の佐久間公がいますが、舞台が近未来ということもあって、徒手空拳で戦う佐久間公と異なって、ケンは身を守るために派手な武器で敵を倒すのが大きな違いです。ハードボイルド作品として、非常におもしろかったのですが、ラストはいろいろな部分がいっきに表面に出てきて、ちょっと急ぎすぎの感があります。
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鏡の顔 ランダムハウス講談社
 12編からなる大沢さんのハードボイルド短編集です。
 大沢さんには“新宿鮫"シリーズの鮫島警部、大沢さんのデビュー作となった「感傷の街角」等の佐久間公、「ザ・ジョーカー」等のジョーカーというシリーズ主人公がいますが、彼ら3人の作品が掲載されているという贅沢な作品集です。大沢作品への入門として最適な1冊と言えるでしょう。
 新宿鮫シリーズの「夜風」は、この作品集が初出ですので、新宿鮫ファンとしてはうれしいですね。(初出といえば、この作品集には「夜風」以外の初出が何かが出ていません。作品集には通常はあるでしょうが、これは編集者のミスでしょうか。)
 ハードポイルド作品の登場人物たちは僕らの日常の世界とは別の世界に住んでいる人物です。読んでいるときだけ頭の中で主人公のような気になっていい気分に浸ります(昔、高倉健の映画を見て肩を怒らせて映画館を出てきた男たちのようなものですね。)。 12編の中でのお気に入りは、最後の「鏡の顔」です。一人のスナイパーとその恋人の生き様というのが格好良すぎます。
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影絵の騎士  ☆ 集英社文庫
  「B・D・T[掟の街]」の続編です。あれから10年、東京は、スラム化した東側と西側に二極化し、「ネットワーク」という強大なテレビ機構があらゆる産業を牛耳る一方で、映画産業は東京湾に作られた人工島・ムービーアイランドで独自の発展を遂げていた。私立探偵ヨヨギ・ケンは、新宿病という治らぬ病に罹ったエミィとともに小笠原に移り住んでいたが、エミィが亡くなったあとは何もせず、彼女の思い出とともに毎日を過ごしていた。そんなとき、ヨシオ・石丸がケンに妻を脅迫者から護ってくれるよう依頼に現れる。
 近未来の東京を舞台にしたハードボイルド小説として、前作では不法滞在外国人問題の先にある未来を俎上にあげた大沢さんでしたが、今回取り上げたのはネットワーク、情報産業です。世界中にネットの網が張り巡らされている現在、情報というのは大きな力であり、金を産み出すものであることは誰もが知っていることです。そこから、未来に情報産業が世界を動かすようになることは、未来の姿として少しも違和感がありません。近未来の設定といっても、リアリティがあって(東京湾の人工島に原子力発電所が造られるというのもありえますよね。)、スッと物語の中に入り込んでいくことができます。
 文庫で650ページ弱の大作ですが、冒頭から立ち止まることなく全力疾走という感じで、物語が進んでいくので、大部という気がしません。ハードボイルドとしてのヨヨギ・ケンの活躍のおもしろさだけでなく、テレビ番組を通じての予告殺人等事件の真相にも驚きがあり、堪能しました。 
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絆回廊 新宿鮫]  ☆ 光文社
 新宿鮫シリーズ第10弾、5年ぶりの新作です。
 覚せい剤の密売人から、見逃す代わりに、ある男が警察官を殺すために拳銃を探しているという情報を得た鮫島は、犯行を未然に防ぐべく男を追うが、その過程である犯罪組織のことを知る。鮫島が組織に迫っていることを知った組織は鮫島を狙うが・・・。
 外国人犯罪組織は以前にもこのシリーズの中で描かれていますが、今回登場する組織はこれまで以上に凶悪な犯罪者集団です。果たして彼らを追う鮫島との戦いはどうなるのか。そして警官を殺そうとする男との戦いは?ちょっとご都合主義的なところ(殺害相手の警官は実は・・・)もありましたが、やはり新宿鮫はおもしろいです。大沢さんのリーダビリティは凄いです。
 ただ、残念なのはこれまでのシリーズ中に登場した敵役の強烈なキャラクターと比べて、今回の大男で、強面、刑務所に入る前はやくざも一目置く一匹狼だった樫原は、登場シーンが少ないこともあってか、いまひとつ印象が薄かった点です。また、「金石」と呼ばれる組織がどうなったのかもはっきりしないところも消化不良です。
 シリーズのターニングポイントともなる1冊です。思わぬ事件の結果に、シリーズファンとしてはショックです。この後の鮫島が果たして今まで同様に行動することができるのか。次作が気になります。
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鮫島の貌 新宿鮫短編集  ☆ 光文社
 新宿鮫シリーズ初の短編集です。10編が収録されていますが、なんとあの人気漫画「こちら葛飾区亀有公演前派出所」の両津勘吉が登場する作品や「シティーハンター」の冴場リョウと香が登場する作品もあって、内容は盛りだくさんです。新宿鮫と両津が共演する作品と聞いて、読む前はハードポイルドな新宿鮫がコメディになってしまうのではないかと恐れたのですが、杞憂でした。新宿鮫の世界にうまく両津が入っていました。冴場リョウにしても、ちょい役でしたが、新宿鮫の世界は壊していません。
 冒頭の「区立花園公園」は、鮫島が新宿署に異動してきた当初のことが描かれていますが、発表されたのは小説現代の2011年12月号ですから、「絆回廊 新宿鮫]」のあとです。それを考えて読むと、マンジュウと言われる桃井を主人公にしたこの作品は、感慨深いものがあります。
 ラストの「霊園の男」は、「狼花 新宿鮫\」の後日談です。「狼花」で命を落としたある男の墓参りに来た鮫島を待ち伏せしていた男との会話から、男が死ぬ前に言い残そうとした言葉が明らかになります。もう一度「狼花」のラストを読み返したくなる作品です。この2作品を冒頭とラストに置いた構成はファンとしては、うまいなあと言わざるを得ません。新宿鮫ファンにおすすめの短編集です。
 「水仙」で登場する中国人女性の“安”ですが、この短編だけの登場ではもったいないです。もう少し深く描いて欲しい女性です。再登場を期待したいキャラです。
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覆面作家  講談社 
 大沢さん自身を思わせるハードボイルド作家を主人公にした8編が収録された短編集です(表題作の「覆面作家」は既刊のアンソロジー「迷一まよう−」に収録されており、既読です。)。
 主人公の作家のように、実際に大沢さんは原稿用紙に手書きというアナログ作家だそうですし、随所に大沢さん自身を窺わせるような記述もあるので、ここに掲載された話はこのとおりではないにしろ、どこかで大沢さんが遭遇したことを書いた実話ではないのかとちょっと考えてしまいます。そう読者に思わせるのも大沢さんの狙いでしょうけど。
 物語はミステリという謎解きではなく、都市伝説めいた話やミステリアスな話が続きます。この中では、世間から身を隠したい人々が住む「村」が一番好みです。本当にこんな村があるのか、ラスト1行の余韻がいいです。一晩のセックスで妊娠するかどうかという賭の裏に隠された驚きの真実を描く「カモ」もおもしろいです。男はしょせん“カモ”なんですね。主人公が若い頃愛した女性のことが偶然話題にのぼったことがら淡い恋を思い出す「イパネマの娘」も8編の中では毛色が変わっていて印象に残ります。やはり若い頃の想いは思い出のままとしておいた方がいいのでしょう。 
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帰去来  朝日新聞出版 
 志麻由子は、刑事だった父が10年前に何者かによって殺害されるという過去を持つ警視庁捜査一課の巡査部長。このところ、20年前に起こった“ナイトハンター”を名乗る男による連続女性殺害事件を模倣したと思われる事件が続き、由子はおとり捜査に臨んでいたが、その最中、犯人に首を絞められて意識を失う。気が付いたとき、由子がいたのは元いた世界とは異なるパラレルワールドの光和26年のアジア連邦・日本共和国・東京市。彼女は東京市警察の特別捜査課の課長として犯罪者に立ち向かう存在だった。
現実の世界では何の実績もないのに父親の同僚によって、捜査一課に引っ張られただけの巡査部長の由子が、パラレルワールドでは、やり手の特別捜査課の課長で警視という、全く異なる立場となって生きていくことができるのか。そして彼女は元の世界に戻って“ナイトハンター”を逮捕することができるのかが500ページを超える中で描かれていきます。
 パラレルワールドものは大好きなジャンルなので、久しぶりに大沢作品を読みました。こちら側の世界では捜査一課のお荷物だった由子が、あちらの世界ではエリート警察官というまったく異なる立場になって、いくら何でも性格が急に変わるものではないのだから、そんなに簡単に順応できないだろうに、これがなぜかエリート警察官として立ち回ってしまいます。これはどうかなあとは思うのですが、心の中では不安に駆られながら、あちらの世界の由子を演じようと頑張る由子がいじらしく、声援を送りたくなります。 
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暗約領域 新宿鮫]T  ☆  光文社 
(前作を読んでいない人にはネタバレになります)
 麻薬の売人から闇民泊をしているマンションの一室で覚醒剤の小分けをしているという密告を受けた鮫島は、向かいのマンションの一室に藪に依頼して監視カメラを設置し、監視を始める。そんな中、亡くなった桃井課長の後任の生活安全課長にノンキャリアで女性のエリート警察官・阿坂景子が就任する。阿坂と会った後、藪と共にマンションに向かった鮫島は、監視する部屋の上の階で拳銃が発射されたらしき閃光が監視カメラに映っていたのを見て部屋に向かい、そこで国籍不明の男の死体を発見する。「基本を守る」「ルールを決して曲げない」がモットーの阿坂が鮫島に申し渡したのが、単独捜査をせずに新任の矢崎巡査部長と組むこと。鮫島は矢崎と捜査を進めるが、やがて事件は公安部によって刑事部から取り上げられる・・・。
 今回は、後ろ盾となってくれていた桃井がいなくなった鮫島がどうなるのか、新しく就任した女性課長との関係はどうなるのか、今まで常に単独捜査を行っていた鮫島に相棒の若手刑事とどうやっていくのか等々読みどころ満載です。
 特に、特科車両隊から異動してきたという若手刑事・矢崎との関係が新鮮です。自分と行動を共にすると、公安に睨まれ出世の道が閉ざされると心配して彼を捜査から外そうとしますが、矢崎は警察を信じていると言って鮫島と行動する道を選択します。頭の回転も速く、相棒として相応しいと思ったのですが・・・。
 また、新しい課長は、ノンキャリアの女性の星というべき女性警察官で、基本を守る、ルールを決して曲げないという姿勢で今まで警察官としての道を歩んできたという女性ですから、当然のことながら、ルールから外れた捜査をする鮫島とうまくいくわけがないと思いましたが、そこも意外な展開が待っています。
 物語には前作で鮫島の命を狙った陸や、やくざよりも残忍な「金日」グループが登場、更に鮫島の同期であり、現在は内閣情報調査室の下部機関である「東亜通商研究会」に所属する香田も再び登場するなど、新宿鮫シリーズの新しい出発を飾るのにふさわしい豪華さです。ちょっと残念だったのは、陸の語る、男を手玉に取り、色恋など関係ない残酷な女という印象の荒井真利華が、実際登場するとそれほどの女性でもなかったことですね。 
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