半月前にオープンしたばかりの真夜中にだけ営業するパン屋さん。店員は二人、優しそうなオーナー暮林と、気難しいが腕のいいバン職人の弘基。二人とも若くてイケメン。そんなパン屋にオーナーの亡き妻の腹違いの妹だと名乗る女子高校生希実がやってくるところから物語は始まっていく。
冒頭はその女の子と二人の出会いを、2話目は彼らとパンを万引きした小学生の男の子・こだまとの出会いを、3話目は高層マンションの1室から望遠鏡で外を覗く引きこもりの脚本家・斑目との出会いを(この話のラストで、パン屋の二人の思わぬ関係が明らかにされます。)、4話目はホームレスのニューハーフ・ソフィアとの出会いが描かれます。それぞれ心に悩みを抱えた人たちが真夜中しか営業しないバン屋さんに集まってきて、みんな温かい気持ちになってそこから出て行きます。そして彼らの物語を読む人も温かい気持ちにさせてくれる、そんな作品です。
でも、なぜ真夜中にしか開かないのでしょうか。 |