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岡本好貴の本棚

  1. 帆船軍艦の殺人

帆船軍艦の殺人  東京創元社 
 第33回鮎川哲也賞受賞作です。
 フランス革命後の時代、フランスと戦争中のイギリスの軍艦である帆船が舞台となります。
 靴職人のネビルは義父と酒場で飲んでいた時に、慢性的な兵士不足に陥っていたイギリスの軍艦ハルバート号の水兵の強制徴募により、無理やり水兵としてハルバート号に乗せられ、戦地に向かうこととなる。ある晩、甲板で水兵が頭を殴られ殺害される。艦長から指名されたヴァーノン海尉が事件の捜査に当たるが、犯人が見つからない中で、今度はネズミ駆除の最中に水兵が首をナイフで刺されて殺害される。二人の殺害時に近くにいたネビルが犯人として拘束されるが、一人の水兵が自首したためネビルは釈放される。やがて、フランスの軍艦と遭遇し、戦いが始まるが・・・。
 作者の岡本さんはきっと帆船の構造を詳細に調べたのでしょう。何も知らない素人としては、冒頭に帆船の「マストを支える索具」、「帆とヤードの名称」と図示されていますが、読んでいても頭の中に描くことができず、ちょっと苦労しました。ただ、第1の事件での犯人の逃走経路は帆船ならではのものでしたし、第3の事件のトリックは帆船を利用した大掛かりなトリックでしたから、所々出てくるこの帆船の構造は我慢してもきちんと読む必要があります。
 また、事件が起きるまで100ページ以上ありますので、序盤をどうにか投げ出さずに読むことが必要ですね。 
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