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森絵都の本棚

  1. カラフル
  2. いつかパラソルの下で
  3. 永遠の出口
  4. ラン
  5. クラスメイツ 前期・後期
  6. みかづき
  7. カザアナ
  8. できない相談
  9. 獣の夜

カラフル  ☆ 理論社
 気がつくと、僕は小林真だった。・・・ ぼくは前世で大きなあやまちを犯した魂だ。本来ならもう二度と生まれ変わることができないところだけど、幸運にも抽選であたり、再挑戦のチャンスを得た。一度死んだ魂が、自殺を図って意識不明の少年の体を借りて下界再挑戦することに・・・。ガイドを務めるのはプラプラという名の天使。10代を対象にした小説だと思うが、僕らが読んでもおもしろい。子供も読んで共通の話題になった。最後に実は・・・というのも納得。
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いつかパラソルの下で  ☆ 角川書店
 森絵都さんといえば、前作の「永遠の出口」はともかく、「カラフル」に代表されるように(ほかにも「DIVE!」とかあるのでしょうが、残念ながら僕はこれしか読んでいません)、児童文学の作家だと思っていました。
 しかし、今回は、うって変わって大人のための作品です。なんといっても、冒頭、主人公野々と同棲相手の達郎との性描写から始まるのですから。男のサガで、つい頭の中でその状況を思い描いてしまいました(^^;
 さらに、これだけに止まりません。物語途中でも、野々の悩む性の問題、そして、そのための達郎とのセックスの方法が描かれるのですから、今までの森さんの作品とは大違いです。
 かといって、森さんの描く初の官能小説かというわけではなく、この作品で描かれるのは、「家族」です。
 堅物で子供に異常な厳しさを見せていたが、死後、実は職場の女性と不倫をしていたことが発覚した父親。そんな厳格な父親に反発し、成人を機に家を出て、定職にも就かずそれぞれ同棲生活をする兄と野々。そんな兄と姉を見て育ち、父親に反発してもしょうがないと、一番父とうまくいっていた妹。
 このどうしようもない兄と姉と、しっかり者の妹の会話が愉快です。また、後半三人が父のルーツを訪ねて佐渡へと行くのですが、これがまた弥次喜多道中のようで読んでいて思わず笑ってしまいます。
 また、彼らばかりでなく、野々の同棲相手達郎や佐渡に住む伯母家族など登場人物たちの人物造型が実に見事で、読んでいて飽きることがありません。
 表面上は軽妙な小説ですが、最後に森さんは野々にこう言わせます。
 「誰の娘であろうと、どんな血を引こうと、濡れようが濡れまいが、イカが好きでも嫌いでも、人は等しく孤独で、人生は泥沼だ。愛しても愛しても愛されなかったり、受けいれても受けいれても受けいれなかったり。それが生きるということで、命ある限り、誰もそこから逃れることはできない。」
 森さんの人生論でしょうか。オススメの作品です。
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永遠の出口  ☆ 集英社文庫
 1人の少女の小学校三年生から高校三年生までの成長を描いた連作短編集です。小学校時代の誕生日会のこと、黒魔女のような担任のこと、ぐれていた中学時代のこと、両親の離婚の危機に行った旅行のこと、高校時代のアルバイト先でのこと、狂おしいまでの恋のこと、そして高校卒業とどこかで誰かに起きるような出来事が語られていきます。少女が主人公ですが、あんなこと僕にもあったなあと思ってしまうほどリアルな話でした。小学校のときの誕生日会のことは僕にも似たような思い出があります。立場は主人公ではなく好恵のほう。両親は引っ越してきた地域で誕生日会なんて行事がどう行われているかを知らずに出前の寿司とケーキを出しただけ。友達からあとで「たいして何も出なかったなあ」と言われて恥ずかしかったことを今でも覚えています。また、担任についても、やはり小学校の担任の女性教師が思い出されます。成績の良い生徒には露骨に贔屓をする教師だったのですが、贔屓だと言えば逆にしっぺ返しがあったりするので、影で「何だ、この婆あ!」なんて毒づくだけ。クラスの中も嫌な雰囲気でしたね。
 自分のことも思い出しながら楽しく読むことができました。主人公が中学校時代ぐれ、そこから立ち直ったりしましたが、立ち直るきっかけに何があったというわけでもないところが普通らしい。
 エピローグで描かれているように、主人公が順調に人生を歩いてきたわけでなく、紆余曲折ありながらまだもがきながらも歩き出そうとしているところが、また本当の人生らしくて好きです。おすすめです。
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ラン  ☆ 理論社
 何はともあれ、あらすじを書くと・・・
 13歳の時に事故で両親と弟を亡くした夏目環。事故の後、叔母に引き取られたが、その叔母も2年前に病気でなくなり、彼女は一人となった。大学も中退し、今ではスーパーの通販部でバイトをしている。そんな環、いつもは他人と極力距離を置いているのに、何かあると三段階ぐらいすっ飛ばして、いきなり他人に牙をむくという、少々やっかいな性格の女の子。ある日仲良くなった自転車屋さんからもらったロードバイクに乗っているときに、死者の世界に紛れ込んでしまう。そこには死んだはずの両親と弟、そして叔母がいた。両親が話すには彼女のロードバイクには死者の世界へのガイドがついているという。その後彼女は頻繁に死者の世界に通うが、ロードバイクを本来の持ち主に返すことになり、自らの足で死者の世界に来なければならないことになってしまう。環は誘われたランニング・チームに入って、死後の世界までの道のり40キロを自力で走り抜くことができるようになろうとするが・・・。
 帯に「カラフルから10年・・・感動ふたたび」などと書いてあったので、思わず手にとって購入してしまいました(「カラフル」大好きなんです。)。読んでみると、これが僕好みのファンタジーで、いつの間にかすっかり物語の中に引きこまれていました。
 登場人物のキャラクターが愉快な人ばかり。将来を嘱望されながら、自分のペースメーカーである後輩が病死したことに責任を感じ、走るのを止めたドコロさん、お水が商売のちょっと派手な中年女性の清花さん、退職して悠々自適かと思えば実は・・・の藤見さん、痩せるため、ひいては好きな女の子に告白するために走るお金持ちのお坊ちゃんのハタくん、母親と上手くいかずに引き籠もりとなったドコロさんの姪の小枝ちゃん、方向音痴のレストランのウェイターの大島くん、そして中でも一番強烈なキャラクターは、環のアルバイト先の同僚であり、強烈なおばちゃん旋風を巻き起こす真知栄子。この栄子が本当に嫌なおばちゃんですが、嫌なおばちゃんなりの精一杯の人生があり、後半大いに泣かせます。そんな魅力的なキャラクターの人々が、それぞれの思いを持ってマラソンに臨むところは読ませますね。
 さて、果たして環は40キロを駆け抜けることができるのか。そして死者の世界で彼女を見ていた家族はどうなるのか。400ページ以上の大部ですが、ページを繰る手が止まりませんでした。おすすめです。
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クラスメイツ 前期・後期  ☆ 偕成社
 中学1年生の1年間を1年A組の24人のクラスメイトの視点でリレー形式で描いていく連作短編集です。「前期」「後期」とそれぞれ12人ずつを主人公にした短編が収録されています。いわゆる“ヤングアダルト”作品です。
 中学1年生といえば、僕にとってはもう40年も昔のこと。入学当時はやはり冒頭の「鈍行列車はゆく」の千鶴のように、友人を作ることができるのか、うまくクラスに馴染めるのか不安な毎日だったような気がします。クラスの中に自分の居場所を見つけることが大変でした。なにせ当時通った中学校はこの作品と違って12クラスで、クラスメイトも40人以上いたので、小学校時代の仲の良い友人が同じクラスになる確率は低かったですからね。
 ハヶ岳の麓への校外学習が描かれていましたが、同じように八ヶ岳の麓への校外学習の行事が僕の中学校にもあり、読みながら、あのときは河原で飯盒炊さんをしてカレーを作ったなあとか、トレッキング(その当時はトレッキングなんて洒落た言葉がなかったので山登りでしたが。)もしたなあと、昔のことを思い出しました。
 24人それぞれの人間関係や中学1年生らしい恋模様が描かれていきますが、僕の時代の40人学級と異なって24人という少ない人数なので、学校での人間関係が濃くなってしまうのかなと思います。40人もいれば、どこにいるのかわからないでもいられたかもしれませんが、24人ではそうはいかないでしょうね。「夏のぬけがら」で登校拒否をしている田町の言うことは何となく理解できる気がします。
 男女それぞれ12人。皆いろいろな悩みを持ちながら毎日を暮らしています。この中にはそれぞれの読者に似た子がいるかもしれません。ただ、担任の藤田先生のような教師には僕自身は会うことはできなかったですね。おススメです。
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みかづき   ☆ 集英社 
 昭和36年、小学校で用務員をしていた大島吾郎が「勉強がわからない」と泣きつかれた生徒に勉強を見てやったのが事の始まり。吾朗に教わるとよくわかるという噂が広まり、しだいに用務員室にやってくる生徒たちが増えてくるが、その中に実は勉強がわかっていながらわからないふりをした蕗子という女の子がいた。彼女に問いただすと、母親の千明から吾郎の教え方を見てくるよう頼まれたと話す。実は千明は塾を開いて、その塾の先生として吾郎に白羽の矢を立てたのだった。やがて、吾郎が用務員室に来ていた生徒の母親と関係を持っているという密告が校長に届けられたことから吾郎は学校を首になり、千明の塾に世話になることになる・・・。
 昭和30年代から平成の現在にかけて、千葉の学習塾を舞台に、文部省主導の教育を嫌い塾を立ちあげた千明、彼女に見込まれて学校の用務員から塾講師となった吾郎、それぞれ性格の違う千明と吾朗の三人の子ども、蕗子、蘭、菜々美、更には蕗子の子どもである一郎という三代に渡る大島家の人々の生きる姿を描いた大河小説です。
 また、学カテストだ、偏差値だ、ゆとり教育だと揺れ動いた国の教育政策の中で翻弄される人々を描いていくのも読みどころとなっています。
 物語は、最初は吾郎の視点で、吾郎と千明との関係が二人の方針の違いで破局してからは千明の視点で、塾経営に携わる各々の思いが語られていきます。軍国主義教育を受けたことから公教育に激しく反発し、文部省を苛烈に批判し、吾郎の意見など聞かずに自分の考えで突き進んでいく千明のキャラが強い印象を与えます。千明のような峻烈な性格に対し、温厚で誰にも優しく押しの弱い吾郎が千明の元を去るのも、無理ありません。ただ、吾郎にも女性関係にかなり問題があるという点には苦笑を禁じ得ませんが。そして、そんな千明の三人の娘がそれぞれまったく違う性格で、それぞれ自分たちの生き方を選択していくところも興昧深く読むことができます。
 最後は蕗子の長男である一郎の視点で物語が進みます。家族の姿を見て、教育から背を向けてきた一郎が、やがて取り組むことになる貧困家庭の子どもの教育という問題は、実際に今大きな問題となっていますね。
 そんなテーマも取り上げたこの作品は、単なる大島一家の物語というだけではなく、その時々の教育問題に言及した、森さんの力の寵もった作品となっています。おすすめです。 
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カザアナ  ☆  朝日新聞出版 
 舞台は20年ほど先の近未来の日本。東京オリンピックまでは先が見えるけど、その後の日本はどうなるのだろうと不安に思う中、森絵都さんはこんな日本を描いてくれました。
 “東京オリンピックの景気効果が肩透かしに終わり、列強とのAI競争に敗れ、人口減少、高齢化、インフラの老朽化で八方ふさがりだった日本は起死回生をかけた観光革命に売って出て、カジノ解禁や改憲がもたらした隣国との局地的衝突、日本を描いたハリウッド映画の大ヒットによる空前のジャパンブームが日本人の商魂やら危機感やらを刺激したこともあって、資源なき日本は観光大国として成り上がるべく猪突猛進をはじめた”というのが、この作品の背景となる日本の状況です。更には、空前のいにしえブームが起こり、和的なものがもてはやされる反面、外国臭のするものは排斥されるという時代の中での話です。
 現在でも、日本は観光立国たるべく観光庁を作り、海外からの旅行客の増加に力を注いでいますが、森さんの描く観光立国はあまりに皮肉が効きすぎています。海外からのツアー客のために日本らしさを見せるということで景勝特区なんて地区を設けて、そこを復古主義的な風景に改悪したり、更には甘い言葉で働きに来た外国人労働者を地下に強制的に住まわせるという劣悪な住環境の上に、三食の食事も醤油味のものばかりという、何だか現在のアジアの人々を実習生として来日させて、低賃金で働かせる状況が未来ではこうなるだろうという感じです。
 物語は平安後期の平清盛の台頭の時代と近未来の日本を描きながら進みます。平清盛の時代で語られるのは“風穴”と呼ばれる異能の者たち。万象を読む力を持った者たちが高貴な人に召し抱えられ、やがて権力争いの中で平清盛により滅亡の運命に立たされるところが描かれます。
 近未来では中学生の理宇、弟の小学生の早久、母親の由阿の入谷ファミリーが主人公となり、“風穴”の末裔である香瑠、テル、鈴虫との出会いと政府と政府に反旗を翻すヌートリアと呼ばれるグループとの戦いに巻き込まれる入谷ファミリーたちを描きます。
 入谷ファミリー、特に母親の由阿が破天荒なキャラでお気に入りです。日本人は髪は黒髪でなくてはという考えに反発し、金髪に染めており、やることがいちいち派手。さすがにラストの由阿の行動では何も変わらないでしょうけど、あんな馬鹿げたことをあの場でやってしまうという行動力が素敵です。
 マイナンバーにしろ、町中のあちこちに設置されている監視カメラにしろ、現在でも監視社会といっていいくらいですが、20年ほど先の近未来では、空にはドローンカイト(ドロカイ)が飛び、人々を監視しているのを始め、息をするのも苦しいほどの監視の目があちこちに張り巡らされています。この辺りの世界の状況は、森さんなりの作品を通しての監視社会への警鐘なんでしょうか。
 ラストは未来に期待する者にとっては、ちょっと肩透かしの結果に終わってしまったと言わざるを得ません。でも、きっと入谷ファミリーは、これからも自分たちのやり方で、この世界を少しでも変えようとしていくのではないでしょうか。 
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できない相談  筑摩書房 
 1編が4ページから6ページという38作の掌編が収録された短編集です。森さんのインタビューによると、38編を貫くテーマは“レジスタンス”だそうです。「あるなぁ~」と共感できるものから、「え~!理解できないなぁ」と思う様々な話が収録されています。個人的に面白かったのは次の作品です。
 冒頭の「2LDKの攻防」と最後の「電球を替えるのはあなた」は、両方とも夫婦間の攻防を描いたものです。前者は、それぞれあるきっかけから夫の書斎の掃除をしなくなった妻と自分の洗濯物を畳むが妻の下着は決して畳まない夫の話、後者はトイレの切れた電球をどちらが替えるかに拘る夫婦の話という夫婦間の静かな戦いが繰り広げられますが、あるあると思ってしまう作品になっています。
 「書かされる立場」は、登場人物の視点に立って感想文を書かせられた4人の中学生(?)の感想文で成り立つ作品です。最後の女の子の先生への批判に大いに共感できます。
 「折れずにススメ」は、叔父の遺品だった時計の修理に時計店に行った青年に提示された見積もりはあまりに高価な金額で、果たして彼はどうするのかという話ですが、余計なものまで見積もられて金額が予想より高くなってしまうことってありますよねえ。なかなか断れないけど、この主人公は・・・「よく言った!」
 「イマジネーションの檻」は、動物園のゾウの視点で語られる作品です。ゾウの視点という点が面白いです。
 「誰がために貴方は進化しつづけるのか」は、主人公がある“もの”に語りかける話ですが、こう言いたい気持ちはよくわかります。
 「愛曽野椿子・四景」は、これはもう単純に笑えます。
 「満場一致が多すぎる」は、満場一致が民主主義だと信じて疑わない社長の元で常に会議の議決が満場一致になることに疑問を感じた社員がある決議を求めるストーリー。これがまた満場一致になるというのは大いなる皮肉で、笑ってしまいます。
 「こっちの身」は、こだわりの店主への最後のひと言が最高。この言葉を聞いた店主の顔を想像すると面白いです。 
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獣の夜  朝日新聞出版 
 雑誌やアンソロジーに収録された7つの作品を集めた短編集です。3ページの掌編から70ページの短編まで様々なジャンルの作品が収録されていますが、中にはコロナ禍を舞台にしたものも。
 「雨の中で踊る」・・・勤続25周年で記念の10日間の休みをもらったものの、コロナの緊急事態宣言によりどこにも行くことができず、最終日に妻から追い出された会社員が向かったのは幕張の海岸。そこで男に声をかけられ・・・。この会社員、この後どうしたことでしょう。コロナ禍で外出禁止という状況があってこそ書かせた作品のような気がします。
 「Dahlia」・・・5ページの掌編。物語の中には書かれていませんが、大災害か核戦争が起こった世の中が舞台でしょうか。
 「太陽」・・・日本初の緊急事態宣言の出た翌日、原因不明の歯痛で初めて行く歯科を訪れた女性は、その痛みが虫歯ではなく、なぜか心因性のものであると言われる。この歯医者さん、歯医者ではなく歯読みだそうです。
 「獣の夜」・・・この作品集の表題作であるこの作品は、大学時代のサークルの友人・美也の誕生日に、サークル仲間の発案でサプライズパーティーが企画され、美也の夫の泰介が会場の鎌倉野菜の店に連れて行くはずが仕事で行けず、代わりに紗弓が連れて行くことになるが、という話。ラストは、題名の「獣の夜」が美也とジビエを食べるだけでなく、更なる展開があることを意味しているのでしょうか。
 「スワン」・・・「ラン」番外編と副題がありますが、「ラン」を読んだのは刊行の時だったので、今回の「スワン」の登場人物が出ていたのか否かもすっかり忘れていました。高校駅伝か箱根駅伝の話かと思っていたら、まったく違うファンタジー作品で、これなら、今回の「スワン」のストーリーもありかなと納得です。
 「ポコ」・・・コロナ禍に生きる小学生の決意が書かれた、この作品集の中では一番短い3ページの作品です。この小学生の思いは作者の森さん自身の思いでしょうか。
 「あした天気に」・・・買物に行ったドラッグストアで景品にもらったガーゼ素材の白いハンカチでてるてる坊主を作った会社員の一平の前に、需要の少なくなったてるてる坊主を作ってくれたお礼にてるてる坊主の王国の王様が現れる話。天気に関わる願い事を3つかなえてくれると言われた一平が願ったことは・・・。個人的にはこの話が一番好きです。最後の一平の思いに拍手です。