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宮本輝の本棚
錦繍
錦繍
新潮文庫
かつて夫婦であった男女が数年後に出会ってから始めた往復書簡で構成された小説。やはりせつなすぎる作品である。ただ、田中英光の「オリンポスの果実」と違って一方的にひたすら好きだというのではなく、その書簡にはお互いに相手への思いやりがあふれている。私はこの本でモーツアルトの交響曲第39番を知り、その後モーツアルトを聴くようになった。
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