東京創元社のミステリ・フロンティアシリーズの一冊です。
ある変わり者の富豪が所有するシェルターを見学に来ていた際に、空に光る巨大な閃光を見て、慌ててシェルター内に逃げ込んだ6人の男女。閃光は核爆発だったのか、シェルター内に備え付けられた放射能量率計は、外に放射能が満ちていることを示します。放射能がなくなるまで、シェルター内に止まることを決めた彼らでしたが、一人また一人と、密室の中で仮面をかぶらされて殺されていきます。
主人公三津田と星影による密室殺人の謎解きがされますが、昔ながらの糸を使った鍵をかける方法とか、氷で留め金を一時固定するという方法等が話され、興味深く読むことができます。しかし、両者ともホラー好きという設定のためか、イタリアン・ホラーの話が長々と続くのには閉口しました。あんなに題名を羅列して蘊蓄があることを示すこともないだろうに。正直飛ばし読みしてしまいました。
こうした限られた空間の中での殺人というのは、犯人が限られるわけですから、最後に犯人だけが残ってニヤッと笑うというのを別にして、何故その限られた空間の中で犯行に及ぶのかということが問題になります。この作品では実は○○○だったということですが、僕自身の印象としては「え〜そうなの〜」という感じでした。 |