初めて読んだ三羽さんの作品です。
公園に集まる5人のママさんたち。自分の夫の会社が売っている浄水器を他のママさんたちに売りつけようとしているアキちゃんママ、そんなアキちゃんママに強く言えずに困っているユウマくんママ、40歳を過ぎてからの子どものため、ママさんたちの中では最年長でまとめ役、悪く言えば仕切り屋のサトルくんママ、子どもはほったらかしで携帯に夢中の最年少の羅々ママ、ほったらかされた他人の子どもの面倒までみているダイちゃんママ。公園で井戸端会議をしているママさんたちにも、それぞれ生きてきた人生があり、そんな彼女らの回想で描かれた連作短編集です(一つの話だけ、ママさんたちの中に偶然入ってきてしまったパパさんの話になっています。)。
三羽さん、うまいですねえ。短いページ数の中でそれぞれのママさんたちの人となりを鮮やかに浮き彫りにしていきます。周りで見ているのとは異なるママさんたちの実像になるほどと思ったり、え!そうなんだとびっくりしたりしながら、楽しく読ませてもらいました。
羅々ママのように悲惨な少女時代もありましたが、今は皆それなりに前向きに生きており、読後感は非常にいいです。 |