晴れた日は「外で遊ぼう」ではなく、「図書館に行こう」という、本好きにはちょっと気になる題名に惹かれて購入しました。
物語は、小学校5年生の茅野しおりを主人公に、本好きの彼女が図書館で遭遇する謎を描く連作短編集です。読者の対象が大人というより児童ということらしく、非常に読みやすくなっています。ただ、彼女が小学生という割には、あまりに大人びた言い方、あるいは考え方をしており、小学生ぽくないなあとちょっと違和感を覚えるところもあります。
各話の謎は、しおりが借りようとした本を「わたしの本」と言う少女、60年前に貸し出された本を返しに来た少年、水浸しにされた返却ポスト、次々と所在不明となった本の行方等々図書館の本を巡ってのちょっとした日常の謎となっています。本好きな小学生に読んでもらいたいと思う作品です。
文庫化に際し書き下ろされた、最後に収録されている「雨の日は図書館に行こう」は、ミステリのある手法がとられた作品になっており、油断していたら作者にやられたという感じです。 |