「バトルロワイヤル」という小説が、中学生が殺し合いをするという内容が問題となって、確か某社のホラー小説大賞の選考から漏れたことがあったが、こちらは衝撃的ということでは「バトル・ロワイヤル」に引けはとっていないが、見事に新潮社の第1回ホラーサスペンス大賞を受賞した。
とにかく、衝撃的な内容だ。なんと、ある高校で担任の女教師が生徒を教室に閉じ込め、殺していくという話なのだから。それぞれの生徒には女教師が殺そうとする理由がある。もちろん、今の法治国家のなかで、私人が自ら手を下すことは殺人であり、許されることではないが、実際この女教師の立場に立てば、そう思うことは止められないかもしれない、もちろん、実際に行動に移すかどうかは別問題である。そのために、法があり、最終的には加害者には死刑という刑罰が待っているのだから。ただ、最近は死刑廃止論もあり、裁判所も死刑判決を出すことに慎重になりすぎている嫌いがあり、加害者側の人権ばかりが過大に養護されている気がするのは、僕だけだろうか。
それにしても、いくら復讐といっても、一介の教師であった女性が、あんなに拳銃やナイフを使えるようになるのだろうか。ちょっとそのあたりは無理があると思うが。
いろいろ考えさせる小説ではあるが、一気に読み終えることができた。 |