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黒川博行の本棚

  1. 二度のお別れ

二度のお別れ 創元推理文庫
 黒川博行さんのデビュー作で、今はなくなってしまった第1回サントリーミステリー大賞佳作賞受賞作です。主人公は大阪府警捜査一課の通称黒マメコンビ、すなわち「黒さん」こと黒田憲造刑事と、「マメちゃん」こと亀田淳也刑事。
事件は新大阪駅の近くにある銀行に強盗が入り、客の一人を拳銃で撃ってそのまま人質にして逃走しますが、強奪金額を不服として人質の身代金として1億円を要求してきます。
犯人と警察との虚々実々の駆け引きの中、最後に意外な真相が・・・。
この作品の魅力はなんといっても、黒マメコンビの軽妙な大阪弁のやりとりにあるといっても過言ではないでしょう。大阪弁独特のリズム感というのでしょうか、二人の会話は読んでいても軽快です。
 この作品の発刊後に起きた、グリコ・森永事件で犯人からの脅迫状が作品中に登場する脅迫状に類似しているということで、作者のところに刑事が訪ねてきたそうですから。
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