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黒井卓司の本棚

  1. さよならが君を二度殺す

さよならが君を二度殺す 角川ホラー文庫
(ちよっとネタバレあり)
 とある山奥の村で車で出かけた女性とその息子の赤ん坊、そして同乗していた3人の小学生が行方不明となる。半日後に5人は突然戻ってくるが、失踪していた間の記憶は失っていた。それから32年が過ぎ、彼らの身に、死んだ妻が頭の中で話しかけるようになったり、不器用だったのに神業のようなピザ作りの腕をふるうようになったり、自分の思い通りに相手を行動させることができるようになったりと、様々な不思議な現象が起き出す。
 第18回日本ホラー小説大賞の最終候補作に残った作品です。でも、ホラーというより、SF作品といった方が適切です。冒頭のエピソードからすれば、これは宇宙人ものだなと予想がつきます。「Xファイル」の世界ですね。
 帯に書かれた貴志祐介さんのことばどおり、彼らに与えられた能力はいったい何のためなのか、能力を身につけた彼らは今後どうなるのか等々先の展開が気になり、いっき読みです。ラストはSF映画を見ているような感じです。
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