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小松立人の本棚

  1. そして誰もいなくなるのか
  2. そして物語のおわりに

そして誰もいなくなるのか  東京創元社 
 大学生の頃、認知症の老女のタンス預金2000万円余を盗んだ小松立人、安東達也、田村悟士、三宅正浩の4人は、10年が過ぎ、埋めておいた金を掘り返すために山に向かうが、途中、地震によって引き起こされた土砂崩れに巻き込まれ、命を落としてしまう。しかし、人間の寿命を管理している者、カバーに書かれたあらすじでは”死神”と言っていますが、によって7日間だけ時間が戻って生き返ることができる、ただし、1週間後の同じ時間にどこにいても死ぬ運命は変わらない、また、生き返った者の間で相手を殺害すれば、相手の残っていた寿命の分だけ長く生きることができると言われる。1週間前の時間に戻った4人は、金を掘り起こし分配して別れる。ところが、その後、一人また一人と仲間が死んでいく。
 いわゆる、特殊設定のミステリです。死神が彼らが生き返る理由を、うるう年を例にとって説明していましたが、理解できませんでした。しかし、その理由はこの物語にとって重要ではありません。理由は何であれ、とにかく、小松らが生き返り、1週間前に戻るという設定、更には、相手を殺害すれば相手の寿命の分を自分の寿命にプラスできるという特殊設定がなくては物語が進まないのですから。
 登場人物が少ないので、犯人は誰なのかは想像がついてしまうのですが、なぜ、犯人が犯行に及んだのかの理由は想像外でした。
 しかし、小松立人=”こまったひと”とじは、人を喰った名前ですね。 
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そして物語のおわりに  東京創元社 
 医学生の張田雅之はアルバイト先の経営者・柏谷幸男に誘われ、友人の久郷一とともに、幸男の父親・柏谷高規が暮らす孤島にやってくる。友人や息子たちを前に、夕食の際に高規から自分の命は長くないとの告白があった翌朝、高規と彼の会社の社員である緒方大智の姿が見えず、捜したところ、高規は四肢を切断され、また、緒方は四肢のほか首を切断され、池の中に捨てられているのが発見される。島は携帯電話の電波は届かず、外界との連絡手段であった電話と無線機は何者かによって壊されており、警察との連絡は取れない状況にあった。迎えの船が来るのは明後日となっており、張田は死亡推定時間を知るためにもここには医者も警察官も、医学生である自分もいて、解剖ができる環境にあるので、早くした方がいいと提案し、解剖が行われることになる。その結果、緒方の心臓が切り取られ、それが高規の胃の中から発見されるという驚愕の事実が判明する・・・。
 クローズドサークルの孤島、それも館での猟奇殺人事件という本格ミステリファンにはたまらない設定です。さらに事件の謎に挑む張田がミステリ小説好きということもあり、有名なミステリ小説の名前が出てくるのも嬉しいところです。
 最終的に張田らが想像する犯人の動機はあまりに弱いかなとも思うのですが、それは第三者としての見方で犯人としてみれば強い動機かもしれませんね。あまりに身勝手とも思いますが、そもそも殺人を犯すこと自体が身勝手なものですからねえ。
 この作品は張田と久郷が探偵役になるのですが、この久郷という男、彼の持つ特異的な嗅覚が事件の謎を解明するのに役立ちますが、性格的に自分に厄介が降りかからなくては何が起こってもかまわないという、非常に嫌な人物に描かれますので、論理的に解明がなされても爽快感はありません。 
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