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小松立人の本棚

  1. そして誰もいなくなるのか

そして誰もいなくなるのか  東京創元社 
 大学生の頃、認知症の老女のタンス預金2000万円余を盗んだ小松立人、安東達也、田村悟士、三宅正浩の4人は、10年が過ぎ、埋めておいた金を掘り返すために山に向かうが、途中、地震によって引き起こされた土砂崩れに巻き込まれ、命を落としてしまう。しかし、人間の寿命を管理している者、カバーに書かれたあらすじでは”死神”と言っていますが、によって7日間だけ時間が戻って生き返ることができる、ただし、1週間後の同じ時間にどこにいても死ぬ運命は変わらない、また、生き返った者の間で相手を殺害すれば、相手の残っていた寿命の分だけ長く生きることができると言われる。1週間前の時間に戻った4人は、金を掘り起こし分配して別れる。ところが、その後、一人また一人と仲間が死んでいく。
 いわゆる、特殊設定のミステリです。死神が彼らが生き返る理由を、うるう年を例にとって説明していましたが、理解できませんでした。しかし、その理由はこの物語にとって重要ではありません。理由は何であれ、とにかく、小松らが生き返り、1週間前に戻るという設定、更には、相手を殺害すれば相手の寿命の分を自分の寿命にプラスできるという特殊設定がなくては物語が進まないのですから。
 登場人物が少ないので、犯人は誰なのかは想像がついてしまうのですが、なぜ、犯人が犯行に及んだのかの理由は想像外でした。
 しかし、小松立人=”こまったひと”とじは、人を喰った名前ですね。 
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