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小泉喜美子の本棚

  1. 弁護側の証人

弁護側の証人 集英社文庫
 1963年に発表された作品ですから、すでに半世紀近くも前の作品になります。昔、読んだ記憶があるのですが、今回集英社文庫で復刊されたのを機に再読しました(とはいえ、内容はほとんど忘れているので初読と同じですが)。今読んでも内容は全然色あせていません。半世紀の時を経ても十分楽しむことができる作品です。
 ネタバレになるので詳しいことは書くことができません。あらすじを書くだけで作品のおもしろみが半減、いやそれ以上失ってしまうことになります。書くことができるのは「大企業のどら息子が踊り子を見初めて、家族の反対を押し切って結婚する。父親とぎくしゃくした同居生活を送る中、親族や関係者が集まったある夜、父親が殺される。果たして犯人は?」まで。解説を道尾秀介さんが書いていることから、どんな傾向の作品かは思い及ぶことができるでしょう。素直に読んで、あっ!そうだったのかあ!と思うのが一番です。
 アガサ・クリスティの作品に「検察側の証人」がありますが、題名の「弁護側の証人」はこれに影響を受けたものでしょうか。
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