異端の民俗学者蓮丈那智とその助手の内藤三国が活躍する表題作を始めとする5編からなる連作短編集です。どの作品も民俗学のフィールドワークに行った先で起こる事件を蓮丈那智が解き明かすという形をとっています。読む前は主人公の蓮丈那智は男性だと思っていたのですが、女性だったのですね。それも美貌の。そんな主人公の前でいつもあたふたしている内藤三国とのコンビがおもしろいですね。
それにしても、著者の民俗学に対するその豊富な知識は驚くばかりです。ハードカバー版では京極夏彦氏が推薦文を寄せているそうですが、豊富な知識を有しているということでは二人は似ていますね。
※なお、「双死神」には、北森さんの別シリーズの主人公が出ています。 |