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川島誠の本棚

  1. セカンド・ショット

セカンド・ショット 角川文庫
 初めて読んだ川島誠の作品です。9編からなる少年を主人公にした短編集です。なかでは、「電話がなっている」が一番印象的です。“電話がなっている。君からだ。”で始まり、そして終わる物語です。近い未来の話。主人公には幼い頃から主人公を助け、勉強も教えてくれた幼なじみの女の子がいました。主人公は勉強のできる彼女と同じ道を歩みたいと、一所懸命勉強をします。しかし、人生のランク付けが決まる試験の前、彼女は交通事故に遭って、左足を切断することになってしまいます。そして・・・。ラストが衝撃的で、これって初出は児童文学のようだけど、ちょっとふさわしくないのじゃないかなと思ってしまいます。
 一方、表題作の「セカンド・ショット」はうってかわってバスケ少年の中学最後のクラス対抗戦を描いた爽やかな話です。下手なクラスメートは試合には出さないと言いながら気にかけてしまう主人公が変に正義感が強くなくていいですね。担任の先生がいい味出しています。
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