14歳から幽霊までのニシノユキヒコと彼と付き合った女性10人を描く10編からなる連作短編集です。題名からすると、主人公はニシノユキヒコという人物のようですが、実は彼と付き合った女性がそれぞれ主人公であり、物語は彼女らの一人称で語られます。主人公の女性は14歳から孫のいる主婦までと多彩で、ニシノユキヒコも彼女らによって「ニシノさん」、「西野君」、「ユキヒコ」、「西野さん」等々呼び分けられ、彼女らの目をとおしてその人となりが浮かび上がります。
それにしても、どうしてニシノ君はこんなに女性にもてるのでしょうか。付き合っている女性の友達ともセックスしてしまうようなひどい男なのに。それにのらりくらりとしていて、そういうことをしても言い逃れてしまうのです。女性の怒りを買わないのです。10人のそれぞれ異なる性格の女性が彼を好きになってしまうのですが、僕としてはそんな男がいるわけがないと思うのですが・・・。女性って皆一様にそんな馬鹿ではないはずです(失礼!)。結局最後は皆ニシノ君の不実さに愛想を尽かして別れてしまうのは、やはり女性は賢いということでしょうか。
面白そうな題なので購入したんですが、内容的には男の僕としては今一つという感じです。別にもてるニシノユキヒコに嫉妬をしたわけではありませんが。 |