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川上弘美の本棚

  1. センセイの鞄
  2. ニシノユキヒコの恋と冒険
  3. パレード

センセイの鞄 平凡社
 谷崎潤一郎賞受賞作。本の帯には川上弘美の最高傑作と記されている。書評で評価が高かったので初めて読んでみた川上作品である。自分の父親ほども年の離れた先生を好きになってしまう主人公。男だから分からないと言ってしまえば簡単だけど、どうなんでしょう。そんなに年の離れた人を愛の対象とすることができるんですかね。女性の皆さん。
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ニシノユキヒコの恋と冒険 新潮社
 14歳から幽霊までのニシノユキヒコと彼と付き合った女性10人を描く10編からなる連作短編集です。題名からすると、主人公はニシノユキヒコという人物のようですが、実は彼と付き合った女性がそれぞれ主人公であり、物語は彼女らの一人称で語られます。主人公の女性は14歳から孫のいる主婦までと多彩で、ニシノユキヒコも彼女らによって「ニシノさん」、「西野君」、「ユキヒコ」、「西野さん」等々呼び分けられ、彼女らの目をとおしてその人となりが浮かび上がります。
 それにしても、どうしてニシノ君はこんなに女性にもてるのでしょうか。付き合っている女性の友達ともセックスしてしまうようなひどい男なのに。それにのらりくらりとしていて、そういうことをしても言い逃れてしまうのです。女性の怒りを買わないのです。10人のそれぞれ異なる性格の女性が彼を好きになってしまうのですが、僕としてはそんな男がいるわけがないと思うのですが・・・。女性って皆一様にそんな馬鹿ではないはずです(失礼!)。結局最後は皆ニシノ君の不実さに愛想を尽かして別れてしまうのは、やはり女性は賢いということでしょうか。
 面白そうな題なので購入したんですが、内容的には男の僕としては今一つという感じです。別にもてるニシノユキヒコに嫉妬をしたわけではありませんが。
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パレード 平凡社
 ある日目覚めると、二人の赤い天狗がいた。母は天狗を見ても驚かない。学校にも付いてきたが、教室に入ってびっくり。ある子の横にはあなぐまや小さなおばあさんがいたり、ろくろっ首と腕を絡ませている子もいる。
 「センセイの鞄」のセンセイとツキコさんが二人で過ごしたある夏の午後。「昔の話をしてください」というセンセイの頼みに、畳に寝そべって、ツキコさんが話した小学校三年生の頃の摩訶不思議な話です。

 「センセイの鞄」のもう一つのお話しです。サイドストーリーというのでしょうか。二人が過ごす日常を描いた100ページにも満たない小品です。といっても、内容はツキコさんの幼い頃の話です。なかなか味わいのあるお話しでした。

(「センセイの鞄」でも色々な食べ物が出てきますが、今回はそうめんです。夏らしいですね。)
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